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~TWINS~
23.7.29 風に吹かれて

出演/MoJo とみたいちろう

演奏/Ag&Kaz&&harp.とみたいちろう Ba.八木徹 カラオケ



フォークシンガー"とみたいちろう"としてエレックレコードからデビューされて以降、
本名の"富田伊知郎"名義でスタジオワークや作詞作曲など、作家としてCMソングを手がけられ
更に"MoJo"名義で歌手としてアニメや特撮、漫画、ゲームの歌等などを歌われているMoJoさん。

今回、東京渋谷にある老舗ライブハウスLANTERNでの定期的なソロライブ「Take」シリーズとは別に
東京大森にあるフォーク酒場風に吹かれてでとみたいちろうさんとMoJoさんのお二人としての
2マンライブ「~TWINS~」を新しく開催されました。

会場の風に吹かれては居酒屋形式のライブハウス。
オーナーはとみたいちろうさんと共にエレックレコードに在籍したフォークバンド・ピピ&コットのリーダー金谷あつしさん。
前途の様にフォーク酒場という事でフォークソングに縁のある歌手の方々がステージを行われているそうです。
駅から少し歩いた所にある雑居ビルの二階にある店内は、板張りと煉瓦の壁面が印象的。
店内にはピピ&コットのレコードも飾られていました。

ステージには前方にマイクスタンドや譜面台、椅子を挟んで後方にアコギやベース、アンプが設置されており、
壁には「風に吹かれて」の書が掛けられていました。
観客が入場すると、既ににとみたいちろう/MoJoさんがステージ上でアコギをつま弾いていらっしゃいました。

00:お~い北海道 (I'm A 北海道 MAN)(さわりのみ)/とみたいちろう

開場からしばらくしてほとんどの観客が注文を終えた頃、いちろうさんがおもむろにノーマイクで
サッポロビール「北海道」のCMソング「お~い北海道」を歌いだされ、観客は思い思いに手拍子したり歌ったりしていました。

・いちろうさん「まだ開演まで時間あるみたいだから、たらふく飲んで食っててください」

少しして客席が暗くなって観客の拍手と共にライブスタート。

・いちろうさん「ようこそみなさん『~TWINS~』へ!
       とみたいちろうくんとMoJo両方の面白いトコを楽しんでいってください!」

01:Shadow Boxer/とみたいちろう
-MC-
02:河向こうの日々/とみたいちろう
-MC-


まずは"とみたいちろう"さんの曲から。旧友の"龍"ことシンガーソングライターの佐藤龍一さんとのユニット
SUPER SOUL DINAMAN BROTHERS(S.S.D.B)の曲でもある「Shadow Boxer」をアコギとカラオケで。
2番に「風に吹かれて」という歌詞があるこの曲を哀愁を帯びながら歌われると、
「青春の日々がよみがえってきた」とお話をされ、続いてはそんな青春の頃を歌った「河向こうの日々」。
こちらもアコギとカラオケで。2曲共MoJoさんのライブ「Take」シリーズではライブ中盤に披露される事が多いので、
ライブ冒頭に聞くと新鮮に感じ、一気に"とみたいちろう"の世界に引き込まれました。

・後ほど披露するエレックレコード時代の曲は緊張する。
・当時は熱中症警戒アラートが出される程の連日の猛暑日が続いていました。
いちろうさん「暑いけどあんまりセミの声を聞かない気がするなぁ。暑いと鳴かないのかな?
その代わりに今日は俺がミンミン鳴いてやるぜ!」

03:ホーボーズデキシーブルース/とみたいちろう
-MC-
04:煙草の煙/とみたいちろう
-MC-


ベースのオケとカズーで「ホーボーズデキシーブルース」を気ままで楽し気に飄々と歌われると、
続けて鈴木清順監督の映画「悲愁物語」より「戻っておくれ」改め「煙草の煙」をピアノのみのカラオケで
朗らかとしながらどこか悲しげに。両曲とも決まりきらずにとてものびのびと歌われていたのが印象的でした。

・いちろうさん「クサみの効いた歌い方でしたね」
観客笑。
いちろうさん「R&Bとかにハマってた頃ですかね。他の人は難しくて歌えないとか、
譜面に起こしづらい曲ですけど、そういうのも結構好きなんですよ」
・この年の4月に開催された「スーパーロボット魂 2023 ~stage terra~」のお話。
出演されたMoJoさんはライブ中盤のアコースティックコーナーにもアコギで参加されました。
いちろうさん「みなさん譜面通りにできますからね。それも楽しいよね。
中でも凄まじく上手だと思ったのは堀江(美都子)さんとMIQさんの女性陣ですね」
・いちろうさん「普段バンドで歌う中にアコギコーナーがあるっていうのはいいですよね。
みんなで水木(一郎)のアニキの歌を歌えたのは幸せでしたね」
・愛用のアコギ、クロエを携えるいちろうさん。もう一本の愛機・ドサンコは夏には不向き。

05:Bitter sweet memory/とみたいちろう
-MC-


クロエとカラオケで歌われたのは「Bitter sweet memory」。
イントロのオルゴールの音色から郷愁を誘われ、最後のファルセットもたまりませんでした。

・次の曲は座って演奏するため諸々をセッティング。
いちろうさん「……誰もセッティングしてくれないので自分でやります」
観客笑。
と、オーナーの金谷さんが手伝おうとステージへ。
いちろうさん「ウソウソ! ウソだから!」
観客笑。

06:二つにひとつ/とみたいちろう
-MC-


Big Beat当時、ファンの方のお姉さんで、のちに作詞家になる有川正沙子さんが作られた
「二つにひとつ」をアコギで。あまり他のいちろうさんの歌に類を見ない、ゆったりとしたムードある大人な曲でした。

・Macintoshが出始めた頃、いちろうさんに色々と教えてくれたのが若子内悦郎さん。
いちろうさん「いろいろと便利だからやった方がいいって言われまして。じゃあ教えてくれる? って訊いたら、
『万世ビルで肉喰わせてくれたらいいよ』って言うから行きましたよ、秋葉原に。二人で手つないで」
観客笑。
・その後、分厚いお肉と引き換えにセッティングやソフトの使い方を教えてもらったとか。
いちろうさん「マンモスの肉じゃなかったですけどね」

07:やつらの足音のバラード/とみたいちろう
-MC-
08:俺とおまえと大五郎/とみたいちろう
-MC-


ここで若子内悦郎さんが"ちのはじめ"名義で歌われたアニメ「はじめ人間ギャートルズ」のエンディングをアコギ一本でカバー。
牧歌的でのどかな感じがぴったりで、観客はゆったりと聞き入っていました。
続いてはリラックスタイムという事でいちろうさんのCMソングの中から焼酎「大五郎」CMソング。
前曲とは反対に観客もいちろうさんと一緒になって歌い、手拍子をして盛り上がりました。

・ここで金谷さんをステージに呼んでトーク。
いちろうさん「オーナーの金谷さんです」
金谷さん「急に呼ぶなよ」
観客笑。
・エレック時代は"コンサート"。
・当時金谷さんが事務所にいると、髪の毛ぼさぼさで破けたジーパンに下駄をはいて現れた三人組が、
とみたいちろうさんと、後に"竜とかおる"になる佐藤龍一さんと伊藤薫さん。
・話が落ち着くとすぐに「じゃあね」と帰ろうとする金谷さん。
・金谷さんを見送られ、少し緊張気味のいちろうさん。
いちろうさん「エレックの話をしたから演らなきゃいけないよね……できるかな……。
       『12時過ぎのシンデレラ』」
観客拍手。

08.5:12時過ぎのシンデレラ (冒頭)/とみたいちろう
-MC-


イントロを引き終わり歌いだすと一旦金谷さんによってストップ。コードが抜けていてギターの音が出ていなかったのでもう一回。
「演んなくていいって事じゃない? 違う曲にしようか?」と少し逃げようとするいちろうさんに、観客から「えー!」と拒否の声が上があがりました。

09:12時過ぎのシンデレラ/とみたいちろう

仕切り直してもう一回。ギター一本で歌われるのは、とみたいちろうさんのデビューシングル「12時過ぎのシンデレラ」。
当時のままの繊細な節回しを力の入った表情で歌われる姿に圧巻の一言でした。

・今回PAを務められているのは「TAKE」シリーズを同じく、いちろうさんが組んでいたバンド・Big Beatのベーシスト"ヤギさん"こと八木徹さん。
・次のコーナーはヤギさんのベースと共に。演奏する場所を作る。

10:ライバル/とみたいちろう 八木徹
-MC-
11:R&R列車/とみたいちろう 八木徹
-MC-


ヤギさんとのセッションといえばこの曲。サッポロビール「びん生」のCMソング「風よロマンに針路を向けて」のカップリング曲「ライバル」。
いちろうさんが「年季が入ってますね」と言われるように、お二人の息の合ったセッションでした。
続いてはとみたいちろうさんの2枚目のアルバム「STEP TO MY WAY」より「R&R列車」。
イントロでハーモニカを吹き、歌いながらアコギをかき鳴らし、ヤギさんのベースソロを楽しそうに見つめたり、
いちろうさんは様々な表情で魅せられました。

・拍手の中ヤギさんが退場されいちろうさんおひとりに。
・いちろうさん「とみたいちろうのステージは次が最後の曲です。
次はMoJoの番なので、『ダイナマン』の出てくる歌でバトンタッチしたいと思います」

11.5:ロイヤル・ストレート・ダイナマンズ・フラッシュ (冒頭)/とみたいちろう
-MC-


少し歌いだされるもマイクスタンドの高さが合っておらずに一旦ストップ。
・いちろうさん「みなさん申し訳ない! でも2度も聞けるんですよ?」
観客笑
いちろうさん「実はマイクを持って歌う歌でした。申し訳ない」
観客笑。

12:ロイヤル・ストレート・ダイナマンズ・フラッシュ/とみたいちろう
-MC-


改めて佐藤龍一さんとのユニットSUPER SOUL DINAMAN BROTHERSで作ったオリジナル曲をカラオケで。
弾むようなテンポといちろうさんの揚々とした明るい歌いっぷりが心地よく、久しぶりに聞けて嬉しかったです。

~休憩~
-MC-


ここでしばらく休憩。いちろうさんは楽屋へ行かれ、
観客たちは飲み物や食べ物を注文したり、思い思いに歓談していました。

・時間になると衣装チェンジされたMoJoさんが登場されて後半開始。
MoJoさん「さぁ! はじめましょうかっ! MoJoだっ!」
観客拍手。

13:バトルフィーバーJ/MoJo
14:大戦隊ゴーグルV/MoJo
-MC-


MoJoさんのステージはあいさつ代わりに特撮「バトルフィーバーJ」オープニングからスタート。
イントロでマイクのコードが抜けているのを観客に教えられて事なきを得つつ、
観客とそろいの振り付けで盛り上がると、続けて特撮「大戦隊ゴーグルV」オープニングへ。
こちらでもカラオケが止まってしまうアクシデントがあったものの、
「ヤギさん歌う?」と音を出しているヤギさんに振って観客を和ませながら、
観客のコーラスや合いの手、手拍子と共にはつらつと歌われました。

・MoJoさん「いろいろあるよね。ライブだなぁ」
・以前、串田アキラさんと共演したライブで串田さんのマイクが入っていなかったトラブルも。
MoJoさん「それもまたお得なのかもしれないよね。なんて、言っちゃダメだね。
     申し訳ありませんでした。すべてヤギさんのせいです」
観客笑。

15:出撃! ゴーグルロボ/MoJo
16:科学戦隊ダイナマン/MoJo
-MC-
17:エンドレスウェイ/MoJo
-MC-


同じく特撮「大戦隊ゴーグルV」から、ゴーグルロボの雄姿を歌った挿入歌。
MoJoさんは太い声を大いに響かせると「MoJoはガンガンいきます!」と、
すぐに特撮「科学戦隊ダイナマン」オープニングへ。
「大森でもキメてくれ!」と観客に呼びかけ、ラストの「ダイナマン」を見事に決められました。
続いては「とみたいちろうとかいうヘンなヤツが作った」と歌われたのは、
同じく特撮「科学戦隊ダイナマン」より挿入歌。渋い曲調とたくましい声ののびが素敵でした。

MoJoさん「おなじみの戦隊ソングが続きましたが、ここでちょっと離れた曲を」

18:漂流する街/MoJo
-MC-
19:彷徨人/MoJo
-MC-


ここで趣向を変えて漫画「南京路に花吹雪」からイメージソング。
どこか退廃的な「漂流する街」と物悲しい「彷徨人」とは
MoJoさんが「当時は斬新な曲で、なんか好きなんですよ」と話されたように、
ヒーローソングとはまた違った、色気ある一面を体感することができました。

・MoJoさん「戦隊もいいけどバラードもいいでしょう?」
観客拍手。
MoJoさん「けどやっぱり"MoJo"ですから」

20:光速電神アルベガス/MoJo
-MC-
21:戦いに赴く前に/MoJo
-MC-


前曲から打って変わってアニメ「光速電神アルベガス」オープニングを
観客と共に元気いっぱいに。続いてはMoJoさんが渡辺宙明先生の曲の中でも
お好きな曲だという、同じくアニメ「光速電神アルベガス」より挿入歌。
歌詞もお好きという事で言葉をはっきりと歌われているのが印象的でした。

・MoJoさん「次も大好きな先生の曲です。大野雄二先生の『星雲仮面マシンマン』!!」

22:星雲仮面マシンマン 2015ver./MoJo
23:電光アクションマシンマン/MoJo
-MC-


特撮「星雲仮面マシンマン」オープニングを2015年に新録された際のカラオケで。
時にキリッと、時にはつらつと歌われると、すぐに続けて同じく特撮「星雲仮面マシンマン」挿入歌へ。
MoJoさんは要所要所で観客の合いの手を受けながら、気持ちよさそうに歌われていました。

・MoJoさん「とばしてるぜ……俺もタフだなぁ。もう終わりの曲だよ」
観客「えー」
MoJoさん「えーじゃないの。自分たちばっかり飲んで食べて……」
観客笑。
・最後の曲の前に少し休憩。
・水木一郎さんとステージで一緒になった時、「今日は早く終わるんだ」と言っていた水木さん。
MoJoさん「でも全然終わんないんだ。アニキがしゃべっちゃって……」
観客笑。
・水木さんとの最後の思い出。新幹線のホームで二人きりの乾杯。
・MoJoさん「アニキはあっちでも元気でやってると思うし、俺みたいなモンも頑張って歌うから、
これからもよろしくお願いします」
観客拍手。

24:二刀流! スーパーツーカイオー/MoJo

本編ラストは特撮「機界戦隊ゼンカイジャー」よりスーパーツーカイオーのテーマ。
MoJoさんは文字通り流星群のような照明を背負うように、悠然とたくましい歌声を響かせられました。

MoJoさん「さぁ、みなさん! お店に残ってゆっくりと呑んでいっていいですからねっ!」
ステージを降りるMoJoさんに観客から拍手が送られました。

-アンコール-
-MC-


観客の拍手は止まず、そのまま手拍子と共にアンコールの声が起こり続け、
MoJoさんは「わかりましたっ!」と再びステージへ。

MoJoさん「一曲だけだからねっ!」

25:炎神合体エンジンオーG6/MoJo

「最後はみんなで歌えるアノ曲」と最後に披露されたのは、"Gの6"こと特撮「炎神戦隊ゴーオンジャー」挿入歌。
ライブも最後という事もあってか、MoJoさんも観客も目いっぱい楽しみながら一体となっていました。

・MoJoさんが最後に金谷さんや八木さんを紹介され、観客から拍手が送られました。
・MoJoさん「おしまいっ! ありがとうございました!! みなさん、暑さに負けず、元気にいきましょう!!」


"MoJo"としては定期的にライブをされていますが、"とみたいちろう"の名前を冠したライブは10年ぶり。
"とみたいちろう"さんの曲は代表曲の「12時過ぎのシンデレラ」はもちろん、
近年発表されたものや「TAKE」でも披露されている曲が中心。
"MoJo"さんの曲は戦隊をメインにメジャーな主題歌と人気の挿入歌を織り交ぜながら
「南京路に花吹雪」がアクセントになっている印象で、どちらのビギナーでも楽しめるような内容に感じました。
また、"とみたいちろう"さんのステージは等身大で素朴、
"MoJo"さんのステージは明るく元気いっぱいという印象で、それぞれのステージングの違いも楽しめました。
今回はそんな"MoJo"と"とみたいちろう"を二つにひとつとせず、一度に味わえてしまう、まさに二刀流なライブでした。


補足

・ステージ壁面の「風に吹かれて」の書は所縁のミュージシャンの方が書かれていて毎年変わるらしく、
この2023年の書は、なぎら健壱さんが書かれたのだとか。

・「風に吹かれて」のフードはいわゆる居酒屋メニューもありながら、
オムライスやとんかつなど、しっかり食べれるメニューも豊富。

・いちろうさん「楽しくやらないと楽しさは伝わらないもんですよ」

・「煙草の煙」はBig Beatでレコーディング。

・MoJoさんはこの日の2週間後に「スーパーヒーロー魂2023」、秋には「スーパー戦隊"魂"2023」に出演予定。
いちろうさん「戦隊といえばこの前、(Sister)MAYOちゃんとタモリ(ジョニー志村)さんと写真撮りましたね。ニセモノですけど」
観客笑。

・本物のタモリさんが出演されていた「ユンケル黄帝液」のCM音楽を多く手掛けられたいちろうさん。

・有川正沙子さんとはいちろうさんの歌にも出てくる下北沢のLADY JANEで打ち合わせをされたとか。

・いちろうさん「しばらく会ってないけど、いつだったか若(子内さん)から電話かかってきて、
『俺とクッシーとMoJoとかでアニメとか戦隊の曲をジャズっぽくしてレコーディングしない?』
って連絡あったけど、元気にしてるかな……肉食わせないとダメかな」
観客笑。

・リハーサルで「大五郎」の終わり方で注意を受ける。

・「12時過ぎのシンデレラ」を作ったのは19歳の時。
いちろうさん「もう5年も前ですね」
観客笑。

・この年の10月に上野の東京文化会館で行われる「渡辺宙明 メモリアル・コンサート」にご出演予定のMoJoさん。
MoJoさん「クッシーと堀江さんと、なんてったってしょこたん(中川翔子さん)とオーケストラ演奏で共演ですよ。
でもシャンシャンがいなくなっちゃったんですよ……」
観客笑。
MoJoさんはこの年に中国へ返還されたパンダのシャンシャンの大ファン。


・ライブ中に観客のもとへ運ばれてくる食事を「……うまそうだなぁ」とうらやむMoJoさん。

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