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GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE- 東京公演一日目
21.9.10 Zepp Haneda

出演/JAM Project(影山ヒロノブ 遠藤正明 きただにひろし 奥井雅美 福山芳樹) 

演奏/B.山本直哉 G.横関敦 G&Ag.TAKEO Dr.与野裕史 Key.西村奈央 

 


アニメや特撮のオープニングやエンディングをアーティストが利用し楽曲の宣伝場所ととして
作品の為に作られていない歌が多く主題歌として採用されていた20世紀末。
作品の為の歌、アニメソングらしいアニメソングを作り歌う目的で結成されたJAM Project。

元々はさかもとえいぞうさんの「海外のミュージシャンと日本のアニメソング歌手でなにか企画をできないか」、
という提案がきっかけとなり、2000年に水木一郎さんをリーダーに迎えて発起人のえいぞうさんや
アニメソング界で活躍していた影山ヒロノブさん、松本梨香さん、新進気鋭の遠藤正明さんで結成。

現在のメンバーは影山さん、遠藤さんの結成当時から在籍されているお二人に加え、
2002年にきただにひろしさん、2003年に奥井雅美さん、福山芳樹さんが加入され5名で活動中。
更に2004年よりAdditional Vocal/海外特派員としてヒカルド・クルーズさんが不定期で参加され、
これまでアニメ、ゲーム、特撮、フィギュア、プロレス団体、企業等などに関する
様々な楽曲を発表され、2020年には結成20周年を迎えられました。おめでとうございます。


2020年は結成20周年というメモリアルイヤーの為、様々な展開がアナウンスされていました。
20周年を記念してこれまでの軌跡を詰め込んだ「JAM Project 20th Anniversary Complete BOX」が発売。
そしてオリジナルアルバム「The Age of Dragon Knights」を発表し、20周年かつレコ発の全国ツアー
「JAM Project LIVE 2020 20th Anniversary Tour The Age of Dragon Knights」の開催を発表。

しかし、おりしも新型コロナウイルスの影響により、振替公演を含む全公演開催が中止。
20周年と全国ツアーの集大成としてアニメソング界で活躍する後輩をゲストに迎えての大型ライブ
「JAM Project 20th Anniversary Special JAM FES.<JAPAN ANISONG MEETING FESTIVAL>」の開催も
当初は有観客での開催が見込まれていましたが、結果的に無観客ライブとして配信するに留まり、
結果的に結成20周年の節目である2020年は、観客の前でライブを行う事が無くなってしまいました。

ライブを真骨頂とされているJAM Projectの皆様にとっては20周年という節目を迎えた2020年に
日本全国を巡る大規模なツアーを行う事が出来なかったというのは筆舌に尽くしがたく
さぞ悔しい思いであったろうと関係者の皆様の心中をお察しするばかりではございます。

ですが、個人的にはアニメソングを作り歌うという目的の為に結成されたスーパーユニットの
結成20周年の2020年にリリースされたアニメソングが特撮「GARO -VERSUS ROAD-」主題歌の配信だけ。
仮に2020年でも結成月の7月から2021年の7月の一年間を20周年だとしたら、リリースされたのは
アニメ「ゲッターロボ アーク」の主題歌だけで、ゲーム「スーパーロボット大戦30」主題歌や
「スーパーロボット大戦」30周年記念ソングは発表こそされてはいましたがリリースは2021年7月以降。
新型コロナウイルスの影響でアニメや特撮の制作状況など諸々事情があるとは思われますが、
オリジナルアルバム、全国ツアー、ドキュメンタリー映画と枝葉の賑やかさ華やかさに比べて
本懐のはずのアニメソングを手がけた数やトピックが例年以下である方がかなり深刻な事態だと思います。


そんな中で2021年春には初のドキュメンタリー映画「GET OVER -JAM Project THE MOVIE-」が公開。
アルバム「The Age of Dragon Knights」の制作時から20周年の集大成ライブ「JAM FES.」までを密着した本映画は
新型コロナウイルスの影響で思うように活動が出来ていないながら、逆境に挑み進み続けるという内容。
監督の大澤嘉工さんは密着時アニメ、アニメソング、JAMさんには特段思い入れが無かったお方らしく
JAM Projectを語るうえで欠かせないような事柄やモノ、人に関してはそれほど取り上げられず
あくまでJAMの20周年期間の1年~2年をある種冷静な視点でフラットかつ淡々と密着されている印象。
各メンバーのインタビューを切り張りする事で一つの台詞やストーリーに組み立て成立させたり、
加えて監督と親交がある日本を代表するカメラマンでもある木村大作監督が過去に撮影したJAM Projectとは関係の無い
日本の美景アーカイブを季節の移り変わりや心理描写として挿入し表面上の格好良さを描かれていた半面、
個人的にはJAM Projectが結成当時から内面で持ち続けている様々なコンプレックスが随所に垣間見られ、
映画のキャッチコピーに歌われた"開拓者""レジェンド"等の言葉が踊る宣伝とはだいぶ違った印象でした。


2020年の20周年期間を越え、いまだに新型コロナウイルスは猛威を振るっているものの、
アニメソング業界でも各種対策をしたうえでライブ開催が徐々に徐々に増えつつある2021年、
JAM Projectも映画のタイトル「GET OVER」を冠して東京、宮城、愛知、大阪を巡るツアー
「GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE-」の開催を発表されました。

さらに東京と大阪は二日間つづ公演があり、東京公演二日目に関しては
エンタテインメントサイト「uP!!!」でのライブ生配信が実施され、
ライブツアー終了後の10月2日限定でアーカイブ配信も行われる事がアナウンスされました。

今回はツアーの初日となる東京公演一日目のレポートです。

会場は羽田空港の近くの羽田イノベーションシティにある出来たばかりのライブハウスZepp Haneda。
会場周辺には多くのファンが方々に集まっていたのが印象的でした。

ライブ開催にあたってはロードマップを規範として感染対策が行われ、
我々が確認できただけでも以下対応がされておりました。

●入場までの流れ
・接触を避ける為、今回のチケットは紙チケットではなくデジタルチケットのみで販売。
・Tシャツ等のライブグッズや出演者のCD等のグッズ販売が行われていましたが、
今回のライブチケットを所持している、もしくはファンアプリ「MOTTO ! MOTTO !! App」加入者のみが購入可能。
・グッズの販売エリアには入場規制が敷かれ、エリア入場時には検温と消毒が徹底されていました。
・会場内外に限らずコインロッカー、喫煙所は閉鎖。
・整列時、待機時には適正な距離を保つことが出来る様に地面に一定間隔で目印が設けられていました。

●入場後の会場内の様子
・入場時に検温が行われ、スタッフさんにデジタルチケットを確認してもらい観客が自分で入場処理。
・その後、スタッフさんから消毒液の入ったボトルを差し出されポンプを押してもらい手を消毒。
・1ドリンク制はドリンク代とドリンク交換用コインの交換は観客各自が行い、
カウンターに置かれた缶やボトルの中から、観客が自分で交換する段取りになっておりました。
ドリンク代に関しては接触を避けるためSuica、PASUMO等の交通系ICでの会計が導入。
・出演者へのプレゼントや手紙などを入れるボックスなども設けられず、受付もされていませんでした。
・トイレ前には待機列用に適正な距離を保つことが出来るように床に一定間隔で目印が設けられていました。
・しかしながらトイレの出入口にはアルコール消毒スプレー等は設置されていませんでした。
・客席は観客同士の距離をとらず、通常の座席でした。


ステージ上はバンドブースはバンドメンバーの皆さんも適切な距離感が保たれている為なのか
アクリル板等で遮られておらず例年のライブと変わらない状態でした。
壁面中央には「JAM PROJECT」の文字型の発光オブジェが飾られライブ中は様々な色に変わっていました。


開演直前BGM:to the next era/SE

続々と観客が入場していく中、開演にあたっての諸注意やJAM Projectの最新情報がアナウンス。
まもなく開演という頃になるとそれまで流れていたBGMがアルバム「The Age of Dragon Knights」より
梶浦由紀さんが手がけたインストゥメンタルに変わり、音量が徐々に大きくなっていき
客席の照明が暗くなり、いよいよ「GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE-」東京公演一日目開演です。

00:Overture/SE
01:Bloodlines~運命の血統~
02:The Age of Dragon Knights
03:ROCK五銃士
-MC-


不穏な音楽がオーバーチュアとして流れ、観客の拍手の中、バンドの皆さんが登場しご準備。
続いてJAM Projectの皆さんがステージ前方へ登場されそれぞれの位置に立たれました。
ライブの一曲目は当時絶賛放送中のアニメ「ゲッターロボ アーク」よりオープニング。
続いては勢いそのままにアルバム「The Age of Dragon Knights」の表題曲。
本曲の近年のJAMの特色の一つである緊迫感を持ったスリリングな展開は
アニメ「進撃の巨人」Season2オープニング「心臓を捧げよ!」等のLinked Horizonさんの楽曲に
色濃く影響を受けていると見受けられ、特に「The Age of Dragon Knights」では顕著。
ドラマチックな曲調とエッジの効いた高音に絡む皆さんのコーラスが聞き所でした。
同じくアルバム「The Age of Dragon Knights」よりGRANRODEOのお二人が手がけた「ROCK五銃士」。
「ザ・GRANRODEOみたいな曲」というオーダーで作られただけにとてもスピーディーで
独特の言い回しや曲調を歌いこなされるJAMのみなさんの力量を思い知りました。

・JAM Projectのみなさんお一人づつご挨拶。
・きただにさん「みなさん! トゥアー初日、ようこそ!!」
影山さん「トゥアーって」
・福山さん「今日はみなさんに元気をもらうためにきました」
観客拍手。
影山さん「もらうんや」
福山さん「そうです。僕たちは全力で返します」
・影山さん「日谷ヒロノリではありません」

04:龍驤-Ryujou
05:HERE WE GO!
06:ジャイアントスイング
-MC-


続いてはアルバム「The Age of Dragon Knights」より後輩アーティストからの提供曲を連続で。
まずはALI PROJECTのお二人が手がけた「龍驤-Ryujou」。宝野アリカさんのセリフから始まる
ゴシックで艶めかしいALI PROJECTの甘美でミステリアスな世界観を重厚なコーラスでJAMの色で染められました。
「angelaらしさ」というオファーを基にangelaのお二人が「JAMらしさ」を加えて作られた「HERE WE GO!」は、
随所に合いの手が設けられており、ライブで盛り上がるキメどころを押さえているだけに大盛り上がり。
続いてのFLOWのKOHSHIさんとTAKEさんが手がけた「ジャイアントスイング」も同様に盛り上がる曲ですが、
過去に無観客の配信ライブとなった「JAM FES.」で披露された際はタオルを振り回す"タオル曲"でしたが、
今回は事情を鑑みてかタオルは無し。しかしながら観客は手やペンライトを回して盛り上がっていました。

・遠藤さんがメインで進行。
・JAMとしても、遠藤さんとしてもZepp Hanedaは初めての会場。
遠藤さん「もちろん俺の車のカーナビにはココは入ってないので、ここら辺を3週くらいしてようやく辿り着きました」
観客笑。
・遠藤さん「今日は初めての初日ということで……」
きただにさん「初めての初日?」
観客笑。
遠藤さん「危険が危ないみたいですね」

07:JAM Project 20th Anniversary Acappella Session
迷宮のプリズナー
~VICTORY
~Rocks
~Crest of"Z’s"
~Wings of the legend
08:戦友よ
-MC-


「初めての初日に初めてのことに挑戦しよう」という試みで披露されたのは
ゲーム&アニメ「スーパーロボット大戦」シリーズの楽曲群からさわりをアカペラで繋いでいき、
2020年に開催予定だったライブツアー「The Age of Dragon Knights」およびライブ「JAM FES.」で
披露予定でYouTubeでも一部が公開されていた「JAM Project 20th Anniversary Acappella Session」。

OVA「スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION THE ANIMATION」オープニング「迷宮のプリズナー」、
ゲーム「スーパーロボット大戦MX」よりオープニング「VICTORY」、
ゲーム「スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS」よりオープニング「Rocks」、
ゲーム「スーパーロボット大戦Z」よりオープニング「Crest of"Z’s"」、
ゲーム「第2次スーパーロボット大戦OG」よりオープニング「Wings of the legend」と、
それぞれの曲の印象的な箇所をJAM Projectのみなさん5人の声のみでお届け。
観客の発声が無く、比較的大きなホールではないライブハウスという近さと音響もあって、
時に交差し、時に重なる巧みなハーモニーを十二分に堪能しました。
そのままアニメ「ゲッターロボ アーク」の「Bloodlines~運命の血統~」カップリング「戦友よ」へ。
JAM Projectのバラードの王道を行く曲で、皆さんの"動"だけではない"静"のパワーを文字通り体感できました。

・福山さんがメインになり進行。
・"戦友よ"と書いて"ともよ"と読む。B面ではなくカップリング。
影山さん「ゲッター今放送してんねんで?」
福山さん「……そうですね。コレはまだ……あっ!」
・メンバー間でCDの発売情報の把握にムラがある。
・福山さん「JAM Projectヒット曲が沢山ありましていつもライブで何をやろうか迷うんですけれども、
     あ、そうか、この方法があったかと。並べてメドレーでお届けしようかと。
     それではいってみましょう。スーパーヒットメドレー……でいいのか」
奥井さん「メガメガヒットメドレーとか?」
影山さん「めっちゃ昭和じゃん」 
福山さん「……」
影山さん「紹介しねえのかよ!?」
福山さん「それではいってみましょう。この曲ですどうぞ」 
遠藤さん「STOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOORM!!」 

09:スーパーヒットメドレー
STORM 2021 (1C)
~TRANSFORMERS EVO. -STRONG ver.- (1C)
~SAMURAI SOULS (1C)
~嘆きのロザリオ -STRONG ver.-(1C)
~Get over the Border (1C)
~Believe in my existence (1C)
~未来への咆哮 (1C)
~牙狼~SAVIOR IN THE DARK~(1.5C)
-MC-


「JAMはヒット曲が多いし歌いたい曲も多い」という事で選りすぐった曲をメドレーで。
まずは曲のはじまりに行う水木さんの雄叫びを遠藤さんが継承して
OVA「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」オープニングを2021年に再アレンジ、再レコーディングし。
アニメ「ゲッターロボ アーク」の二代目エンディングになった「STORM 2021」からスタート。
そこからロボット作品つながりで、世界に冠たるシリーズである「トランスフォーマー」シリーズから
アニメ「トランスフォーマー アニメイテッド」オープニング「TRANSFORMERS EVO.」。
世界的人気のシリーズの楽曲ながら披露される機会が少ない印象だったので、久々の披露は嬉しかったです。
黄色い照明が彩る中、10周年記念オリジナルアルバム「MAXIMIZER~Decade of Evolution~」より「SAMURAI SOULS」を挟み、
きただにさんの渾身のソロパートから再びロボット作品であるアニメ「超重神グラヴィオン」よりオープニング「嘆きのロザリオ」へ。
今回のライブタイトルとも重なるアルバム「JAM Project BEST COLLECTION VI『Get over the Border』」の表題曲「Get over the Border」と、
アニメ「カードファイト!! ヴァンガード」より二代目オープニング「Believe in my existence」の2曲は、
当時の世界を取り巻く状況だからこそ、曲の持つメッセージを強く感じました。
特に「Believe in my existence」は「MOTTO ! MOTTO !! App」内で行われた企画
「JAM Project「MOTTO!MOTTO!! App」ついにツアー決定!!! 久しぶりだからこそ聴きたい楽曲を大募集!!!」において
各メンバー賞を受賞された方々の中で一番要望の多かった曲だった事もうなずけます。
JAM Projectの曲の中でも人気の高いゲーム「マブラヴ オルタネイティヴ」よりオープニング「未来への咆哮」から
昨年シリーズ15周年を迎え、シリーズを通してJAM Projectと支えあってきた
特撮「GARO-牙狼-」より二代目オープニング「牙狼~SAVIOR IN THE DARK~」で締めくくられました。
新バージョンや久しぶりの披露、ライブの定番曲に人気曲と個性豊かな曲達を、
迫力あるドラムがブリッジしていて、とても彩り豊かなメドレーでした。

・奥井さんメインで進行。
・2021年は東日本大震災から10年目。
奥井さん「皆さんもあの時に色々な思いがあったと思うし、今も同じだと思います。
     あの時JAM Projectも皆に元気になってもらいたくてアルバムを作りました。
     そのアルバムの中から、バラードを聞いてもらいたいと思います。
     私自身もとても大切な曲で、今、毎日不安で負けそうになってる人もいると思うので、
     改めてここで歌いたいともいます。」

10:Blue rise
11:Believe~永遠のLink~
-MC-


アルバム「JAM Project BEST COLLECTION VIII 『GOING』」よりオリジナル曲「Blue rise」。
真っ青な照明も鮮やかに皆さんそれぞれの優しい歌声が会場全体を包み込みました。
続いてアルバム「JAM Project BEST COLLECTION IX 『THE MONSTERS』」よりオリジナル曲「Believe~永遠のLink~」。
皆さんの穏やかな歌声が徐々に力強くなっていくドラマチックさをじっくり聞き入る事が出来ました。
JAM Projectの皆さんが東日本大震災から10年目という節目を取り上げられていたのは感慨深かったです。

・影山さん「奥井ちゃんが作った『Blue rise』とボォクが作った『Believe~永遠のLink~』でした。
     ウチのHIGHWAY STAR松浦社長が言うんす。『影山さんのどこからこんな詞が出てくるのか想像つかない』。
     こぉみえて、ボクの心の中は、こん中で一番、ロマンにあふれてますから」
観客拍手。
影山さん「っまぁ、ひろしのは別のロマンですからね」
きただにさん「どのロマンですか?」
影山さん「…………」

・新日本プロレスによる秋の最強戦士決定戦「G1 CLIMAX 31」のテーマソング「Max the Max」を担当する話。
・影山さん「いろんな書き込みで『今日、『Max the Max』聞きたぁーい』って書いてくれてたけど、
     ……まだ1コーラスしか出来てへんから。もうちょっと。楽しみに待っててください」
・影山さん「さぁ、ここままラストまでいくぞぉ~。今日はもぉ、歌えへんけど、立ってられへんけどォ、
     行くぞぉ~。オォレのアレのォ、アレのォ~」
奥井さん「勝手にこっちだけで盛り上がってる見たいやけど」
きただにさん「オレのアレのアレのて」 
影山さん「盛り上がってるオレ達を見てもらおう。まだまだコイツら行けるって思てもらおう」

12:ハリケーンLOVE
13:ヒカリへのカウントダウン
14:静寂のアポストル
15:THE HERO!!~怒れる拳に火をつけろ~
-MC-


影山さんが「次の二曲はタイアップは無いけどオレ達のライブを盛り上げてきてくれた曲」と紹介され、まず披露されたのは、
アルバム「JAM Project BEST COLLECTION VI 『Get over the Border』」よりオリジナル曲「ハリケーンLOVE」。 
ハリケェェエエンンナァッと腕をくるくると回したり、「愛しあうだけさ」で指さす振り付けで一体感抜群。
続いては「ヒカリへのカウントダウン」。影山さんは「タイアップは無い」と紹介されましたが、
フィギュアメーカーGOOD SMILE COMPANYの10周年記念曲です。
とにかくスピード感あふれる本曲を荒々しく激しく歌われた後はそのままバンドメンバー紹介へ。
JAM Projectの皆さんからの紹介を受けて、それぞれがソロ演奏を披露される度に観客から拍手が贈られました。
メンバー紹介から流れるようにアニメ「ワンパンマン」第二シリーズオープニング「静寂のアポストル」。
小気味よい重厚さが心地よく、ライブで体感すると歌声はもちろん演奏の重々しさが体に響きます。
そのままアニメ「ワンパンマン」つながりで第一シリーズオープニング「THE HERO!!~怒れる拳に火をつけろ~」。
15周年目に生まれたパワフルでへヴィな一撃は、今やJAM Projectを代表するアニメソングに。
声を出せないながら、ライブならではの迫力のマジ歌声を受けた観客の熱気を感じる事が出来ました。

・影山さん「みんなのおかげで最高のリ・スタートを切る事が出来ましたありがとぉおおおう!
     今日は最後にオレ達の一番新しい姿を見て行ってもらいたい!!
     ラストは新しい『スーパーロボット大戦』の主題歌!! SONG CALL 『Drei Kreuz』」

16:Drei Kreuz~鋼のサバイバー~

この年10月発売予定のゲーム「スーパーロボット大戦30」よりオープニング「Drei Kreuz~鋼のサバイバー~」。
危機感をはらんだスピーディーな曲調と厚みのある歌声が緊張感をかき立たれられ実にスペクタクル。
ライブの本編を発売前の最新楽曲で締めくくられるというのも新しい試みの様に感じました。

-アンコール-
-MC-


拍手の中、JAM Projectの皆さん、バンドメンバーの皆さんが退場されると
例年なら観客からアンコールを表す「MOTTO MOTTO」コールが盛大に湧きおこるのですが、
今回は発声が出来ないというご時勢がら手拍子に変わっていました。

・しばらくするとJAM Projectメンバー、バンドメンバーの皆さんが一緒にステージにご登場。
・それぞれが今回のライブグッズにおめしかえ。
・影山さんはBloodlinesジャージセット、遠藤さんはライブTシャツ黒の袖無しアレンジ、
きただにさんはTシャツサンセットオレンジ、奥井さんはロゴ総柄Tシャツ、福山さんはTシャツデニム。
・バンドメンバーの皆さんもライブTシャツ姿でした。
・影山さん「動く宣伝係です」
奥井さん「それはウチで着るやつ?」
影山さん「これはウチで着るやつやないやろォ」
奥井さん「じゃあどこで着るん?」
影山さん「こォれはパチンコ行くときに……」
観客笑。
きただにさん「パチンコ屋行ってくださいね」
遠藤さん「『牙狼』打ってくださいね」
影山さん「それも大事やね」 
・ツアーを決めたものの、なかなか感染者数が減らず開催自体を直前まで調整された結果
今回来場できない観客の為に払戻しもギリギリになり、払戻し分の再抽選で少々トラブルもあったとか。
・影山さん「だから『アイツらホンマに考えてないわ』て思わんといてね。スタッフとみんなめっちゃ考えてますから」
・影山さん「ここが新しいスタートなんで。これからMOTTO MOTTO、少なくともオレが死ぬまでェ、
     がんばるよーォ、JAM Project!!」

17:VICTORY -STRONG ver.- (1C)
~GONG -STRONG ver.- (1C)
~SKILL-2015-


ステージ上も客席もVサインが掲げられ、アンコールはゲーム「スーパーロボット大戦MX」オープニング「VICTORY」から。
それぞれの個性あふれる歌声が入り乱れて展開されて行きましたが、
例年なら「We'll Never Die」の部分で全員がステージ中央に集まり手を重ねるパフォーマンスがお馴染みの所、
今回は中央に集まりはしましたが、手は重ねず距離をとるパフォーマンスに変わっていました。
「We'll Never Die」が終わるとゲーム「第3次スーパーロボット大戦α-終焉の銀河へ-」オープニング「GONG」へ。
この曲も例年ではサビまでのほどんどの箇所を客席にマイクを向け観客が合唱していましたが、
今回はJAM Projectの皆さんが歌唱。ひさしぶりに皆さんの歌声版で聞く事ができて嬉しうございました。
ちなみに二曲ともアレンジは2015年にそれまで発表された楽曲を再アレンジ、再レコーディングされた
セルフカバーアルバム「JAM Project 15th Anniversary Strong Best Album MOTTO! MOTTO!!-2015-」版。
間髪入れずにラストはゲーム「第2次スーパーロボット大戦α」よりオープニング「SKILL」の再アレンジ再録音版。
JAM Projectの皆さんを代表する楽曲であり、ライブのラストに歌われているのが定番になっているだけに
皆さんの歌声のぶつかり合いとパフォーマンスを受けた観客も諸々の規制はあるものの非常に盛り上がっていました。
ラストはきただにさんの「やっぱりみんな、最高だ!!」という言葉から穏やかな曲調になり、
バンドメンバーの皆さんが音をかき鳴らす中、福山さんによるジャンプで締めくくられました。

閉演BGM:flags/SE

アルバム「The Age of Dragon Knights」を締めくくる曲であり、
映画「GET OVER -JAM Project THE MOVIE-」エンディング「flags」が流れ出していましたが、
ここでライブ終了後に観客の有志が行う三本締めを出演者による音頭で執り行う事に。

・きただにさん「三本締めですよ。三々七拍子じゃないですよ」

18:三本締め

「flags」が一旦止まり、きただにさんが音頭をとり会場全体で三本締めが行われました。
観客から拍手が贈られる中、JAM Projectの皆さんがバンド、スタッフの皆さんをねぎらい、
影山さんがツアーへの意気込みを話されたり、奥井さんの人見知りがやっとなおったりしつつ
順番に退場されて行き、閉演と規制退場のアナウンスが終わると観客が拍手。
その後、スタッフさんの誘導で最前列から順番に規制退場が行われていき、
「GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE-」東京公演一日目は終演となりました。


例年のJAM Projectさんのライブと違い、発声不可、着座で楽しむライブという事で
JAM Projectとしての歌声や音をじっくりと楽しむ事が出来たのは新鮮な心地で一興でした。
発売中、発売前の最新曲、ライブツアー「The Age of Dragon Knights」で披露予定だった
アルバム曲やアカペラセッションなどをおりまぜつつ、メドレーでは人気の高い楽曲や
比較的久し振りに披露される楽曲が披露され、着座鑑賞ならではの聞かせるバラードもあり、
後半はライブではお馴染みな楽曲もあり、それらの曲を続々を披露されていく皆さんのお姿は
2020年に有観客でのライブを行う事が出来なかった鬱憤を晴らすかの様子でした。
上演時間2時間と例年のライブと比べると短めながらパワフルかつ怒涛の勢いで充実感たっぷりで、
今回のトゥアー初の初日を勢いのあるスタートを切られたように感じました。


結成から21年目を迎え、近頃はご自身達を"完熟JAM"を称されているJAM Projectの皆さん。
かつては中堅所としてアニメソング界の大御所、ベテランと呼ばれるクリエイターの諸先輩方に甘えず、
歌うだけではなく、ご自身達で作っていく事で新しいアニメソングの形を模索され続けていました。
結成、加入以前から確固とした実績を積み重ねてこられたうえでJAM Projectとして20周年を迎えた今、
JAM Projectの皆様も名実とにベテランの一角に名を連ねる事から逃れられないキャリアになりました。

JAM Projectが活動してきたこの20年、アニメソングを巡る環境も大きく変わってきました。
年間百本を越える新作アニメが生まれ、それに伴いアニメソング自体も増えてこそいる中で
結成当時からのアニメソング界の大御所、ベテランと呼ばれる諸先輩方はすこぶるご健在であり、
新進気鋭の若手達も流行り廃りが激しいながらも次々と登場して才覚を発揮されています。
更にアニメソング界以外のアーティストもアニメに寄り添った楽曲作りが主流になっています。

以前よりかはアニメを一般アーティストの宣伝場所として利用する事は少なくなっていますが、
一般アーティストが声優さんやアニメソングに縁のあるアーティストに代わっただけで、
作品と関係無い楽曲の宣伝の為にアニメが利用される事自体は続いている様に感じられます。
むしろ利用しているのが声優さんやアニメに縁の方々な分、タチが悪い様にも思えます。
そんな中でアニメ、特撮においてJAM Projectの活躍の場はどんどん少なくなってきている様に感じます。

ご自身たちがJAM Projectとしてのキャリアを重ね、アニメソングを巡る環境も大きく変わる中、
JAM Projectの皆さんが結成20年の"完熟"を越えて何と戦い、どこへ進むのか応援していきたいです。


補足

・本公演は新型コロナウイルス感染予防の為に全部のチケットをデジタル化。

・一方のグッズに関しては事前の通販や予約などは無く、会場でのみの販売。
販売ブースは感染対策をしていたものの結果的に購入者が多く列を作っていました。

・会場内のロビーには当日の演目を書いた看板や
当時開催中だった「スーパーロボット大戦OG展」のポスターも展示されていました。

・曲間のトークは各セクション毎にお一人づつがメインで進行をご担当。

・バンドメンバーの皆さんもマスクやフェイスガード等は着用されず、
曲に合わせて歌いながら演奏されている方もいらっしゃいました。

・横関さんは曲によって参加されたり参加されなかったり。

・前日まで雨模様が続いていて肌寒かった東京も、当日は晴れて夏日に。
影山さん「遠藤がいるのに……」
遠藤さん「兄さんがいるのにですよ」
観客笑。

・笑いそうになっている観客を見た「笑いそうになっとる」と影山さん。
きただにさん「堪えましたね。ありがとうございます」

・メドレーの「TRANSFORMERS EVO.」「嘆きのロザリオ」二曲のアレンジは
2015年にそれまで発表された楽曲を再アレンジ、再レコーディングされたセルフカバーアルバム
「JAM Project 15th Anniversary Strong Best Album MOTTO! MOTTO!!-2015-」版。

・奥井さん「スーパースマッシュヒットメドレーでした」
影山さん「……スマッシュって」
奥井さん「え? スマッシュって凄いヒットの事じゃないの?」
影山さん「中くらいっていう感じやない? やっぱり凄いヒットっていうと、ビッグヒット?」
福山さん「メガ、ギガ、ヒットとかじゃねえの?」

・ちなみにメドレーの名前は福山さんのその場の思いつき。
翌日のライブ配信では別の名前をつけられていました。

・奥井さんが東日本大震災のお話をされている時、
お話そっちのけで遠藤さんが観客に笑顔で手を振りコミュニケーションをとられていました。
遠藤さんは被災地宮城県のご出身で、ご家族も被災されていて、被災地に支援物資を持って赴かれたり、
ライブで募金活動などをされていて復興支援に尽力されていらっしゃるのを存じ上げているだけに、
正直、見ていてあまり良い印象は持ちませんでした。

・例年のライブでは観客のサイリウムやペンライトを奪って遊ぶ福山さん。
新型コロナウイルス感染予防対策もあって今回は断念。
福山さん「さすがにダメですね。違反ですね」
影山さん「君、わかってるやん」
きただにさん「奪ってそのままカジっちゃったりして」
奥井さん「そういう事言わないの」
福山さん「それはダメだ」
影山さん「スーパーアウトや。そんな事したらライブの途中でも帰らせます」
きただにさん「こわぁ」
福山さん「オレ、まだやってないのに……」

・竹中直人さんの「笑いながら怒る人」が通じない。

・バンドメンバー紹介の際に演奏しながら持っていたギターをぐるりと回すTAKEOさん。

・影山さん「明日、配信有るのにもう声が終わりそうやわァ」
奥井さん「声がガラガラになってそうですね」  
影山さん「まぁっ、ボクは365日のうち363日くらいが声がガラガラやけどね」
きただにさん「えぇえーー!!」

・影山さん「コロナに負けないで、また会おうねー!」

・ドームやアリーナクラスのライブでは常識的に行われている規制退場。
この情勢下ではライブハウスでも通例になっておりまして、退場するのは
往々にして客席後方からでしたが今回は最前列から。何か理由があるのでしょうか。

・終演後、出演者の皆様の出待ちを控えたり、食事やカラオケに行かないよう観客に呼びかけたり、
ロビー等にウェブで応える形式のアンケートにアクセスできるQRコードが貼りだされていましたが、
その旨のアナウンスも特に無く終演後の行動は観客にゆだねられていました。
 
・翌日開催された東京公演二日目を配信で視聴。
開演時間が2時間程早く余裕があるのかアンコール後にメンバーの皆さんのご挨拶がありました、
楽曲は二日間で何曲か変更になるのかと思いきや全編変わらず。各都市では変わるのでしょうか。


 

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