top of page

串田アキラ デビュー50周年記念公演 ~Delight 2019~
19.11.17 よみうり大手町ホール

出演/串田アキラ

コーラス/アップルパイ(平山佳代子 杉山小絵子) ザ☆カインズ(貴日ワタリ 常見弘士 斉藤淳一)
演奏/Super Rescue BAND(G.鍋嶋圭一 Ba.吉岡満則 Dr.岩田"GUNTA"康彦 Key.松原ひろし)
   Z旗horns(Tr.Akuzawa Tr.KENITO Tb.Ozaki Sax.Chouemon)



串田アキラさん。
R&Bやソウルミュージックのバンドに入り、10代の頃から米軍のベースキャンプ等でライブを行う中、
1969年にシングル「からっぽの青春/サムじいさん」でレコードデビューされ、ソロ歌手としても活動。
1981年にスーパー戦隊シリーズ「太陽戦隊サンバルカン」の主題歌や挿入歌を担当されて以降、
昭和、平成、令和をまたにかけてアニメ、特撮、CMの楽曲を数多く歌われています。
1998年からはライブ「スーパーヒーロー魂(SHS)」シリーズに座長として出演され、
2003年に熱烈なオファーを受けて出演されたブラジルのライブ「ANIME FRIENDS」以降、海外公演も多く、
70代を迎えられた現在も毎年新曲が増える中、全国のライブ、イベントに出演されています。

ブラックミュージックを基盤に哀愁を帯びたパワフルかつ暖かな不世出の歌声と
温厚な人柄、歌へのストイックな姿勢、ライブでの観客との一体感を重視したパフォーマンスで
国内はもちろん、ブラジルを中心とした海外にも数多くのファンに支持され続けております。

そんな串田さんが2019年にデビュー50周年を迎えられました。おめでとうございます。

デビュー50周年を記念して「Delight(楽しい/歓喜/大いに楽しませる)」を掲げて開催されたのが
今回の「串田アキラ デビュー50周年記念公演 ~Delight 2019~」です。

会場は読売新聞本社内にあるよみうり大手町ホール。
当日はチケット完売という事で、落ち着いた雰囲気を感じるホールには多くの観客が来場しており、
ロビーには串田さんがCMソングを歌われている静岡県にあるサファリパーク「富士サファリパーク」の
パーク内巡回バスであるジャングルバスの顔出しパネルが展示され、記念撮影が可能になっていました。
ロビーから会場内に入場すると、舞台には緞帳が下りており、ステージ上の様子はわかりませんでしたが、
ステージの左右両端には客席へ向けての階段が設置されていました。

開演の少し前に諸注意を促すアナウンスが流され、しばらくすると観客の照明がゆっくりと暗くなり、
「串田アキラ デビュー50周年記念公演 ~Delight 2019~」いよいよ開演です。

00:SE
01:太陽戦隊サンバルカン
-MC-


ごくごく短いオーバーチュアが流れる中、幕が上がると逆光の中に串田さんのお姿が、
50周年公演の一曲目はスーパー戦隊シリーズより特撮「太陽戦隊サンバルカン」のオープニング。
串田さんは小気味の良い曲調をからりとした爽やかさで歌われ、晴れやかな幕開けとなりました。


・串田さん「今日は串田アキラが唄い、そしてクッシーが喋ります。いつもはあんまり喋ら無いからねっ」
・アニメ・特撮ソングのデビュー作「太陽戦隊サンバルカン」のお話。
・串田さん「レコーディングの時にディレクターさんに言われた『カッコよく』が何回唄ってもわからなくて、
     最後にもう一回唄ってだめだったら辞めさせてもらおうと思って素直に唄ったんです。
     そうしたらディレクターさんから『やればできるじゃないかー』ってOKをもらえました」
 観客拍手。
 串田さん「その頃はまだなぜOKが出たのかも『カッコよく』っていう意味もよくわからなかったんですけど、
     『宇宙刑事ギャバン』を唄った時にその『カッコよく』っていう意味がわかった気がしました。
     強さだけではない、見え透いていないヒーローの秘めた優しさっていうのがあったんですね。
     その事を自分でつかめという思いがディレクターさんに有ったんだと思います。
     今日いらっしゃっている渡辺宙明先生からの推薦で『サンバルカン』を唄っていなかったら
     毎年新曲をもらえなかったし、こうしてステージに立っていなかったと思います」

02:夢の翼を
03:疾風ザブングル
-MC-


続いても特撮「太陽戦隊サンバルカン」よりAkuzawaさんのトランペットソロも魅力の「夢の翼を」。
串田さんの伸びやかな歌声はとても優しく、雄大な大空を飛んでいるような心地でした。
後奏になると串田さんは一旦退場されましたが、演奏陣の皆さんのみで演奏を続けられており、
そのままアニメ「疾風ザブングル」よりオープニングが始まると串田さんが衣装を替えられて再登場。
「ザブングル」の部分では客席にマイクを向けつつご自身も歌われ、観客との大合唱を誘っていました。

・串田さん「『ザブングル』を初めて人前で唄ったのは確か、中野サンプラザだったんですけど、
     お客さんが小さなお友達じゃなかったんですよ。みんなペンライト振って。驚きましたね」
 観客笑。
 串田さん「当時は大人のファンの事もしらなかったから『そうかぁ、小さいお友達はいないのかぁ』って思ってましたね」
 
04:乾いた大地
05:ドラゴン・ロード
-MC-


夕焼け/朝焼けを思わせるオレンジ色の照明の中、アニメ「疾風ザブングル」よりエンディング。
串田さんの振り絞るような思いが込められた歌声はもちろん、Chouemonさんのサックスソロも魅力でした。
がらりと雰囲気が変わり、仮面ライダーシリーズより特撮「10号誕生!!仮面ライダー全員集合」オープニング。
冒頭で仮面ライダーZXのポーズをとられた串田さんは野性味あふれる声で歌われ、躍動感たっぷりでした。

・串田さん「自分のバンドでいろんなお店で唄っていたんですけど、その中のお店にアフロのおやじがいたんですよ。
     その人はお店にいつもいて、唄い終るとR&Bとかソウルミュージックの話ばかりしていたんだけど、
     名前も知らないからずっと"アフロのおやじ"って呼んでたの。当時、ボクもアフロだったのに」
 観客笑。
 串田さん「そんな中である日、『ZX』のヒーローショーで『ドラゴン・ロード』を唄う機会があったんだけど、
     ステージで唄っていて関係者がいるテントにどこかで見た人がいる。あの"アフロのおやじ"がいるんですよ。
     唄い終ってテントに行くと『なんだお前だったおか』で言われたから『なんでいるの?』って聞いたんです。
     そしたらその"アフロのおやじ"が石ノ森章太郎先生だったんです」
 観客笑。
 串田さん「よく唄っていたお店も実は石ノ森先生がオーナーをされているお店だったんです。
     もちろん石ノ森先生の事は存じ上げていたんですけど、見た目がどんな方かは知らなかったんですよ。
     凄く慣れ慣れしく話しかけてたから、二人の会話を聞いていたスタッフが慌てちゃってましたね」
 観客笑。

・アニメ「トリコ」のお話。
 串田さん「『劇場版 トリコ 美食神の超食宝』っていう映画の時に声優としてオファーをもらったんですよ。
     『どんな役なの?』って聞いたら本人って言われて、『自分がアニメの世界にいるの?』って驚きました。
     でも実際見たらアニメの世界にいるんですよ。すごいなぁって思いましたね」

06:ガツガツ!!
07:We are the ONE ~僕らはひとつ~
-MC-


続いて歌われたのはアニメ「トリコ」より初代オープニング。激しい曲調と高揚感を誘う歌詞を
串田さん独特のパワフルな歌声と実際に「釘パンチ」を行う等のパフォーマンスとで披露されるお姿は痛快でした。
激しい曲が続き、スーパー戦隊シリーズより特撮「爆竜戦隊アバレンジャー」よりエンディング。
串田さんはコーラスのアップル・パイ、カインズの皆さんと共に楽し気に歌われながら
サビ部分での観客が手を上下に挙げる振りを楽しそうに眺めながら歌われていました。

・串田さん「『We are the ONE』は久しぶりに戦隊のエンディングを唄わせてもらったんだけど、
     最初にエンディングの映像を見て驚きましたね。すごいダンスをしてるんですよ。
     今、ライブで皆さんがやっているのは簡単になっているでしょ。
     驚いたのは海外のライブでも皆さんと同じ踊りをしてくれていたんですよ」
 観客「おぉぉお」
 串田さん「中米ツアーに行った時にこの曲を唄うと現地の人がみんなこの曲で皆さんと同じ振りをするんです。
     ライブのツアー名が『We are the ONE』のスペイン語『Somos el UNO』っていうタイトルだったんすけど、
     いいですよね『We are the ONE』。ボク達は一つになれるんだって思いました」

・ここからはご自身のルーツであるR&B、ソウルミュージックを歌われるコーナーという事で
 次に歌われる楽曲について串田さんが解説してくださいました。 
・串田さん「まだデビューする前『もっとメジャーになるにはバンドボーイをやった方がいい』って言われて
     バンドボーイをしていたんですけど、そのバンドはプラターズの曲をよく唄っていたんですよ」
・プラターズの楽曲を説明しつつ、常見さんと低音合戦する串田さん。

08:My Prayer
09:People Get Ready
-MC-


串田さんのルーツであるR&B、ソウルのカバー。まずはコーラスグループ、プラターズの「My Prayer」。
アニメや特撮の歌からがらりと変わった串田さんの感情豊かで広がりを感じる歌声に引き込まれました。
続いてはR&Bグループのインプレッションズが発表し、後に多くのアーティストがカバーした「People Get Ready」。
アメリカにおける黒人の公民権適用と人種差別の解消を求めて行った大衆運動を背景に作られたという本曲は、
とても穏やかな曲調で、串田さんの歌声も盛り上がりと共にドラマチックになっていき、しみじみと聞き入りました。

・串田さん「今の唄は多くの人がカバーしていますが、唄う時はその曲の背景を調べるんですけど、
     この曲の背景にある勇気や行動力というか、差別されていた黒人達の強さや優しさが感じられます。
     やっぱりその黒人の思いが込められた声の出し方というか、そういったものに惹かれているんだと思います」

10:機動刑事ジバン
11:未来予報はいつも晴れ
-MC-


ここからはアニメ・特撮ソングに戻り、メタルヒーローシリーズより特撮「機動刑事ジバン」オープニング。
メカニカルな曲調の中、串田さんが歌詞の一語一句をじっくりと力強く歌われるお姿が印象的でした。
続いても同じく特撮「機動刑事ジバン」よりエンディング。個人的に大好きな曲なので今回聞けて嬉しく。
串田さんは聞いている観客になげかけるように優しく、爽快さいっぱいに歌われていてとても素敵でした。

・「宇宙刑事ギャバン」がアメリカに渡り映画「ロボコップ」になり日本に帰ってきたのが「機動刑事ジバン」説。
・特撮「世界忍者戦ジライヤ」で磁雷矢/山地闘破が使う戸隠流忍術の34代目継承者・初見良昭さんとお会いした串田さん。
 串田さん「本物の忍者ですよ。凄いですね。世界中の人を教えているらしくて、FBIの人も習いに来ているそうです。
     あと驚いたのは髪の色。ボクも人のことは言えないけど、紫色だったんです。やー上には上がいますね」
 観客笑。

12:ジライヤ
13:空からひびく声
-MC-


引き続きメタルヒーローシリーズから特撮「世界忍者戦ジライヤ」よりオープニング。
串田さんの沸々とした高揚感ある歌いぶりがとても魅力。サビで目を閉じて歌われたり、間奏で印を結ばれる場面も。
雰囲気が変わって静かにはじまったのは、同じく特撮「世界忍者戦ジライヤ」より「空からひびく声」。
シンプルな演奏だけに、串田さんの哀愁を感じる歌いぶりをじっくりと堪能することが出来ました。

・「空からひびく声」はレコーディング以来、存在を忘れられていたそうですが、
 串田さん主催されていた、観客がステージに立って串田さんの歌を歌うイベント「君もソロで唄う・ゾ!」で、
 観客の一人がカラオケが無かった為アカペラで歌われた事をきっかけに改めて聞き直し、
 更にカラオケも作られ、その後のライブでも折を見て歌われるようになったそうです。

・串田さんの本名"晃"の由来の話。
 串田さん「もっと強そうな名前が良かったんですけど、なんでアキラなのかオヤジに聞いたんですよ。
     そうしたら感じで"日光"って書くから、左右対称で文字のバランスが良いと。
     あと戦争が終わったばかりだったから、太陽の様に明るく育ってほしいかったそうです。
     なのでボクとしては明るく元気に育っていたんですけど、デビュー曲が『からっぽの青春』」
 観客笑。

・串田さん「ブラックミュージックをやっていたから"黒っぽい"っていうフィーリングで売り出したのに、
     それが"黒っぽい"じゃなくて"暗っぽい"売り出し方になっちゃって、当時の写真は一つも笑ってない。
     そういうイメージが嫌で辞めさせてもらおうとしたら『契約の三年間は頑張りなさい』と言われました」
 観客笑。
 串田さん「それでもいい方に考えて前向きに進んでいったので、デビュー曲は『からっぽの青春』ですけど、
     今思うとからっぽじゃなくてぎっしり中身が詰まった青春でしたね」 

14:からっぽの青春

前半のラストは50年前に発表された串田さんのレコードデビュー曲「空っぽの青春」。
物悲しさたっぷりに歌われている串田さんのお姿に引き込まれ、歌一筋50年の重みを感じました。


~休憩~

「からっぽの青春」を歌い終えられると、串田さんから15分ほど休憩時間が設けられるというアナウンスがあり、
ステージ上が暗くなって、串田さん、演奏陣の皆さんが退場されて休憩時間へ。
その間、ステージにスタッフさんがマイクスタンドを二本設置され、後半の準備が行われました。
しばらくすると休憩時間が終わるアナウンスが流れ、客席も暗くなり後半のはじまりです。

●Chouemon先生のサックスレッスン初級編
-MC-


・読売新聞記者でよみうり大手町ホールのプロデューサーでもある鈴木美潮さんによるアナウンスで、
 Z旗ホーン隊でサックスを担当されているChouemonさんによるレッスンが開講。

・まずはサックスを手にしたChouemon先生が登場され、続いてサックスを手にした串田さんがご登場。
・なんでも挑戦したがる串田さん。以前サックスを購入したものの歌に専念する為に手放されたとか。
 しかし数年前、R&Bの楽曲を聞いていた際に聞こえてきたサックスの影響で再度購入。しかしタンスの肥やしに。
 そこで今回、ご自身の歌の1フレーズを演奏してみたくChouemon先生に教えを乞う事にされたそうです。
・Chouemon先生「普段こんなトコロでレッスンなんてぜったいしないんだからねぇ……」
 串田さん「いやぁ、でも今しかないんですよォ。お願いします」
 観客笑。
・串田さんが演奏してみたかったのは「星空のメッセージ」。
・試しに吹いてみる串田さん。続いてお手本を見せるChouemon先生。歴然。
・ストラップの高さやマウスピースにリードを固定するための器具リガチャーの向きも修正。
・そしてどんどんオネエみたいな口調になるChouemon先生。

・串田さんが何度か練習で吹いてみるも、なかなか上手く行かず。
・Chouemon先生「串田クン、やっぱり唄の方が向いてるンじゃなぁい?」
 串田さん「もうちょっと練習が必要なんですかね?」
 Chouemon先生「ウーン、そうかもねぇ。でもそのサックスなんかカッコイイからぁ、貰っちゃおうかなぁ」
 串田さんのサックスを奪ってChouemon先生がご退場され、マイクスタンドもスタッフさんが回収。
 串田さん「ドラム叩いたり、キーボードも弾いたりしてたけど、やっぱりサックスは難しいのかなぁ。
     やっぱりボクは唄の方が似合うかなぁ?」 

15:星空のメッセージ/& 宇宙刑事ギャバン
-MC-


後半一曲目はメタルヒーローシリーズより特撮「宇宙刑事ギャバン」エンディング。
串田さんの男気を感じる歌声にうっとりしていると、最後のサビで宇宙刑事ギャバンがご登場。
思わぬサプライズに観客が興奮する中、串田さんはギャバンを傍らに、広がりある歌声を披露されていました。

・ここで串田さんが改めてギャバンをご紹介。
・串田さん「最初にレコーディングした時、ギャバンの姿を見て、そのカッコよさに『末来だっ!』って思って
     そしてこの作品はずっと続いていくんじゃないかと思っていたんです」
・改めてギャバンのカッコよさに見惚れている串田さん。
 串田さん「カッコいいなぁ。あと1時間ぐらいずっと見ていられるよね」
 観客笑。

16:チェイス! ギャバン/& 宇宙刑事ギャバン
17:宇宙刑事シャイダー
-MC-


KENITOさんのトランペットソロも高らかに、同じく特撮「宇宙刑事ギャバン」より「チェイス! ギャバン」。
曲の途中で串田さんとギャバンが階段を渡って客席に降りて歌われると観客大興奮。
客席の通路でがっちりと手を組まれると観客から歓声が沸き、終始大いに盛り上がっていました。
ステージに戻り、ギャバンが退場すると、同じくメタルヒーローシリーズより特撮「宇宙刑事シャイダー」オープニング。
串田さんは軽快でノリのいい曲調を時折マラソンの様にステップを踏みながら楽しそうに歌われていました。

・ここで再びR&B、ソウルミュージックのコーナー。
 串田さん「本当はR&Bってリズム・アンド・ブルー"ズ"の方が近いんですよね。ブルー"ス"じゃなくて。
     ブルースはどちらかというと淡谷のり子さんとかが唄われている方が近いのかな」
・デビュー前に出演していたお店のステージを来日中のソウル・グループ、テンプテーションズのメンバーがたまたま見ており、
 その場で翌日の新宿厚生年金会館のステージで一生に歌おうと誘われた串田さん。
 翌日も同じお店でステージに立つ予定があって悩んでいた所、店長さんが「明日は店を閉めて応援に行こう」という事になり
 テンプテーションズのライブに飛び入り参加されたそうです。
 最初ステージに出ていったら観客に「なんだコイツ」という顔されたものの、歌ったら受け入れられたそうです。

18:Baby, I'm for Real
19:A Change Is Gonna Come
-MC-


マーヴィン・ゲイが手がけ、ソウルバンドのオリジナルズが発表した「Baby, I'm for Real」。
優しい曲調の中で随所の「Baby」をはじめ、後半のまくしたてる様な串田さんの歌いぶりは息を飲む程の迫力でした。
続いては多くのR&B歌手に影響を与えたというサム・クックの代表曲ともいえる「A Change is Gonna Come」。
10年前の串田さんの40周年記念ライブ「夢中者」でも歌われた本曲。こちらも黒人の公民権運動の中で生まれた曲という事で、
串田さんの歌声に第一声から圧倒。嘆きながらも希望を感じさせるような歌声に奥深さを感じました。

・串田さん「この曲も差別の哀しさから生まれた曲で、ボクはR&Bの原点に通じると思っているんですね。
     小さい頃は歌謡曲も聞いていたんですけど、中学の修学旅行で行った京都でレコードを買って、
     そこから洋楽にのめり込んで、R&Bとかソウルに魅了されるようになったんですね。
     ……えー。それではここでちょっとコマーシャル」 

20:Orange County
-MC-


串田さんの一声から文字通りのCMソングコーナー。京都にあるコーヒー製造会社「小川珈琲」のCMソング。
ラテンを思わせる小気味の良いテンポの曲調を、串田さんはノリノリでステップを交え情熱的に歌われていました。

・「小川珈琲」のCMソング「Orange County」は1980年代に主に関西で流れていたCMソング。
 この度、音源が発見された事をきっかけに50周年記念ベストアルバム「Delight」に収録され、
 今回初めてライブで披露されたそうです。

21:富士サファリパークCMソング
-MC-


関東で長く放送されている静岡県にあるサファリパーク「富士サファリパーク」よりCMソング。
串田さんの代表曲の一つだけに、串田さんがハイテンションな歌声で歌い終ると大歓声が起こっていました。

・串田さん「じゃあ、最近のCMをもう一曲。これはバンドさんには言ってなかったからアカペラでやってみますね」 

22:僕らのうまさはここにある (CMサイズ アカペラ)
-MC-


当時絶賛放送中だったサッポロビール「麦とホップ」CMソングをアカペラでご披露。
CMサイズと短い歌唱時間ではありましたが、串田さんのパワフルな魅力が凝縮。生で聞けて嬉しかったです。

・串田さん「『麦とホップ』はおいしいんですよね。是非呑んで見てください。でも呑み過ぎないでくださいね」
 観客笑。
 串田さん「そして未成年のお友達は絶対に呑まないでくださいね」

23:あっぱれ! ジモトがイチバン!!

当時絶賛放送中のテレビ東京系「おはスタ」内のアニメ「ジモトがジャパン」エンディングに乗せて
今回のコーラス、ホーン隊、バンドの皆さんを一人づつ、それぞれのジモトと特徴を交えてご紹介。
それぞれの紹介は原曲の都道府県を歌う部分で行われ、各セクションが終わる毎に串田さんがサビを歌唱。
それが終わると次のセクションをお一人づつご紹介という段取りで行われました。

24:Rollin' Into The Night
-MC-


賑やかな雰囲気が一転、映画「MAD MAX」の日本版エンディング「Rollin' Into The Night」。
曲に漂う重々しい雰囲気を串田さんが哀し気に歌われる様子は、アニメや特撮の歌とはまた違った魅力でした。

・串田さん「この曲を聞いた渡辺宙明先生が『太陽戦隊サンバルカン』の歌手に推薦してくれました。
     なのでこの曲がなかったらこのステージに立っていなかったかもしれません」
・この年に放送されていたアニメ「RobiHachi」では劇中歌の他、銀河道中ヒザクリガーの声もご担当。
 串田さん「『ヒザクリガー』は50年前、ボクのデビューと同じ頃にやっていたロボットアニメという設定なんですけど、 
     ロビーとハッチと宇宙を旅するんです。……あーさっきギャバンに聞けばよかったなぁ、会った事ある?って」
 観客笑。
 串田さん「二次元と三次元だからやっぱり世界が違うのかな?」 

25:銀河道中ヒザクリガー!
26:炎のキン肉マン/& キン肉スグル
-MC-


アニメ「RobiHachi」よりご自身がヒザクリガーの声優も担当された劇中アニメ「銀河道中ヒザクリガー」のテーマ。
串田さんの力強さあふれる曲ですが、この年の5月にライブで聞いた際は曲中の台詞は録音されたものが流されていましたが、
今回は台詞もその場でご披露され、串田さんの常に挑戦される姿勢を垣間見た一幕でした。
熱気をそのままに、続いて高らかにはじまったのはアニメ「キン肉マン」より二代目オープニング。
パワフルな串田さんの歌声に合わせて観客も合いの手を行う中、中盤にキン肉マンことキン肉スグル王子がご登場。
観客がさらに盛り上がる中、間奏では「キン肉マン40周年おめでとぉーう!」と串田さんがお祝いされていました。

・キン肉スグル王子が拍手で見送られショッカーさんお一人に。
・当日は原作者のゆでたまご・嶋田隆司先生もご来場だとか。
・串田さん「『キン肉マン』放送当時、田園調布にあった田園コロシアムという所でイベントをやったんですけど、
     声優さんや、キン肉マンたち、本物のレスラーもいて、みんなでぐちゃぐちゃになってた思い出があります。
     その時の司会が関根勤さんでね。ものすごく盛り上がったのを覚えています」

・串田さん「"Delight"という事で皆さんが楽しんでくれるような内容を目指しました。
     40周年の時は色んな人を呼んで派手にやったんですけど、今回はほとんど一人でやろうと思いました。
     ボクはなんでもやりたがるんでこういった感じになりましたが、やっぱり自分には唄しかないと思いました。
     いつかまた一人でやっても唄だけ唄おうかな。もしくは今度はギターにしようかな」
 笑顔でギターのナベさんを見る串田さん。
 串田さん「狙う・ゾ、おれは」 
 観客笑。
 串田さん「ウッドベースもやったことあるけど指が短くて断念したんだよね。でも、狙う・ゾ」 
 観客笑。

27:超惑星戦闘母艦ダイレオン
28:強さは愛だ
-MC-
29:宇宙刑事シャリバン


ラストブロックはメタルヒーローシリーズから特撮「巨獣特捜ジャスピオン」より超惑星戦闘母艦ダイレオンのテーマから。
ブラジルで熱狂的支持を集めている作品で、串田さんも現地でライブをされた際の盛り上がりを体感されているだけに
「ダイレオン」の部分では客席にマイクを向け、観客との大合唱を誘われ、大いに歌う観客を笑顔で眺めていました。
流れるように続いて演奏されたのは、メタルヒーローシリーズから特撮「宇宙刑事シャリバン」よりエンディング。
ファンから根強い支持を集めている楽曲だけに、串田さんの頼もしく優しい歌声に観客も大盛り上がりでした。
「次が最後の曲です」と串田さんがお話され、本編のラストは特撮「宇宙刑事シャリバン」よりオープニング。
串田さんは冒頭で変身ポーズ「赤射」をされた後、とても熱量を感じる歌いぶりで観客を沸かせていました。

-アンコール-
-MC-


拍手の中、串田さんに続いて、バンド、ホーン隊、コーラスの皆さんが退場されていくとステージ上が暗くなり
それまでの拍手が手拍子代わり、徐々にアンコールへと変わっていきました。

・しばらくアンコールが続く中、ステージ上が明るくなり串田さんがご登場。
・バンド、ホーン隊、コーラスの皆さんも登場されて準備をされる中、鈴木美潮さんもご登場。

・美潮さん「実は今日は串田さんの50周年をお祝いしたい方が内緒で駆けつけてくれているんですよ」
 串田さん「えっ、そうなの?」
 美潮さん「本当に内緒なんですよ。登場していただきましょう、この方々です!!」
 美潮さんに呼びこまれ、串田さんとは"魂の三兄弟"と称されるほど深く親交がある
 MoJoさんと宮内タカユキさんがプレゼントを持ってご登場されると観客大歓声。
・MoJoさん「いやぁっ。兄貴っ50周年おめでとう!!」
 宮内さん「おめでとうございまーす」
 串田さん「うわー。いやー。嬉しいなぁー。もっと早く来いよぉ」
 観客笑。
 
・MoJoさん「兄貴の50周年に何かしたいと思ってさ、宮菌(宮内さんのあだ名)と相談したんですよ。
     ずっと考えたんだけど、それでさ、兄貴の歌に『星空のメッセージ』ってあるじゃない?
     あの歌詞みたいに仲間達から『クッシーへのメッセージ』として動画を送ってもらってさ、
     デーブイデー、ブルーレーにしてプレゼントしますよっ!」
 観客拍手。
 MoJoさん「あのね、この中には水木(一郎)のアニキ、堀江(美都子)さん、(ささき)いさおさんはじめ、
     JAM Projectの影山(ヒロノブ)君とか歌手の仲間やコロムビアのスタッフさん、
     バースデーソングのスタッフさんとかみんなからのメッセージが入ってます。
     ライブが終わったらこれを見て思いきり涙にくれてくださいね!!」
 串田さん「おぉーありがとーぅ」
・宮内さん「こっちはね、青唐辛子を50本持ってきました」 
 串田さん「わぁ。おれ辛いの大好きだからさ、いつもマイ唐辛子を持ち歩いてるんだけど、いっぺんに食えねえなぁ」
 観客笑。
 MoJoさん「がんばってデーブイデー見ながら食べて泣いてください。これが作戦なんですよ!」
 観客笑。
・MoJoさんと宮内さんはそれぞれ串田さんと握手を交わされ、美潮さんと共に退場されていきました。
・串田さん「嬉しい限りだねぇ。こうやってお祝いしてくれると唄う事が自分の使命だと改めて感じますね。
     これからもどこかで唄っていますので、その時は是非、応援してくださいね」
 観客拍手。
 串田さん「じゃあ、最後にみんなで唄って、盛り上がりマッソォ!!」

30:キン肉マンGo Fight!/& キン肉スグル
-MC-


アンコール一曲目はアニメ「キン肉マン」より初代オープニング。前奏と共にキン肉スグル王子がご登場。
串田さんは颯爽とした頼もしい歌声や間奏での「へのつっぱりはいらんですよ」からはじまるコミカルな台詞を披露され、
時折、キン肉スグル王子と見つめ合いつつ、とても楽しそうに歌われていたのが印象的でした。

・キン肉スグル王子を見送って串田さんお一人に。
・串田さん「まだ唄っていない曲、あるよね?」
 観客「ぉおっぉおおおぉお」
 串田さん「もう一曲、唄う勇気はあるかぁああっ?」
 観客「おぉぉおおおおおおおおぉおおおおお」
 串田さん「よろしく勇気ッ!!」 

31:宇宙刑事ギャバン/& 宇宙刑事ギャバン

50周年記念公演のラストはメタルヒーローシリーズより特撮「宇宙刑事ギャバン」よりオープニング。
冒頭で宇宙刑事ギャバンが登場。拳を挙げたり、必殺技「ギャバン・ダイナミック」等を交え観客を盛り上げる中、
串田さんは鍛えあげられたパワフルな歌声をご披露。ラストはギャバンと共にダブル「蒸着」で締めくくられていました。

・ここで串田さんに呼びこまれ、キン肉スグル王子が再度ご登場。
 串田さん、キン肉マン、宇宙刑事ギャバンが揃って手を重ねられる夢のスリーショットが実現すると観客大歓声。
・串田さん「いやぁ、こんな事今までなかったよね? やー凄いなぁー」

・ギャバンとキン肉スグル王子が観客の拍手で見送られると、
 串田さんに呼びこまれてバンド、ホーン隊、コーラスの皆さんがステージ前方に集合されて一列に。
・そしてここで串田さんからのアナウンスで、アンコール一曲の間のみ写真撮影がOKに。 
 更に注意事項として「動画撮影NG」「フラッシュNG」等がアナウンスされました。
・せっかくだから全員で何かポーズをとろうと串田さんがギャバンを思わせるポーズを発案。
 ステージ上の皆さんが串田さんと同じポーズをとられ、観客による撮影タイムが設けられました。

串田さん「今日は、本当に、楽しく唄う事が出来ました。ありがとぉおおう!!」

撮影タイムが終わると串田さんからご挨拶があり、観客からステージ上の皆さんに拍手が贈られる中、
幕が降りていき「串田アキラ デビュー50周年記念公演 ~Delight 2019~」は終演となりました。


串田さんによるデビュー50周年記念公演は、時にパワフルに、時に哀愁を込めて
強く優しいヒーロー達の歌を次々と歌われるお姿に終始圧巻。あっとう間の約三時間31曲でした。
今回、串田さんがご自身の原点であるR&Bやソウルミュージックを歌われる際、
楽曲の背景には黒人差別への思いが込められているという旨のお話をされていましたが、
R&Bやソウルミュージックの中に黒人差別と戦った方々の強さ優しさ哀愁が流れている事が
串田さんが強く優しいヒーロー達の歌われ、長く支持され続けている背景にあるのではとも感じました。

歌はもちろん、お一人で進行され、観客の興味を惹くような話題をわかりやすく伝えようとされたり、
サックスに挑戦したり、宇宙刑事ギャバンやキン肉スグル王子など思わぬゲストを迎えたり、
とにかく観客と共に楽しもう、観客を喜ばせようという串田さんの心意気が節々に感じられました。
まさに「Delight(楽しい/歓喜/大いに楽しませる)」なライブでした。
串田さんデビュー50周年おめでとうございます。


ゲスト/宇宙刑事ギャバン キン肉スグル 鈴木美潮
    MoJo 宮内タカユキ



補足

・会場に向かうロビーにはささきいさおさん、堀江美都子さん、水木一郎さん、
 MoJoさんと宮内タカユキさん、石原慎一さんら歌手仲間の他にも
 ゆでたまごの嶋田隆司先生、中井義則先生、アニメ「Robihathi」スタッフなどからお祝いのお花が飾られていました。

・今回、SS席はサイン入りポスター、クリアファイル、終演後の握手会参加券の特典付き。
 
・串田さん「おかげさまでデビュー50周年。いろいろ葛藤がありましたけど皆さんに応援してくれたおかげで
     歌う事の楽しさを確実にひとつずつ積み上げてきました」

・コーラスブースにはアップル、カインズの皆さん用にそれぞれ椅子が設置されていました。

・串田さん「最近、富野由悠季監督が『ザブングルは大好きな作品』と言っていたそうです。嬉しいですね」

・串田さん「『乾いた大地』はレコーディングの時にうまく歌えなくて大変でしたけど、歌詞が印象的でね。
     テレビで放送を見た時に『なるほど、凄い事が起こっているこういう世界なんだ』って思いました」

・「『仮面ライダー』と言えば歌以外にも、あったよね? ちょっとだけやってみようかな」と
 特撮「仮面ライダーオーズ」の変身ベルト、オースキャナータトバフォームの音声を披露され、
 「当時はメダルが沢山出てたから、親御さんは大変だったろうね」と当時を振り返られていました。

・串田さん「『トリコ』の『豪食マイウェイ!!』では主題歌のPVを撮影したんだけど、それが戦隊とかライダーを撮っている所で、
     よくみると爆発の跡が沢山あったんですよ。『すごいなあこういう所でやってるんだ』と感心しましたね」 

・串田さん「プラターズといえばあの曲が有名ですね。♪オ~ンリ~ィ~~~ ゆっ」
 プラターズによる世界的大ヒット曲「Only You」の冒頭部分の「You」を伸ばさずすぐ止める串田さん。

・串田さん「じゃあ……なんかリクエストあります? ないですよね」
 観客笑。
 串田さん「ちょっと早かったかな? でも無いですよね。じゃあ勝手にやります」
 観客笑。

・串田さん「『ジバン』は今年30周年。当時は機械的音楽が増えていた時期で、その中でもオープニングは完璧ですね。
     エンディングは当時なぜだかなかなかステージで歌う機会が少なかったんです。
     たまに歌うとこんなにキーが高かったんだってびっくりしますね。でもいい歌なんですよ」

・「富士サファリパークCMソング」のラストで斉藤さんと顔を合わせて歌われる串田さん。お二人ともとても嬉しそう。

・「太陽戦隊サンバルカン」を歌う前に宇崎竜童さんに作ってもらったという歌のさわりをアカペラで披露された串田さん。
 披露された歌は青春的でツッパった感じの曲だったので、当時30歳位だった串田さんには合わないのではとお蔵入りに。
 串田さん「今思うとあの時あの歌を選んで歌っていたら何か変わっていたかもしれませんね」 

・サックスの教則本を買った串田さん。スーパーテクニックと題された演奏法が救急車のサイレンみたい。

・Chouemon先生「ここで裏声を出しちゃぁダメよぉ~」

・Vシネマ「宇宙刑事 NEXT GENERATION」シリーズの「宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION」において
 串田さんがマスター役で友情出演された際のお話。
 串田さん「鈴村健一さんが声をされている不思議獣ピタピタっていうやつと悪だくみをしている役柄でね。
     本当は正義の味方がやりたかったんだけど、シャイダーに見つかって追いかけられるんです。
     ボクは逃げるんだけど置いていかれちゃうっていう不思議な役回りでしたね」

・串田さん以外のコーラス、バンド、ホーン隊の皆さんのジモトが見事にバラバラだったのも興味深く。

・終演後の握手会では多くの観客と一人一人しっかりお話されながら握手されていた串田さん。
 約三時間30曲以上歌われた後に1時間以上かけて握手されるお姿に頭が下がる思いでした。

・串田さん「今日の面白くなかった事はどこかに置いて行って、楽しい事だけ持って帰ってください。
     そしてボクは普段あんまりトークはしないんですけど、今日は挑戦してみて何とかやりきれました。
     今後も挑戦は続きます。明日から未来です。毎日が、スタートです!」

bottom of page