2025.06.30
「劇場版ニチアサナイトFlowers Loft大戦180」追加
きただにひろしデビュー30周年ライブ~仲間の印×~
25.4.20 ヒューリックホール東京
出演/きただにひろし
演奏/カラオケ
きただにひろしさん。
1994年にロックユニットSTAGGERの一員としてデビュー。その後契約が終了し脱退。
1998年にはソロユニットgive peace a chanceとして再デビューされたものの、なかなか振るわなかった頃、
漫画「ONE PIECE」のアニメ化に伴い主題歌のコンペに参加された作曲家の田中公平先生から声をかけられ、
コンペ用のデモテープの仮歌を歌唱。その仮歌が評価され、そのままアニメ「ONE PIECE」の初代オープニング「ウィーアー!」を担当。
その後、ソロ歌手としては本名の北谷洋ではなく平仮名のきただにひろしの名義で
アニメ、特撮、ゲーム関係の楽曲に多く関わるように。
他にもゲーム「サクラ大戦」を題材にしたミュージカル「サクラ大戦歌謡ショウ」シリーズへ出演されたり、
1999年にロックバンドLapisLazuliにボーカルのHirosyとして加入。
更に2002年からはアニメソングを作り歌うユニットJAM Projectに加入され、歌以外にも作詞作曲も手がけられています。
特にアニメ「ONE PIECE」とは縁が深く、原作者の尾田栄一郎先生や声優さん達とも親交があり、
約26年続くテレビアニメシリーズのオープニングを五度担当されているほか、近年の世界的な人気を受け作品を代表する歌手として、
日本はもちろん世界各国のイベントやコンサートに出演されています。
"だにぃ~"の愛称で親しまれ、持ち前のノリの良さと明るく朗らかでごきげんな性格と、
抒情的で豊かな歌声やパワフルなパフォーマンスで多くのファンを持つきただにさんが
2024年にデビュー30周年を迎えられました。おめでとうございます。
デビュー30周年を記念して2025年にアニメ「ONE PIECE」で他のアーティストが歌われた楽曲をカバーされた
アルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」を発表され、
更に今回、アルバムと同タイトルのライブ「きただにひろしデビュー30周年ライブ~仲間の印×~」が開催されました。
チケットの種類はプレミアムグッズときただにさんによるお見送りが付いたプレミアムチケットと
一般指定チケットの2種類が用意されていました。
今回のライブの開催にあたり、きただにさんの公式サイトや所属事務所であるHIGHWAY STARのX上で
特別企画として「会場をダニーフラッグで埋め尽くせ!! 大作戦」が告知されました。
今回のライブのロゴを使用した旗、"ダニーフラッグ"を観客が自作し、客席を埋めつくそうというもの。
フラッグは配布された画像データを自宅、またはネットワークプリントサービスを利用して印刷し、棒に巻き付けて作成。
大きさは自由ながら、周囲に迷惑にならない程度の大きさ、A3サイズが推奨され、
ライブ中は自分の胸の高さ以上に掲げないように、という旨が案内されていました。
会場は東京都の複合ビル有楽町マリオンの11階にあるヒューリックホール東京は、
かつての"日劇"こと日本劇場が老朽化により建て替えられた映画館を改装した多目的ホール。
入場するとロビーには漫画「ONE PIECE」の作者である尾田栄一郎先生や、
「ウィーアー!」はじめアニメ「ONE PIECE」の音楽を作られた作曲家の田中公平先生、作詞家の藤林聖子さんの通称"「ウィーアー!」の一味"、
そして"麦わらの一味"の声優さん方など、アニメ「ONE PIECE」関係の方々や、
各業界関係者、ファン有志など数多くの祝花が飾られていました。
吹き抜けになったロビーにはホール後方への階段があり、その脇ではライブグッズの物販が行われていました。
階段の踊り場に置かれた机の上には大きな"ダニーフラッグ"が広げられ、
来場した観客がそこにきただにさんへのメッセージを書き込む「ダニーフラッグにメッセージを書こう」という企画が行われており、
多くの観客が思い思いの言葉を書き込んでおりました。
ホール内は映画館を改装しただけあって落ち着いた雰囲気。
ステージ奥の壁の左右には黄色と紫の縦縞に今回のロゴが描かれた帆船の帆をあしらった幕が張られていました。
背面には6本の照明が立てられ、中央やや右側の奥にはカウンターチェアのようなテーブルがあり、
テーブルの上には今回のロゴの描かれたステンレスボトルとペットボトルが置かれていました。
ステージ前方の左右それぞれにはお立ち台/踏み台が設置されていました。
開演までの間にはきただにさんが歌われた様々な楽曲がBGMとして流れており、
つめかける観客を出迎えており、公演の諸注意が折にふれてアナウンスされていました。
00:レスキューサンバ♪
間もなく開演という旨のアナウンスのあと、それまで流れていた「キャラヴェルFAREWELL~進め! ゴーイング・メリー号~」が
フェードアウトして流れてきたのは特撮「トミカヒーロー レスキューファイアー」のイメージソング。
それまでのBGMよりも音量が大きくなり、照明も客席前方を強く照らして、観客の高揚感を誘います。
曲の終盤でだんだん音量が大きくなり、曲が終わると共に照明が消えると、観客の拍手の中、いよいよ開演です。
●その男"麦わらのルフィ"
照明が消えると「おれはモンキー・D・ルフィ。海賊王になる男だ」という声がすると観客大歓声。
アニメ「ONE PIECE」の主人公モンキー・D・ルフィを演じられている田中真弓さんがルフィとしてアナウンス。
観客の歓声に驚きながら、きただにさんのライブを盛り上げるべく観客に「だにぃ~」コールを扇動。
「だにぃ~は声がでけえから、だにぃ~より声出していこうぜ」と観客を和ませながら盛り上げられていました。
ルフィ「よぉーし! 『きただにひろしデビュー30周年ライブ~仲間の印×~』、出航だぁあぁあああああ」
01:Wake up!/きただにひろし
-MC-
歓声を受けながらきただにさんが登場され、カバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」より
歌われたのはアニメ「ONE PIECE」でAAAの皆さんが歌われたドレスローザ編オープニング。
きただにさんはロビーに置かれていた"ダニーフラッグ"を肩に担いで登場されて観客は大歓声をあげました。
"ダニーフラッグ"は序盤でスタッフさんが引きとりステージ後方向かって右側の専用スタンドに設置。
きただにさんは手製の"ダニーフラッグ"を振る観客達を嬉しそうに眺めながら、はつらつとした歌声を披露されました。
・観客の拍手を受けながらきただにさんがご挨拶。
・きただにさん「黄色いシャツに黄色い旗、最高の景色です! ありがとうございます!」
・カバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」のお話。
きただにさん「このアルバムを実現するにあたり、多くの人達が力を貸してくださいました。
この場を借りてお礼を言わせてください。本当にありがとうございます」
観客拍手。
きただにさん「早速アルバムを親族、母親に贈りました。そしたら感想が来ました。
『まぁよいよはやぁね』……まぁテンポが速いって事なんでしょうけど、それだけでした」
観客笑。
・きただにさん「きただにの30年間を歌で辿ったら明後日くらいまでかかってしまうんで、
トークで30年間をたどりながら、歌はカバーアルバムの曲を中心に歌ってこうと思います!」
02:ヒカリへ/きただにひろし
03:BRAND NEW WORLD/きただにひろし
-MC-
ここからしばらくはカバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」の楽曲群。
「まずは懐かしいアラバスタのナンバーから」ときただにさんがお話されて歌われたのは、
アニメ「ONE PIECE」より、ザ・ベイビースターズの皆さんが歌われたアラバスタ編・空島編オープニング。
きただにさんが爽快感抜群に歌われ、間奏部分の「LA LA LA」では客席にマイクを向けて観客は大合唱。
続いてはそのままD-51のお二人が歌われたウォーターセブン編・エニエス・ロビー編オープニングへ。
歌詞に合わせて走る様なステップで歌われるきただにさん。二番序盤の「七色を描いて」の部分では
後方の照明が七色になっていたのも印象的でした。
・着ている赤い革ジャンが暑いので、既に汗だくになりながらステンレスボトルの暖かいほうじ茶を飲むきただにさん。
・ここからのトークはきただにさんのデビュー当時から現在までを段階を追ってお話。
・STAGGERのデビュー曲「愛を今夜届けに来たよ」は1994年のケンタッキーフライドチキン「'94クリスマス」CMソング。
きただにさん「新聞の一面に広告がデェーン! ケンタッキーのトレイの下にある紙にも広告がバーン!
…………売れるやろ普通ぅー! どこでどう間違えたんや!」
観客笑。
きただにさん「他にもタイアップがあったんすよ。『Now And Forever』っていう曲は日本テレビの『Jリーグ中継』のテーマで。
……オウム事件で全部カットになっちゃいましたけど」
観客笑。
きただにさん「その後の『Kiss me』っていう曲もリコーのプリンターのCMソングになったんすけどね。
オレの力が足りなかったんですね。二年くらいして、オレ以外のメンバーだけは残ってオレは解雇になりました」
・その後にソロユニットgive peace a chanceとして再デビュー。
きただにさん「曲を作って事務所でマネージャーとかに聞いてもらいに行くんですけど、なかなか響かなくて。
そん時に『すみませんね。個性的な声じゃなくて』って言ったら、シーンってなったんすよ。
『え、お前、自分の声が個性的じゃないと思ってるの?』って言われて。その時初めて自分の声が個性的だって知ったんです」
観客笑。
04:sailing day/きただにひろし
05:ココロのちず/きただにひろし
-MC-
引き続きカバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」の楽曲群から。
映画「ワンピース THE MOVIE デッドエンドの冒険」よりBUMP OF CHICKENの皆さんが歌われた主題歌。
きただにさんはスピーディーな楽曲をステージを動き回って観客を扇動しながらパワフルに歌われ、
そのままBOYSTYLEの皆さんが歌われたデービーバックファイト編・ウォーターセブン編オープニングへ。
ポップなきただにさんの歌声が魅力な本曲ではきただにさんの扇動で観客が手を左右に振り一体感が随所で生まれていました。
・J-POP界から戦力外通告を受け、悩んでいた頃に「ウィーアー!」の仮歌を歌う事になりアニメソングの世界へ。
・きただにさん「運がいいんですよ。ここ(口の右下)、ホクロがあるでしょ? これって最強運のホクロなんですよ。
これ最近知ったんですけど、口の右下にあるホクロって最強なんですって。やっぱりね」
観客拍手。
・きただにさん「さっき、開演前に流れていた『しまじろう』みたいなキッズソングから
18禁ゲームの歌まで幅広く歌えるのは嬉しかったですけど、
やっぱりその中でもこの業界に入ったのなら、男子たるもの特撮ヒーローもの歌いたいじゃないですか?
男子は特に小さい頃、特撮ヒーローに育てられたじゃないですか!?」
観客拍手。
きただにさん「特撮ヒーローに携われたら最高じゃないっすか? ど真ん中だったり掠ったり色々やらせてもらいました。
ここからはめちゃくちゃレアな曲も含めて特撮ヒーローの曲をおみまいするぜ!」
観客「おぉぉぉおおおおぉおおおお」
06:果てなき希望/きただにひろし
07:トラベリオン・ゴー!/きただにひろし
08:僕らのスペクトラ/きただにひろし
-MC-
ここからはきただにさんが歌われた特撮ヒーローの楽曲をノンストップで。
まずは仮面ライダーシリーズから特撮「仮面ライダー龍騎」より初代エンディング。
きただにさんの使命感の強さを感じるようなシリアスな歌いぶりを堪能した後はスーパー戦隊シリーズへ。
特撮「魔法戦隊マジレンジャー」より、魔法特急トラベリオンエクスプレスおよび魔法鉄神トラベリオンのテーマ。
きただにさんは汽笛や両腕の肘をまげて回しながら機関車のマネを織り交ぜながらはつらつとした歌声をご披露。
今回まさか本曲を聞く事が出来るとは思わなかっただけに嬉しいサプライズでした。
特撮ヒーローラストはウルトラマンシリーズから特撮「ウルトラマンブレーザー」よりオープニング。
独特の緊張感漂う楽曲を、どこかさびしさもありながら情熱的に歌われるきただにさんが印象的でした。
・衣装の革ジャンを脱ごうとしたものの、袖口がひっかかってしまい上手く脱げずにスタッフに手伝ってもらう。
・"きただにひろし"としてアニメソングに関わる傍ら、LapisLazuliにボーカルのHirosyとして加入。
・きただにさん「当時ボーカルが抜けた時期で、リーダーでベースをやってた同郷的なIKUOちゃんから連絡があって、
LOUDNESSの樋口宗孝さんのプロデュースでデビューするからボーカルやらないかって。
……こういう時にこれ発動するんですよ(口の右下にあるホクロを観客に見せながら)」
観客拍手。
きただにさん「ラピスはビジュアル系っていうかソフトビジュアルっていう感じだったんですけど
きただにじゃなくてHirosyって名前で、マイクの持ち方も90度立ててましたね。
それでアニソンの時は笑顔で♪ありったけーのぉ~ですからね」
観客笑。
・きただにさん「今回のカバーアルバムで自分的にも一番チャレンジだったのはAdoちゃんの歌なんですよ。
Adoちゃんみたいな歌唱は自分の中にはなかったし、ファンの皆も喜んでくれるかと思ったし、
オジサンがファルセットをどれくらい頑張って歌えるかってのにも挑戦したかったんですよ」
09:新時代/きただにひろし
10:私は最強/きただにひろし
-MC-
カバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」の楽曲群に戻り
映画「ONE PIECE FILM RED」より、Adoさんが"世界の歌姫"ウタとして歌われた劇中歌を二曲連続で。
「新時代」では冒頭部分を歌われると観客から大歓声。小気味よいテンポの楽曲をしなやかに歌われ、
続く「私は最強」では裏声や高音をふんだんに使用され、軽やかながらどこか哀しさも感じる歌声をご披露。
かなりの難曲である二曲に挑戦され、ライブでも見事に歌われるお姿にきただにさんの心意気と凄さを改めて実感しました。
・きただにさん「いやぁー最近の歌はかっこいいですけど難しいですね。自分の中にも新しい引き出しが出来たと思います!」
・2002年にJAM Projectに加入した時のお話。
きただにさん「そこで挫折を味わうんですね。凄いメンバーに囲まれると自分の不甲斐なさを実感するばかりで。
レコーディングでも指示通りに歌えずに交代させられたりして。最初の何年かはいつも後悔してました。
それでも、期待に応えたいっていう気持ちが大事になるし、そこがバネになるんですよね。
やっぱり凄いメンバーに囲まれると徐々に鍛えられてて自分のスキルもアップす、あ、"SKILL"もアップするんですね」
観客拍手。
きただにさん「JAMも25周年になりましたけど、その間に"部長"っていうキャラが出来てコーナーみたいなものあったり、
『牙狼』シリーズでは曲も作れたりして、徐々に『自分がいてもいいんだ』って思えるようになりました」
・2023年の年末から海外からのオファーが続くきただにさん。
きただにさん「このライブの数日後にはドバイに行ってきますし、これから毎月単品で海外に行ってきます。
まさか自分が海外で歌えるなんて思ってもみなかったですね。56歳、まだまだ行きたい所があります。
もちろん国内も行った事ない所が沢山あります。今回のアルバムでまた歌える歌が増えたので
これから海外でも国内でも『ONE PIECE』の歌を広めて行ければと思います」
11:DREAMIN'ON/きただにひろし
12:One day/きただにひろし
13:ウィーキャン!/きただにひろし
-MC-
続いてもカバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」の楽曲群から、
きただにさんが「大好きな歌」とご紹介されアニメ「ONE PIECE」よりDa-iCEの皆さんが歌われたワノ国編オープニング。
ハードな楽曲をきただにさんが高揚感たっぷりに歌われ、観客も随所の「Oh Ohooh」や合いの手で大合唱状態に。
アニメ「ONE PIECE」よりThe Rootlessの皆さんが歌われたマリンフォード頂上戦争編オープニング。
作中重大な局面の楽曲である本曲を渾身の力を振り絞るように歌われるきただにさんのお姿がとても魅力的でした。
がらりと雰囲気が変わり、ここからはカバーではなくきただにさんが歌われた楽曲。
まずはアニメ「ONE PIECE」より、きただにさんがロックバンド気志團の皆さんと歌われたゾウ編のオープニング。
原曲は気志團ボーカルの綾小路翔さんとのデュエットですが、今回は全編きただにさんがヤンク・ロックに歌われており、
きただにさんがMVと同様に敬礼をしたり、リズムに合わせて手を上下に動かすモンキーダンスを随所で行うと、
観客も一緒になって踊っていました。
・きただにさん「去年デビュー30周年、『ONE PIECE』アニメ25周年、しかも大槻マキちゃんと一緒に主題歌に自分が戻る。
こんなタイミングなかなか無いでしょ。だからカバーアルバムを作らなあかんなと思ったんです。
そんな企画を支えてくれた皆さん、聞いてくれた皆さん、ありがとうございます。
そして田中公平先生、ありがとうございます」
観客拍手。
きただにさん「"きただにひろし印"の曲を沢山書いてもらいました……まだ決まってないですけど次もお願いしますね」
観客笑。
きただにさん「いつか藤林さんと公平先生とオレとでイイ曲を出したいです。だから健康には気をつけましょうね」
観客笑。
きただにさん「それじゃあここからはきただにひろしを輝かせてくれた曲をブチかましてくぜ!!」
観客「おぉぉおおおおおおおおおぉおおお」
14:ウィーゴー!/きただにひろし
15:OVER THE TOP/きただにひろし
16.5:あーーっす! (序盤まで)/きただにひろし
-MC-
ここからはきただにさんが歌われ、藤林さんが作詞、公平先生が編曲されたアニメ「ONE PIECE」オープニングを連続で。
まずは前奏で大歓声が上がる中、きただにさんの「新世界へ出航だぁああ」の一声から新世界編のオープニング。
挫折を経て再集結した"麦わらの一味"の再出発の喜びとやる気の満ちようをきただにさんがのびやかに歌われた後は、
アニメ20周年のワノ国編のオープニングへ。きただにさんの力強い歌いぶりに応える様な中盤のコール&レスポンスは臨場感抜群。
そのままエッグヘッド編オープニングへとつながっていったのですが、きただにさんが序盤で歌詞を忘れてしまい仕切り直し。
・きただにさん「アレ? なんだっけ? 夢の果てぇの後、歌詞飛んじゃった。こんな事無かったのに」
観客笑。
ステージ前方の観客もしくはスタッフさんがスマホを差しだし歌詞を確認されるきただにさん。
きただにさん「あ、そっかそっか。ごめんごめん……なんにもなかったでーす!」
観客拍手。
16:あーーっす!/きただにひろし
-MC-
仕切り直して改めてアニメ「ONE PICE」よりエッグヘッド編オープニング。様々な要素が入り乱れる独特の疾走感満載な本曲を、
きただにさんがさながらギア5のルフィの様に縦横無尽の歌いぶりでご披露。特にラストの高音は圧巻の一言でした。
・きただにさん「まぁ、ライブですから魔物はいますよね……どんだけ歌ってきたんやっちゅうねん」
観客笑。
きただにさん「でも、この三曲を連続でって結構キツイんですよ。今度やってみて下さい。
この前、スペインで一時間のステージやったんですけど歌に支障が出るくらいヘロヘロになっちゃって。
だから今回はもう、この日の為に走り込みましたからね」
観客拍手。
きただにさん「年をとって物理的に出来ない事が増えてるけど出来る事も増えてると思うんです。
だから今が一番、ピカピカに光って……宮崎美子さん、古いなっ、誰も知らんで」
観客笑。
※1980年に一世風靡した宮崎美子さんが出演されていたコニカのカメラ「X-7」のCMソング「いまのキミはピカピカに光って」の歌詞。
・改めてデビュー30年を振り返る。
きただにさん「自分だけじゃなくてみなさんのおかげで30年続けられています。
あの時に歌を志して田舎から出た事も、デビューできた事すら奇跡だったと思うんすよね。
そこから30年、こんだけのみんなが来てくれて、まだ歌い続けられるのも奇跡っすよ」
17:Memories/きただにひろし
18:Jungle P/きただにひろし
-MC-
カバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」の楽曲も残す所二曲。
アニメ「ONE PIECE」よりきただにさんが「戦友」と称した大槻マキさんが歌われた初代エンディング。
冒頭で「みんなの声を聞かせてください」ときただにさんが投げかけると観客が「LA LA LA」の部分を大合唱。
ハラミちゃんさんのピアノのみのシンプルなカラオケだけに、きただにさんの歌声にじっくりと聞き入る事が出来ました。
がらりと雰囲気が変わって本編のラストは、5050の皆さんが歌われたテレビオリジナル編・スリラーバーク編オープニング。
きただにさんはノリが良くからりとした爽快な本曲を笑顔で躍動感たっぷりに歌われると
後奏の締めくくりが何度も繰り返される中、退場されて行きました。
-アンコール-
-MC-
曲が終わると拍手が起こり、その拍手はアンコールを表す手拍子に、そして手拍子と共に観客からアンコールの声が起こりました。
しばらくすると今回のライブTシャツに着替えられたきただにさんが登場され、改めてご挨拶。
・きただにさん「アンコールはやっぱり人生を救ってくれたあの曲を歌いたいんですけど、ここで企画がありまして。
アニメ『ONE PIECE』の129話のあの名シーンを再現してみたいんですよ」
・アニメ「ONE PIECE」のアラバスタ編最終話である129話「始まりはあの日! ビビが語る冒険譚!」。
ルフィ達"麦わらの一味"と冒険を共にして来たビビとカルー。戦いは終わり、それぞれの道を行く事になり、
ビビ達は海辺で旅立つ一味に向かって言葉を投げかけるのですが、ビビはアラバスタ王国の王女である為、
海賊であるルフィ達との関係を知られてしまうわけにはいかず、一味はビビの言葉に応えられません。
その代わりに一味は背中を向けながら無言で左腕の"仲間の印"を掲げて応えるというシーンがあります。
アニメ版では"仲間の印"を掲げた時に「ウィーアー!」が流れ出し、その演出に多くの視聴者の興奮と涙を誘いました。
・きただにさん「みなさん、わかりますかね? ボクがビビの台詞を言いますんで、みんなは、こう(黙って左手を掲げる)、ね。
いきますよ……『いつかまた会えたら!!! もう一度 仲間と 呼んでくれますか!!!?』」
観客の多くが黙って左手を掲げる中、一人の観客が勘違いしたのか、感極まったのか、ウケ狙いなのか、
「ONE PIECE」の別エピソードにおけるルフィの台詞「当たり前だ!!!!!」を叫んでしまい若干の緊張感が生まれましたが、
きただにさんが「しゃべっちゃだめ」と優しくたしなめられると、すぐに「出航だぁああああああ」と仕切り直されました。
19:ウィーアー!/きただにひろし
「きただにひろしデビュー30周年ライブ~仲間の印×~」のラストはアニメ「ONE PIECE」より初代オープニング。
代表曲中の代表曲である本曲を、きただにさんは満面の笑顔で客席を見渡しながらのびのびと歌われており、
最後のサビの繰り返し部分になると演奏が止まり、きただにさんの先導で観客のみで大合唱。
「最高だァアアアア!」というきただにさんの一声から再び最後のサビの演奏が流れ出し、
最後は会場一体となっての大合唱でしめくくられました。
閉演BGM:ウィーアー! (カラオケ)
「ウィーアー!」のカラオケが流れる中、きただにさんは贈られる観客から拍手に応えながら
ステージを左右に移動され、各方面へ向けて「ありがとう」と感謝を伝えらると、
「最後は"仲間の印"を掲げましょう」という合図で観客と共に左腕を掲げられました。
きただにさん「素晴らしい光景です! ありがとー! またねー!」
きただにさんが拍手を観客から大きな贈られながら退場されると会場の照明が明るくなり閉演のアナウンスがあり、
スタッフさんがプレミアムチケット席の観客へ向けての案内をされる中、
「きただにひろしデビュー30周年ライブ~仲間の印×~」は終演となりました。
30周年ライブはカバーアルバム「ONE PIECE COVER SONGS~仲間の印×~」を主軸に
アニメ「ONE PIECE」の楽曲と特撮ヒーローの楽曲で構成。
披露されたほとんどの曲が力強さとスタミナが要求され、かつバラエティ豊かなオープニング曲ばかり。
演奏がバンドではなくカラオケだったため、ステージ上にはきただにさんたった一人という、
ストロングスタイルなステージでしたが、きただにさんは汗こそ流されていましたが、
歌声はほとんどブレる事無く笑顔でパワフルに歌われ、改めてきただにさんの底力を目の当たりにしました。実に格好良かったです。
トークではデビューしてからの30年を笑いを交えつつも感慨深そうに回顧しつつ、
折に触れて感謝の言葉を交えられており、お人柄を感じる事が出来ました。
きただにさん、ごきげん30周年おめでとうございます。
声のゲスト/モンキー•D•ルフィ(田中真弓)
補足
・ご自身のアニメソングデビューは映画「め組の大吾 火事場のバカヤロー」のエンディングとされていますが、
映画「め組の大吾」の公開は1999年3月、アニメ「ONE PIECE」の放送は1999年11月と同年ではあるものの、
きただにさんが「ウィーアー!」のコンペ用の仮歌を担当されたのは映画「め組の大吾」の以前か同時進行と思われ、
アニメソングデビューは映画「め組の大吾」、アニメソングとの出会いはアニメ「ONE PIECE」なのではと考えられます。
・"ダニーフラッグ"の近くには専用のサーキュレーターが設置され、風になびくように仕掛けが施されていました。
・きただにさん「どこにおったんや今まで。いつも来てよぉ」
・なぜ名前ではなくgive peace a chanceというユニットになったのかはここだけのお話。
・give peace a chanceのデビュー曲「sweet come back」はロッテ「スイカバー」のCMソング。制作秘話もここだけの話。
・アニメ「はっけん たいけん だいすき! しまじろう」で歌われた「ストン ストン ストンプ」の思い出。
きただにさん「♪ひっざっをならっしてっ ストン ストン ストンプっていう曲なんですけど、
レコーディングの時にどうしても"ひざ おならして"にしか聞こえなくて」
観客笑。
きただにさん「子供は喜ぶけど、いいんかなぁって」
・特撮の思い出。
きただにさん「小さい頃はこうやって、でぇーんって。超合金で遊んでね。ま、オレはソフビやったけど」
観客笑。
きただにさん「まぁ、かろうじて『(秘密戦隊)ゴレンジャー』のバリドリーンとバリタンクの超合金は持ってたかな?」
・「トラベリオン・ゴー!」のきただにさんの機関車のマネは観客も一緒におこなっており、一体感が生まれていました。
・きただにさんが結成したバンドDany's(だにぃ~ズ)のお話。
きただにさん「当時、キャリアの若いメンバーで組みたいと思って始めたんですけど
今もう大活躍してくれて、バンマスの(宗本)康兵はポルノグラフィティ行って、ももクロ行って。
ドラムの(青山)英樹なんてB'zまで行きましたからね。ギターの(高慶)CO-K(卓史)がAdoちゃん。
それぞれがサポートとして大活躍してて、オレ、踏み台踏み台でもう足跡だらけっすよ」
観客笑。
2024年にDany's(だにぃ~ズ)の皆さんとはYouTubeのコラボレーション企画「THE FIRST TAKE」で
きただにさんが「ウィーアー!」を歌われる際に久し振りに集合。
きただにさん「これがルフィ達"麦わらの一味"が二年越しにシャボンディ諸島に集合したのと重なったんですよ。
ちょっと無理矢理につなげちゃいましたけど」
・2020年以降の新型コロナウイルスの世界的な蔓延を受けて活動が出来なかった頃のお話。
きただにさん「JAMが20周年でデカいツアーを企画してたんですけど全部ダメになったりしましたし、
ライブもイベントも無くなったから、自分みたいな仕事してる人って収入がゼロになったんですよ。
困ったヤバいって悩んでた時に、テレビの出演がいっぱいあったんです。(口の右下にあるホクロを観客に見せながら)」
観客拍手。
・きただにさんがオリジナルで歌われたアニメ「ONE PIECE」の楽曲をご披露される際には
ステージ壁面の黒幕が開き、そこに当時のオープニング映像が映し出されていました。
オープニング映像はテレビサイズの為、映像が終わるとCGの"ダニーフラッグ"がはためく映像が流れていました。
・きただにさん「ありがたい事にベテランとかレジェンドとか言ってくださる事があるんですけど、まぁだまだ。
頂点目指して頑張っていかなきゃ。転がる石には苔が生えない、流れている水は腐らないんですよ。
山口弁でいうと、いごき続けて行かなきゃって思うんです」
・きただにさん「自分は運がいいと言い続けてますけど、それだけじゃなくて、チャンスを待って、離さないのも大事ですよね。
あと自分の中で信念があって、『相手の期待を越える結果で応える』っていう事なんですよ。
その人の期待以上で応えられた時は相手も喜んでくれるし、次へとつながっていくと思ってるんですよね」
・終演後にプレミアムチケット席の観客へ向けてきただにさんがお見送りとプレミアムグッズがプレゼント。
きただにさんは観客ひとりひとりと握手と言葉を交わされておりました。
プレミアムグッズはビニール製の透明バッグと「×(仲間の印)型」のビッグサイズチャームでした。
・きただにさん「最高ですよ。やべえバチあたりますよ。もうこうなりゃ残り少ない人生、恩返しですよ。
オレを救ってくれたアニソン界に恩返しする気持ちでこれからも歌って行きたいと思います!」