2025.04.01
「千晶と騒がNight」「ボイジャーソングライブ」追加
菊池俊輔音楽祭 (メモリアル公演)
24.6.23 サントリーホール
歌唱ゲスト/ささきいさお 高野二郎 中川翔子 藤岡弘、 森本英世 (50音順)
司会/中川翔子 西耕一
選曲協力/庵野秀明 早川優
指揮/松井慶太
コンサートマスター/工藤春彦
演奏/オーケストラ・トリプティーク
G.伊藤ハルトシ Ba.山本昌史 Dr.重本遼大郎 Key.竹蓋彩花
合唱/ヒーロー・コーラス
コーラス/ヒーロー・コーラス(加藤茜 岡崎理恵 菅沼安佐代 西本文子 三好駿 根岸一郎 篠嵜利雄 阿部大輔 中野広 植田昌史)
昭和の時代を彩った数々の作品の音楽や歌を手がけられた作曲家の菊池俊輔先生。
アニメでは「ドラえもん」をはじめとした藤子・F・不二雄先生、藤子不二雄A先生作品や「DRAGON BALL」シリーズやロボットアニメ。
特撮では昭和の「仮面ライダー」シリーズや円谷プロ作品、「ガメラ」シリーズ、時代劇では「暴れん坊将軍」シリーズ、
ドラマでは「キイハンター」「Gメン'75」「刑事くん」「赤い」シリーズ」や「スクール☆ウォーズ」などの大映ドラマシリーズなど
菊池先生が残された楽曲は勇ましい管楽器、縦横無尽の弦楽器、荒ぶる打楽器による高揚感と独特の哀愁を感じる音色で
ファンからは"菊池節"(きくちぶし)と称されており今もなお愛されています。
そんな先生が89歳でご逝去されたのは2021年4月24日。
折しも世界中で新型コロナウイルスが猛威をふるっている時期だった為、追悼コンサートなどが開催されずにいましたが、
今回は追悼とメモリアルのために、「傑作セレクション」と題して先生の楽曲をオーケストラと
縁のある歌手の皆様によって披露されたのが「菊池俊輔音楽祭」です。
演奏するのは日本の作曲家を専門に演奏するオーケストラであるオーケストラ・トリプティークの皆さん。
過去には菊池先生の他にも渡辺宙明先生などの楽曲を演奏するコンサートが開催されており、
菊池先生の楽曲のみのコンサートは2017年の「菊池俊輔 音楽祭」以来となります。
演奏は前途のオーケストラ・トリプティークの皆さんと
スタジオミュージシャンの皆さんを中心としたホーンやバンドの皆さんが演奏をご担当。
コーラスにはプロ合唱団や日本合唱協会から選抜された方々がヒーロー・コーラスとしてご担当。
歌手の皆さんは、菊池先生が手がけられた楽曲を数多く歌われたささきいさおさん、藤岡弘、さん、森本英世さん、
加えて菊池先生の楽曲を多く歌われた子門真人さんを敬愛するテノール歌手の高野二郎さん。
そしてオーケストラ・トリプティークの皆さんによる宙明先生のコンサートにも出演された中川翔子さんがご出演。
更に今回、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズや映画「シン・ゴジラ」、映画「シン・仮面ライダー」など
数多くの話題作を手がけられた監督の庵野秀明さんと、映画音楽CDの企画・編集を手がける早川優さんが
選曲協力として参加されるという旨が発表されていました。
コンサートの性質上、今回のレポートはざっくりとした内容でございます。予めご了承頂けましたら幸いです。
会場は東京都港区にあるサントリーホール。
ステージ上にはオーケストラの楽器が設置されており、向かって左側には司会のブースが設けられていました。
サントリーホールはステージの背面にも客席が設けられているのですが、今回は使用されていませんでした。
観客が続々と入場していき、開演時間5分前になると上演にあたっての諸注意がアナウンス。
アナウンスが続く中、演奏陣やコーラスの皆さんがステージにご登場され、準備や調弦が行われていました。
演奏陣の皆さんに続き指揮を務められる松井慶太さんが登場されて壇上に上がられ、いよいよ開演です。
【菊池俊輔、おなじみのテーマ曲】
01:キイハンター/ナレーション:ヒーロー・コーラス
02:Gメン'75/ヒーロー・コーラス ナレーション:ヒーロー・コーラス
03:暴れん坊将軍/ タイトルコール:ヒーロー・コーラス
04:ドラえもんのうた (TVサイズ)/中川翔子
-MC-
ヒーロー・コーラスのお一人によるナレーションからはじまったのはドラマ「キイハンター」よりオープニング。
印象的なエレキギターの音色からムードあるはじまりとなり、続いてはドラマ「Gメン'75」よりオープニング。
こちらもナレーションの後にダンディズムあふれる演奏が披露されたました。そして馬のひづめの音が再現から
タイトルコールがあり、ドラマ「暴れん坊将軍」よりオープニングをダイナミックかつ艶やかにご披露。
観客の拍手の中、中川さんが登場され、続いてはアニメ「ドラえもん」より初代オープニング。
幼少期から聞いていた曲の生演奏は感慨深く。中川さんは歌以外にも曲中の台詞もご担当されていました。
・中川さんは司会のブースに移動され、ここからは司会進行もご担当。
・まずは指揮と演奏、コーラスの皆さんをご紹介され、観客から拍手が贈られていました。
・ここで改めて菊池先生のプロフィールがご紹介されました。
・続いて中川さんに紹介され、いさおさんが登場されてお二人でトーク。
・いさおさんのアニメソングデビューに至るまでのお話。
・いさおさん「当時は『科学忍者隊ガッチャマン』というアニメで声優をしていてそのご縁で歌を歌う事になったんだけど、
ボクは歌手としてデビューしたくせに歌が下手だったんですよ」
中川さん「いえいえいえそんなことは」
いさおさん「ホントに、下手で有名だったんだよ。それで『ガッチャマン』の頃は歌をもう一度勉強していた頃だったんで
お話を頂いた時は、自分がどれくらい歌えているのか、形として残せるならと思ってお受けしたんですね。
その頃、アニメソングって歌う人が少なくて、男は子門真人とか水木一郎、あと数人ぐらいでしたからね。
でも後で、本で読んで知ったんだけど菊池先生は最初『ささきいさおが歌う』って聞いて嫌がったらしいですね」
中川さん「えぇぇえええ。信じられないですね」
いさおさん「『和製プレスリーだろ? アイツは下手じゃないか』って。じゃあ一度オーディションをしようって事で
コロムビアのスタジオに行って歌ったら、OKが出て。すごくお喜びになって嬉しかったですね」
【ささきいさお、初のアニメソング】
05:たたかえ! キャシャーン (TVサイズ)/ささきいさお
-MC-
06:戦え! ポリマー (TVサイズ)/ささきいさお ヒーロー・コーラス
-MC-
テレビ版冒頭の不穏な音楽といさおさんによるナレーションから、アニメ「新造人間キャシャーン」よりオープニング。
いさおさんの歌声と共に躍動感あふれる弦楽器の演奏を目視する事が出来るのもオーケストラならではの醍醐味。
「キャシャーン」の後に歌われたアニメソングのお話をされた後は、アニメ「破裏拳ポリマー」よりオープニング。
とても勇ましい管楽器と打楽器の演奏を受けて歌われるいさおさんのステージは実に痛快でした。
・いさおさんを見送りながら中川さんがご登場。
・中川さん「続いては菊池先生にとってアニメ作品最初のヒットとなりました『タイガーマスク』の楽曲です。
オープニングとエンディングは全く違う曲調にしたいという試みをされ、哀愁のあるエンディングは
悲しくなくキレイに歌う事が出来る歌手がいいという事で、オーディションが行われ、
当時二十歳だった新田洋さんこと森本英世さんが大抜擢されました」
・中川さんに呼びこまれ、白いスーツの上に羽織ったしまのマントをひるがえして森本さんがご登場。
・森本さん「『タイガーマスク』が森本のデビュー曲でレコーディングの時に初めて先生とお会いしたんですけど
『みなしごのバラード』に関しては『森本のさみしげな歌声が良い』といって頂きました。
私も子供の頃に養子に出されて両親と離れ離れになり、独りで暮らしていたことを思い出して、
レコーディングの際は涙を浮かべて歌えなくなる程だった事は今も覚えております」
【タイガーマスク、オリジナル歌手・森本英世】
★タイガーマスク
07:行け! タイガーマスク/森本英世 ヒーロー・コーラス セリフ:ヒーロー・コーラス
08:BGM組曲
09:みなしごのバラード (TVサイズ)/森本英世
-MC-
ヒーロー・コーラスの方による「虎だ! 虎だ! お前は虎になるのだ!」という台詞からアニメ「タイガーマスク」よりオープニング。
森本さんがしなやかかつ颯爽とした歌声を披露されると森本さんは退場され、作中のBGMを組曲形式で演奏。
オープニングのアレンジ版など、どこか悲哀を感じるBGMが演奏された後は、再び森本さんが登場され「タイガーマスク」よりエンディング。
青のスーツに衣装を変えられた森本さんのやわらかな歌声がホール全体に広がり、観客はじっくりと聞き入っていました。
・森本さんを見送りながら中川さんがご登場。
・続いてのコーナーは菊池先生が手がけられた楽曲を未来にも受け継ごうというコンセプトで展開。
子門さんを敬愛され、子門さんを踏襲した歌声に「平成子門」と称される高野さんがご登場。
【高野二郎が歌い継ぐ菊池俊輔】
10:バビル2世 (TVサイズ)/高野二郎 ヒーロー・コーラス
-MC-
11:ぼくらのバロム1 (TVサイズ)/高野二郎 ヒーロー・コーラス
12:アイアンキング (TVサイズ)/高野二郎
13:ジャンボーグA (TVサイズ)/高野二郎 ヒーロー・コーラス
14:戦え! 電人ザボーガー (TVサイズ)/高野二郎
15:ひとり旅 (TVサイズ)/高野二郎
-MC-
高野さんによる菊池先生楽曲の怒涛の歌唱コーナーはアニメ「バビル二世」より水木一郎さんが歌われたオープニングから。
緊迫感ある演奏としっかりとした歌いぶりを披露された後、中川さんが高野さんの経歴をご紹介され、引き続きコーナーへ。
特撮「超人バロム1」より水木さんが歌われたオープニングを高野さんによるナレーションからスタート。
高野さんは原曲を基調とされて伸びやかに歌われました。特撮「アイアンキング」より子門さんが歌われたオープニングへ。
派手ではない曲調だけに子門さんの節回しを誇張せずに踏襲されて歌われるテクニカルな高野さんの手腕に脱帽。
続く特撮「ジャンボーグA」より、谷あきらさんこと子門さんが歌われたオープニングでは冒頭にナレーションも披露され、
勇ましい曲調を伸びやかに歌われました。続いて特撮「電人ザボーガー」より子門さんが歌われたオープニングを掛け声からご披露。
ご自身も2011年の映画版で本曲をカバーされているだけに堂々とした歌いぶりを披露されていました。
コーナーのラストは特撮「アイアンキング」より子門さんが歌われたエンディング。前奏で思わず声が出そうになりました。
どこか牧歌的で哀愁を感じる本曲を高野さんの歌声とオーケストラの生演奏で聞く事が出来たのはなんとも感慨深かったです。
・高野さんを見送られ中川さんがご登場。
・中川さん「続いては『仮面ライダー』の楽曲を庵野秀明さんと早川優さんによるこだわりの選曲でお届けした後、
主人公本郷猛を演じられた藤岡弘、さんが放送から53年、様々な人生経験を重ねられた今、
オープニングの『レッツゴー!! ライダーキック』を歌ってくださいます」
【仮面ライダー、藤岡弘、】
16:仮面ライダー"改造人間格闘"組曲
17:レッツゴー!! ライダーキック/藤岡弘、 ヒーロー・コーラス
-MC-
菊池先生の代表作の一つである特撮「仮面ライダー」のBGMを選抜した「仮面ライダー"改造人間格闘"組曲」。
約15分の組曲はオープニングや作中で印象的なアクション曲、ミステリアスさを感じる曲、「かえってくるライダー」など
まるで本編を見ているかのような選曲。慣れ親しんだ楽曲が演奏されるのを目視できるのも興味深かったです。
組曲の後、藤岡さんが登場されると観客から割れんばかりの拍手が贈られ特撮「仮面ライダー」より初代オープニングへ。
とても緊張されている面持ちの藤岡さんでしたが、歌われて行くにつれ緊張がほぐれて行かれたご様子で、
勇ましい歌いぶりを披露され、後奏では台詞もご披露。歌い終わられると安堵されたような笑顔を魅せられていました。
●【藤岡弘、インタビュー】(インタビュアー:西耕一)
・ここでコンサートの開催に尽力されている音楽プロデューサーの西耕一さんが登場され、
スタッフさんが椅子を運びこまれて藤岡さんへのインタビューと題したトークコーナーへ。
・この間、オーケストラの皆さんはご休憩の為、退場されていました。
・芸能生活60周年を迎えられた藤岡さんにとって特撮「仮面ライダー」は青春まっさかり。
・菊池先生や石ノ森章太郎先生、平山亨プロデューサーや阿部征司プロデューサーなどの恩師や
撮影で一緒になった諸先輩方や仲間たちなどへの感謝を繰り返しお話されていました。
・「レッツゴー!! ライダーキック」レコーディング当時の菊池先生との思い出。
・緊張していた藤岡さんでしたが、菊池先生は包容力ある笑顔で「ヒットするぞ!」とお話されたとか。
・レコーディングも緊張していたので石ノ森先生や平山プロデューサーが来ていたかも定かではない。
藤岡さん「僕はピヨピヨでしたからね。緊張していて誰がいらっしゃったか覚えていないんですよ」
・世界各地でのボランティア活動の思い出。
・インドネシアで多くの人々と一緒に歌った「レッツゴー!! ライダーキック」。
・民族や国境関係無く子供こそが宝であり未来。夢や感動や勇気を届けたい。
・藤岡さん「『レッツゴー!! ライダーキック』を歌うとねぇ、こぉ体中の血が騒ぎぃ、青春がよみがえりぃ、
そして心が喜ぶんですね。そして今日はァこォして、多くの方々にお集まりいただき、……感無量です」
トーク中に演奏陣の皆さんがステージ上に登場されてそれぞれ準備されており、コーナーが終わると
拍手の中、藤岡さんと西さんが退場されていき、スタッフさんによって椅子がかたづけられました。
【中川翔子が歌い継ぐ、ヒロイン】
18:ワイワイワールド (TVサイズ)/中川翔子 ヒーロー・コーラス
-MC-
19:ラ・セーヌの星 (TVサイズ)/中川翔子 ヒーロー・コーラス
-MC-
後半は菊池先生が手がけられた女性歌唱曲を中川さんが歌い継ぐというコーナーから。
中川さんが登場されて歌われたのは、アニメ「Dr.スランプアラレちゃん」より水森亜土さんが歌われた初代オープニング。
高揚感あふれる演奏の中、中川さんは歌詞に合わせてアラレちゃんが走る時の様に手を横に広げて元気に歌われ
特に最後の台詞「んちゃ」ではオリジナルの小山茉美さんを彷彿とさせるニュアンスを披露されたのには脱帽でした。
トークでは前日に放送されたNHK-FM「アニソンアカデミー」で「ラ・セーヌの星」をピックアップされた旨をお話され、
アニメ「ラ・セーヌの星」より堀江美都子さんやアレーヌさんが歌われたオープニングへ。
きらびやかな演奏の中、中川さんはオリジナルのお二人に寄せきらずにご自身の個性で凛とした歌いぶりでした。
サビのセリフはヒーローコーラスの皆さんがご担当。
・中川さんはここからは司会に戻られ、いさおさんをステージに呼び込みトーク。
・アニメ「ゲッターロボ」の思い出。
・最初は譜面だけをもらったので歌い方を3パターンくらい用意していた。
・いさおさん「菊池先生は出来上がりをとても気に入られていて『ささき君、凄く声が出るようになったね』って言ってくれましたね。
歌えていなかった時期から歌を直しだした頃だからちょうどいい時期だったんだね」
・いさおさん「『仮面ライダー』が大ヒットした後の菊池先生の曲ってだんだんとブラスが強くなっていくんだよね。
ボクらが一番歌ってた頃のブラスセクションなんて凄かったから、今日も負けないようにガンガンガンガンと歌わないとね」
【ゲッターロボ、ささきいさお】
★ゲッターロボ組曲
20:ゲッターロボ! (TVサイズ)/ささきいさお
21:BGM 組曲
-MC-
高揚感を誘う高らかなホーンセクションの演奏からアニメ「ゲッターロボ」よりオープニング。
いさおさんの歌声に合わせて演奏されるブラスやパーカッションの躍動感は、生演奏ならではの大迫力でした。
拍手の中、いさおさんが退場されると、続いては同じくアニメ「ゲッターロボ」のBGMを組曲形式でご披露。
ホーンセクションを基調にしつつ弦楽器も主張しており、勇ましさに加えしなやかなを感じる楽曲群でした。
・中川さんが登場され、続いては特撮「仮面ライダー」コーナーへ。
・中川さん「菊池先生は『仮面ライダー』シリーズの曲は歌詞を先にいただいてから曲を作られていたそうです。
はっきり聞き取りやすい歌詞もすばらしいですね」
【歌い継ぐライダー、V3組曲+ライダーメドレー】
★仮面ライダーV3組曲
22:戦え! 仮面ライダーV3 (TVサイズ)/高野二郎 ヒーロー・コーラス
23:仮面ライダーV3アクション組曲 (優勢篇)
24:セタップ! 仮面ライダーX (TVサイズ)/高野二郎
-MC-
ここからは菊池先生を代表するシリーズである特撮「仮面ライダー」シリーズコーナー。
まずは高野さんによるタイトルコールから特撮「仮面ライダーV3」より宮内洋さんが歌われたオープニング。
仮面ライダーV3/風見史郎を彷彿とさせる出で立ちで登場された高野さんの歌声はさながら子門さん版の様でした。
続いては「V3の楽曲をじっくり聞きたい」という庵野さんと早川さんが選曲された組曲「仮面ライダーV3アクション組曲 (優勢篇)」。
「仮面ライダー讃歌」からはじまるのも実に嬉しく、どこかスタイリッシュさも感じる楽曲群に聞き入った後は
再び高野さんが登場されてタイトルコールから特撮「仮面ライダーX」より水木一郎さんが歌われたオープニング。
弦楽器や木琴による抜群の疾走感をオーケストラの演奏と高野さんの歌声で体感できるのは実に嬉しかったです。
・高野さん「続いては『アマゾンライダーここにあり』なのですが、お客様も一緒にアマゾンライダーになって叫びましょう。
まずは練習です。マイクを向けますので『アーマーゾーン』と叫んで下さい。行きますよ!」
観客「アァアアアマァアアアアゾォオオオオオオン!!」
高野さん「うぁ―お。すごーい!」
25:アマゾンライダーここにあり (TVサイズ)/高野二郎
26:燃えろ! 仮面ライダー (TVサイズ)/高野二郎 ヒーロー・コーラス
-MC-
高野さんと観客の「アマゾン」の声から特撮「仮面ライダーアマゾン」より子門真人さんが歌われたオープニング。
野性味あふれる演奏の中、高野さんは躍動感たっぷりに歌われ、後奏ではアマゾンの「キキィ」という叫び声もご披露。
続いては特撮「仮面ライダー (新)」より水木さんが歌われた初代オープニングを高野さんのナレーションからスタート。
大空の様なおおらかでダイナミックな演奏と高野さんの伸びやかな歌声でコーナーは締めくくられました。
・高野さんと入れ替わりに中川さんがご登場。
・中川さん「続いて演奏されるのは『宇宙円盤大戦争』。
こちらは菊池先生にとって100本目の映画作品という事で、先生もとても思い出深い作品だったそうです」
・ここで中川さんに呼びこまれていさおさんがご登場。
・いさおさん「『宇宙円盤大戦争』は映画で、その後テレビで『グレンダイザー』になったんですが
その時はロボットはガッタイガーという名前で主人公の大介の声はボクが演じていました。
それがテレビになる時にコロムビアが『歌手と主役が同じでは客観的ではないのでは?』という事で変わったそうです。
最初の『キャシャーン』も「佐々木功だと『ガッチャマン』のコンドルのジョーが歌っていると思われる」と言われて
コロムビアから『芸名をキャシャーンの主人公の東鉄也にしよう』って言われて冗談じゃないと揉めましてね」
観客笑。
いさおさん「結局、歌はひらがなの"ささきいさお"で役者は漢字の"佐々木功"を使い分けるようになったんですよ。
でもそのうち、役者の時もスタッフから『平仮名の表記を使っていいですか?』って聞かれるようになったんで
今では"ささきいさお"で統一してるんですよ。先生の歌を歌ってるとそういう事が次々と思い出されますね」
【宇宙円盤大戦争・グレンダイザー】
27:とべ! グレンダイザー (TVサイズ)/ささきいさお ヒーロー・コーラス
28:BGM組曲
29:ちいさな愛の歌 (1C)/中川翔子 ヒーロー・コーラス
~もえる愛の星 (1.5C)/ささきいさお ヒーロー・コーラス
-MC-
「宇宙円盤大戦争・グレンダイザー」コーナー。まずはいさおさんによるアニメ「UFOロボ グレンダイザー」よりオープニング。
小気味の良さと頼もしさを感じる曲調をいさおさんがはつらつと歌われた後は、映画「宇宙円盤大戦争」のBGMを組曲。
「戦え! 宇宙の王者」からはじまり、弦楽器を基調としたカントリー風のBGMなどどの曲も多彩かつとてもドラマチックでした。
組曲が終わるといさおさんと中川さんが登場され、アニメ「UFOロボ グレンダイザー」より中川さんが「ちいさな愛の歌」と
映画「宇宙円盤大戦争」より「ちいさな愛の星」の原曲ともいえるエンディング「もえる愛の星」をいさおさんが連続で。
弦楽器を基調とした穏やかな曲調を、中川さんといさおさんお二人それぞれの抱擁力のある歌声で披露されていました。
・当日配布されたプログラムではここまでしか書かれておりませんでしたが、いさおさんと中川さんが退場された後も
指揮の松井さんや演奏陣の皆さんはステージに残られ、観客に拍子ではなく手拍子を促されておりました。
・しばらくすると西さんが登場され、ここからはオーケストラ・トリプティークの皆さんのコンサートでは恒例になっている
オーケストラ演奏が観客が歌おうというコーナーへ。
30:行け! タイガーマスク (TVサイズ)/観客 ヒーロー・コーラス 森本英世
-MC-
31:ぼくらのバロム1 (TVサイズ)/観客 ヒーロー・コーラス ナレーション:ヒーロー・コーラス
-MC-
32:ゲッターロボ! (TVサイズ)/観客 ヒーロー・コーラス ささきいさお
-MC-
33:レッツゴー!! ライダーキック (TVサイズ)/観客 藤岡弘、 ヒーロー・コーラス ナレーション:ヒーロー・コーラス
-MC-
観客が歌うコーナー。今回は歌手の方がマイクを持たずにステージに登場され、観客に歌声を聞いてもらおうという趣向。
観客もその場で立ち上がる中、まずは森本さんをお迎えしアニメ「タイガーマスク」よりオープニング。
数百人規模での合唱を森本さんは微笑みながら見守られた後は、特撮「超人バロム1」よりオープニング」よりオープニング。
歌われた水木さんは2022年に逝去された為、ステージには誰も立たれず、
西さんが「みなさん天に向かって歌ってください」との言葉があり、観客からは「アニキ―」と声がかけられていました。
水木さんに届けとばかりに観客が大合唱した後は、いさおさんをお迎えしてアニメ「ゲッターロボ」よりオープニング。
いさおさんは終始笑顔で手拍子をされながら観客と一緒に歌われていました。
コーナーおよび「菊池俊輔音楽祭」のラストは藤岡さんをお迎えして特撮「仮面ライダー」より初代オープニング。
藤岡さんは客席で合唱する観客たちを感慨深げに見渡しながらしみじみとした笑顔を浮かべられていました。
マイクは入っていませんでしたが「バロム1」と「ライダーキック」ではヒーロー・コーラスの方がナレーションをされていました。
●記念撮影
・ここで出演者の皆さんがステージ上に登場され、観客が自由に写真を撮影できるフォトセッションタイム。
出演者のみなさんが客席の左、中央、右と向かれる中、多くの観客がその様子を写真に収めていました。
・オーケストラの皆さんもその場で立たれて出演者の皆さん全員でポーズを決められていました。
フォトセッションが終わると、西さんから指揮の松井さん、オーケストラの皆さん、ヒーロー・コーラスの皆さん、
続いて歌手の皆さんがお一人ずつご紹介され、観客から拍手が贈られていました。
歌手の皆さんに続いて演奏陣の皆さんも順番に退場されていき「菊池俊輔音楽祭」は終演となりました。
2017年以来の開催となった「菊池俊輔音楽祭」。
ドラマ、アニメ、特撮と菊池先生が手がけられた楽曲をボーカル曲を中心にご披露。
藤岡さん、いさおさん、森本さんといったオリジナルで菊池先生の楽曲を歌われた歌手の皆さんの他にも
歌い継ぐというコンセプトのもと、高野さん、中川さんという頼もしいお二人がご出演されたことでより幅広い楽曲が歌われました。
また、TVサイズならではのナレーションや掛け声なども随所で取り入れられたいたのはとてもこだわりを感じました。
オーケストラ演奏という事で、ボーカル曲、BGM共々、これまでCDなどで耳だけで聞いていた楽曲の中にある音が
目の前で演奏されて可視化されたのはとても新鮮に感じ、かつ、感慨深いものがありました。
菊池先生の楽曲を目で見て、耳で聞いて、体中で感じられるコンサートでした。
補足
・この日は奇しくも菊地さんと共にアニメ、特撮の楽曲を多く手掛けられた渡辺宙明先生のご命日でした。
・当日、ロビーではオーケストラ・トリプティークの皆さんがこれまで演奏されてきたコンサートのCDや
藤岡さんプロデュースのコーヒー「藤岡、珈琲」をはじめとしたグッズが販売されていました。
・更に菊池先生が手がけられた楽曲のレコードやCD、フィギュアなどが
出演者の皆さんが歌われた作品を中心に展示されており、多くの観客が記念写真を撮影していました。
・当日は庵野秀明さん、早川勇さんもご来場されていたそうです。
・「キャシャーン」後に歌われたアニメソングのお話。
・いさおさん「先生としては『キャシャーン』の出来がとても良かったらしく
半年後くらいに新しい作品の歌の依頼が来たんですけど菊池先生の曲ばかりでしたね」
観客笑。
いさおさん「その中に一曲だけ混ざっていたのが『宇宙戦艦ヤマト』だったんですね。
でも『ヤマト』はヒットするまで何年もかかりましたから
当時は『キャシャーン』とか『ゲッターロボ』ばかり歌ってましたね」
・「バビル2世」は厳密には1番と2番の感想が省略されたTVサイズではなく2番までが披露されました。
・高野さんは「電人ザボーガー」「アマゾンライダー」ではソフビ人形をとりだされポケットに入れて歌われていました。
・藤岡さん「仮面ライダーはいつも君達のそばにいる。仮面ライダーは永遠に戦い続ける!」
・オーケストラをバックに歌われるのは今回が初めてという藤岡さん。この日の為にボイストレーニングを受けられ自らを磨かれたとか。
・藤岡さん「子供達とキャンプに行く導入の車で子供が『「レッツゴー!! ライダーキック」』を流すんですよ。
その後、必ず『お父さん、歌って』っていって歌わせれるんですよねぇふっふっふっふぅ」
・「ワイワイワールド」曲中の「ブタさんホーホケキョー」はTVサイズに準じてヒーロー・コーラスの方がブタさん(ブータレブー)をご担当。
・いさおさん「さっき藤岡さんと話してたんだけど、歳をとると下半身、特に脚の筋肉が衰えて行くんだよね。
あの藤岡さんですら沢山身体を動かすと三日くらいダメになっちゃうらしいよ。
ボクもこの前、『ヤマト』のコンサートに出た時にクラリネットをよけようとして足を滑らせて転んでしまったんだよ。
それでタイム"スリップ"なんてね。ンフフフ」
中川さん「おおっと」
観客笑。
・いさおさん「菊池先生の楽曲を次から次へと歌っていて気づいたら50年以上経っていました。
あっという間ですね。みなさん『あっ』って言ったら50年経っちゃいますから気をつけてくださいね。ンフフフ」
観客笑。
・高野さんの指輪には特撮「ウルトラマンレオ」のレオリング。
・「ちいさな愛の星」は前奏がひと節追加されているアレンジでした。
・「ちいさな愛の星」を一番歌われてからの「もえる愛の星」という事で歌詞が二番とサビになっていたのも心憎く。
・「アマゾン」や合唱コーナーでの観客たちの声の威勢に笑顔とおどろきの表情を浮かべられるオーケストラの皆さん。
・記念写真撮影の際のポーズは西さんの発案で水木さんにちなんで各方向を指さすポーズ。
西さん「掛け声はブロロロローでもスババババーンでもよいです」
・終演後に残られたオーケストラの皆さんが自撮りで記念撮影されるお姿も。