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水木一郎・堀江美都子 ふたりのアニソン#16
18.10.28 よみうり大手町ホール

 

出演/水木一郎 堀江美都子

 

演奏/Key&Co.貴日ワタリ B.村上聖 Dr.岩田"GUNTA"康彦 G.松尾洋一 
   カラオケ

 


今年2018年にデビュー50周年を迎えられた水木一郎さんと、翌2019年にデビュー50周年を迎えられる堀江美都子さんの 
アニメソング界を象徴するお二人が、これまで歌われてきた代表曲やデュエットはもちろん、 
大きいライブやご自身のソロライブでもなかなか聞く事が出来ない楽曲、アニメソング以外の楽曲、 
ここでしか聞けないカバー曲等に加え、飾らないトークを織り交ぜて展開される「ふたりのアニソン」。通称「ふたアニ」。

毎年東京公演は秋、大阪公演は5月に開催されている「ふたアニ」。今回は「#15」の節目を越えた「#16」の東京公演のレポートです。

 

会場は東京大手町にある読売新聞本社内にあるよみうり大手町ホール。 
落ち着いた雰囲気のホールに観客が続々と入場していく中、舞台には緞帳が下りていました。

 開演の少し前に諸注意を促すアナウンスが流されて、開演時間になるとゆっくりと照明が暗くなっていき、 
「水木一郎・堀江美都子 ふたりのアニソン♯16」いよいよ開演です。

 

01:Now and Forever/水木一郎 堀江美都子 
02:和倉のあいの物語/水木一郎 堀江美都子 
-MC-

 

幕が上がるとフォーマルな装いの水木さんとエレガントな装いで椅子に腰掛けられた堀江さんがお出迎え。 
オープニングはちょうど10年前の2008年に開催された水木さんの40周年記念ライブ「水木一郎 SUPER LIVE 60」で初披露され、 
その年の「ふたりのアニソン ♯6」から歌われ続けている「ふたりのアニソン」オリジナル曲「Now and Forever」。 
本曲はCD等になっておらず、「ふたアニ」でしか聞く事が出来ない素敵な曲で、

お互いへのメッセージの様な歌詞を穏やかに歌われるお二人が印象的。 
続いてはアニメ「りゅうおうのおしごと!」より、ヒロイン雛鶴あいの両親、雛鶴隆、亜希奈夫婦役でお二人が共演され 
初めてキャラクター同士でのデュエット曲となったイメージソング。イントロが流れると「いきなりこの曲ですか」と水木さん。 
お二人のデュエット最新曲である本曲は、娘を思いやる親心を歌った演歌。間奏の台詞部分は原曲ではキャラクターの会話ですが、 
今回はお互いの50周年と49周年をお祝いしたり、バンドの皆さんを労ったりされる、今回ならではのやりとりになっていました。

 

・水木さん「いきなり新曲ってのも珍しいね」 
 堀江さん「あたし、このパターン好きよ。この曲は和めるもの。新曲って結構ピリピリするんですけどね」 
・毎回自己紹介を忘れがちなお二人。 
・水木さん「いつもライブが始まる前は色々話そうと思うんだけど、すぐ忘れちゃうんだよね。だから進行はミッチに任せます」 
 堀江さん「あらあらそうですか。今日もですか」 
 観客笑。 
 堀江さん「でもアニキはソロライブだととても流暢にお話されるんですよ。隣に誰かがいるとダメになっちゃうんですよね」 
 観客笑。 
 堀江さん「なんでしょうね。開放感なのかな?」

 

03:キャンディ キャンディ/堀江美都子 
04:バビル2世/水木一郎 堀江美都子 
05:花の子ルンルン/堀江美都子 水木一郎 
06:キャプテンハーロック/水木一郎 
-MC-

 

ここからは自己紹介を兼ね、お二人の代表曲を交互に4曲連続でご披露。 
まず堀江さんが歌われたのは、ご自身の代表曲中の代表曲であるアニメ「キャンディ・キャンディ」オープニング。 
堀江さんの清々しい歌声を堪能しつつ、三番では堀江さんの扇動でサビを観客も歌い、「ねっ」の振り付けも堀江さんと一緒に行いました。 
続く水木さんはアニメ「バビル二世」よりオープニング。原曲のコロムビアゆりかご会の皆さんによるコーラスは堀江さんがご担当。 
水木さんの勇ましいステージの後はがらりと華やぎ、堀江さんによるアニメ「花の子ルンルン」よりオープニング。 
しなやなかに堀江さんが歌われる横で水木さんが原曲のザ・チャープスの皆さんのコーラスを担当したり、

堀江さんの振り付けを見様見真似したり。 代表曲コーナーのラストは水木さんによる

アニメ「宇宙海賊キャプテンハーロック」よりオープニング。 
ダイナミックな曲調を迫力ある歌声で歌われる水木さんを堀江さんはステージの端でじっと見守られていました。

 

・堀江さん「まだ序盤なのに結構な汗をかいてますね」 
 水木さん「いやぁ、失敗しましたよ。始まる直前にすっごい熱いコーヒー飲んじゃって」 
 観客笑。 
 水木さん「ちょっと座っていい?」 
 堀江さん「まだダメ! すぐ座りたがるー」 
 観客笑。

・このライブの数日前に発売された水木さんのデビュー50周年記念アルバム「Just My Life」のお話。 
・水木さん「このアルバムはコロムビアの倉庫に眠っていて発見されたアニソンデビュー前の未発表曲や 
     自分の色々なはじめてを収録したアルバムなんですけど、あえてアニソンデビューの『原始少年リュウが行く』や 
     代表曲の『マジンガーZ』は収録してないんですよ。デビュー50周年のすぐ後にアニソンデビュー50周年が来るからです」 
 観客笑。 
 水木さん「この前、アニソンデビュー45周年だったけど、今年すぐにデビュー50周年。 
     記念のライブをやるかどうしようか悩んだけど、やってよかったね。あんな素敵な曲をプレゼントされたんだもん(※)」 
 堀江さん「じゃあ、アニソンデビュー50周年の時は何もやってあげない!」 
 観客笑。 
※この年の夏に行われたライブ「水木一郎 デビュー50周年記念 特別公演 ~原点オンパレードだゼーット!~」において、 
堀江さんと遠藤正明さんが作詞し、影山ヒロノブさんの作曲による楽曲「ハピネス」をサプライズで水木さんにプレゼント。 
その場に駆けつけたアニメソング歌手仲間30名以上で歌われました。

 

・様々なコーナーに分かれている「ふたアニ」。まずは「お宝ソング」コーナー。 
・水木さん「僕は『Just My Life』にも収録したお宝ソング、『くちづけ』を」 
 堀江さん「アニキの口から『くちづけ』って……」 
 水木さん「そういう曲なんだもん仕方ねえじゃん」 
 観客笑。 
 堀江さん「あたしもアニソンじゃない曲で『若い海』っていう曲なんですけど」 
 観客「ぉおぉお」 
 堀江さん「アニメでデビューする前に、子供7人で『ちびっこポップス・シリーズ』っていうのをやってたんですよ。(※) 
     コロムビアが子供向けに音楽性の高い新しい娯楽ジャンルを開拓していた時期だったんですね。 
     あたしが『紅三四郎』でデビューする一か月前にレコーディングしたけど発売は一か月後だったの」 
 水木さん「じゃあそれを入れたらミッチはとっくにデビュー50周年じゃん」 
 堀江さん「そうなの」  
 観客笑。 
 堀江さん「でもいいんです。あたしのデビューは『紅三四郎』からなんで。デビューとアニソンデビュー二回やると疲れるし」 
 観客笑。 
※「ちびっこポップス・シリーズ」は堀江さんはご自身がデビューするきっかけになった 
フジテレビ系「日清ちびっこのどじまん」に出演した7人で結成されたユニット「ともだちグループ」によるシリーズ。 
メンバーにはアニメ「ハクション大魔王」の主題歌などを歌われている嶋崎由里さんもいらっしゃいました。 

 

07:若い海/堀江美都子 
-MC- 
08:くちづけ/水木一郎 
-MC-

 

「お宝ソング」の先行は堀江さんがともだちグループの一員として歌われた「ちびっこポップス・シリーズ」より「若い海」。 
原曲では堀江さんが歌われているのは一番のみなので、フルコーラスを歌われるのは珍しく、

はつらつとした曲調を瑞々しく歌われていました。 入れ替わりに登場された水木さんに

「10代に戻れなかったよぉ」といいながらバトンタッチして堀江さんはご退場。 
堀江さんの言葉を受けて「じゃあボクは20代に戻って」とお話され、歌われたのは幻のデビュー曲「くちづけ」。 
水木さんの色香漂う歌声が徐々に熱を帯び、一番の盛り上がりでパッションを感じる印象に変わっていく様子はとてもドラマチックでした。

 

・衣装を替えられた堀江さんも合流されてお二人でトーク。 
・水木さん「デビューする時『君にささげる僕の歌』と『くちづけ』どちらかを選ぶんだったけど、 
     『くちづけ』を選んでたらオレは『マジンガーZ』を歌ってなかっただろうし、今ここにもいなかったかもしれない」 
 堀江さん「じゃあどこにいたの?」 
 水木さん「わかんない」 
 観客笑。

・ここからはステージに設置されたソファに座り、テーブルの上にある水を飲みながら、 
 まるでお二人の家に遊びにきたようなゆったりとした雰囲気でトークしながら展開。 
・この間、貴日さんがキーボードでBGMを生演奏されていました。 
・堀江さん「かといって、別に夫婦じゃないんですよね。なんだろうなぁ? 兄妹? 戦友?」 
 水木さん「家族よりも長い付き合いなんだよね」 
  
・次のコーナーは「幻の主題歌」。 
・水木さん「どういう事かといいますと、レコーディングして楽しみにテレビをつけたら違う人がその曲を歌っていた曲です」 
 観客笑。 
 堀江さん「コロムビア的にどうなのかねぇ? 言っていいのかね?」 
 水木さん「わかんないけど理由もいまいちわからないんだよね。前にチャーリー・コーセイさんと話してていわれたのは 
     『僕は"チャーリー・コーセイ"って名前だから「ルパン三世」を歌えたんじゃないか』って」 
 堀江さん「なるほどー」 
 水木さん「つまり作品のカラーを考えて"水木一郎"じゃあエンディングはいいけどオープニングはダメって事なのかも。 
     ……だったらさ、オレも名前変えるってー。英語の名前にしたのによぉー」 
 観客拍手。 
 堀江さん「じゃあアニキの歌声ではテレビで流れなかったの?」 
 水木さん「流れなかった」 
 堀江さん「それはお気の毒。あたしは二回くらい流れたの。間に合わせでだけど」 
 観客笑。 
 堀江さん「そしたらフランスのアレーヌって人に変わっちゃった。あ、フランス人だ。やっぱり外国の名前にすればいいのかっ!」 
 観客笑。 
 水木さん「やっぱりあの時代はそういうのが好きだったんだろうね。ミッチも名前変えればよかったんだ」 
 堀江さん「だったらあたしをアレーヌにすればよかったじゃんね」 
 観客笑。

 

09:ラ・セーヌの星/堀江美都子 
-MC- 
10:ルパン三世のテーマ/水木一郎 堀江美都子 
-MC-

 

「幻の主題歌」は今回も先行の堀江さんの「エトワール デ ラ・セーヌ」という一声からアニメ「ラ・セーヌの星」よりオープニング。 
しなやかで弾むような歌声を披露される堀江さん、間奏ではフェンシングを思わせる殺陣を披露される場面も。 
続く水木さんはアニメ「ルパン三世(新)」より二代目オープニング。「Lupin the Third」等の随所のコーラスは堀江さんと貴日さんがご担当。 
伸びやかで心地よく歌われる水木さん。間奏では松尾さんのギターソロ、村上さんのベースソロがピックアップされていました。

 

・水木さん「この曲をレコーディングした時は『高音が出きっていないのかな、だから使ってもらえなかったのかな』と思ったんだけど、 
     しばらくして発掘されたオレのバージョンを聞いたらちゃんと出てるんだよね。今日もすっごく気持ちよく出てたし」 
 堀江さん「やっぱり歌い続けると研ぎ澄まされて、筋肉が鍛えられていくから」 
・老眼を根性で治す水木さん。肉眼で細かい字を読まない堀江さん。

・この日からtwitterをはじめられた堀江さん。 
 堀江さん「デビュー50周年を前に、少しでも多くの方に

    『あー堀江美都子ってまだやってるんだなー』って知ってもらえればと思って始めました」 
・アカウント名の取得が難しい。全部使われている。 
・ニセモノと思われない為に水木さんがフォローして引用ツイート。 
 堀江さん「アニキがフォローしてくれたおかげであたしの携帯の通知が大変なことになってますよ。どうしてくれるんですか」 
・"twitterの手練れ"水木さんが教える自分ルール。 
・水木さん「オレは代わりにやってくれる人がいないから大変だよ」 
 堀江さん「あたしいるんですよ。コロムビアのスタッフ全員参加。本人時々でいいですなんて言われちゃってますもん」 
 観客笑。

・続いてのコーナーは「持ち歌取り替えっこバトル」。 
・堀江さん「もう『ふたアニ』のメインみたいな感じになってますよね」 
 水木さん「今回が一番緊張するんだよ。でも皆さんね、ミッチが歌う歌聞いたら絶対ミッチ版のCD欲しくなりますよ。 
     だってオリジナルのオレよりもいいもん」 
 観客笑。

 

11:ムーへ飛べ/堀江美都子 
-MC- 
12:キミのひかり/水木一郎 
-MC-

 

「持ち歌取り替えっこバトル」も先行の堀江さんが歌われたのは、アニメ「ムーの白鯨」よりオープニング。 
柔らかで伸びやかな堀江さんの歌声は水木さんのお話された通り、堀江さん版のCDが欲しくなる程。しみじみと聞き入りました。 
続いて水木さんが歌われたのは映画「ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~」の挿入歌。 
水木さんがとてもお好きな曲と言われていただけに、一言一言を誠実に柔らかく歌われているのが印象的でした。

 

・ここでバンドの皆さんはトークのBGMを演奏される貴日さんを残してご退場。 
・続いては「超レアバトル」。 
・堀江さん「あたしはねー、大嫌いなニンジンの歌」 
 水木さん「アナタあれも苦手でしょ? あのー銀杏」 
 堀江さん「銀杏も苦手だし―、グリーンピースも苦手なんですけど、今回はニンジンの歌。 
     わがままなもんですよね。調理法によっては食べれたり、あまりニオイが強いニンジンは苦手だったり」

13:とにかくニンジン/堀江美都子 水木一郎 
-MC-

 

「超レアバトル」もやっぱり先行の堀江さん。

アニメ「ムスティ」よりうさぎさんがニンジンへの愛をクイズ形式で歌った「とにかくニンジン」から。 
水木さんは合いの手で要所要所で参加。堀江さんがうさぎさんの可愛らしい声で歌われる中、時折堀江さんとしての本音が漏れる所も。

 

・退場される堀江さんを見送られ、ご自身の「超レアバトル」曲の説明をされる水木さん。 
 水木さん「これはね、『24時間1000曲ライブ』でも歌わなかったんですよ。イヤで。一生歌うつもりは無かった……おかえりなさい」 
 堀江さん「『戻れ』って言われちゃった。みんなにあまりイイ顔で迎えられなかったの」 
 水木さん「タイミング間違えたの?」 
 観客笑。 
・ご自身の行動が面白かったらしく、しばらく笑いのツボに入ってしまった堀江さん。水木さんに説明を続行してもらう事に。 
・水木さん「これね『嫌だよ!』って言っても、オレの先生(※作・編曲家の和田香苗さん)が『水木君、歌えっ!』っていうんだよ。 
     歌謡曲でデビューしても鳴かず飛ばずでさぁ。今も売れてるかどうかわからないけどスタッフが歌えっていうんだよね。 
     タイトルからして『売れない歌手』だよ?」 
 観客笑。 
 水木さん「売れてない時に『歌えっ!』って言われたんだよ!? 嫌でしょぉ?」 

 

14:売れない歌手/水木一郎 
-MC-

 

堀江さんの呼吸が整った所で水木さんが歌われた超レア曲は、アルバム「Just My Life」に収録されている未発表曲「売れない歌手」。 
文字通り「売れない歌手」の悲哀を歌った本曲は、イントロから悲しげで観客から笑い声が聞こえたものの、歌が続いていく中で、 
水木さんのシリアスな歌いぶりと台詞で楽曲の世界観に惹き込まれていった様子で、とても静かに聞き入っているのが感じられました。

 

・堀江さん「一番終わったあたりで『これ笑っていい歌?』って思っちゃったよ。これレコード出してたらむしろ売れてたかもね」 
 観客笑。 
 水木さん「『くちづけ』とカップリングでね。でも売れない時期にコレだよ? 自殺したくなるよ」 
 観客笑。

・ソファコーナーのラストはお互いに歌ってほしい曲をリクエストする「リクエストバトル」。 
・ここで貴日さんも一旦退場され、ステージ上はお二人だけに 
・水木さん「今回は偶然に同じ作品のオープニングとエンディングになったんですよ」 
 堀江さん「あたしはアニキのこの曲好きなんですよー。今度歌っちゃおかなー?」 
 水木さん「いいですか、堀江さん、次の曲を歌い終ったら、衣装替えの為にいったん退場ですよ?」 
 観客笑。

 

15:悲しみは天に還して/堀江美都子 
16:セイリング 未来へ/水木一郎 
-MC-

 

「リクエストバトル」は最後まで先行だった堀江さんによるアニメ「サブマリン スーパー99」のエンディング。 
凛としてシリアスな堀江さんの歌声に合わせ、中盤からはミラーボールも回り出し、会場は幻想的な雰囲気に。 
堀江さんが退場され、水木さんお一人になると、同じくアニメ「サブマリン スーパー99」よりオープニング。 
意思の強さを感じる歌詞と海原を思わせるひろがりある曲調を歌われる水木さんは、とても優しくやわらかでした。

 

・バンドの皆さんが再び登場され、スタッフさんがソファやテーブルを回収される中、水木さんおひとりでトーク。 
・水木さん「あ、ソファなくなっちゃうと座れなくなっちゃいましたね」 
 観客笑。

 

●ジュディ・アボットの手紙

17:キミの風/堀江美都子 
-MC-

 

水木さんが退場されるとオーケストラの演奏が流れ出し、聞こえてきたのは声は、 
堀江さんが世界名作劇場シリーズよりアニメ「私のあしながおじさん」の主人公・ジュディ・アボットとして 
"おじさま"ジョン・スミスへ宛てた手紙の朗読。朗読が終わるとイントロと共に黄色を基調とした衣装に着替えられた堀江さんがご登場。 
「ひさしぶりに歌いまーす」と歌われたのは「私のあしながおじさん」エンディング。当方世代直撃でございまして、 
堀江さんの聞いている人の背中を押すような、やわらかく暖かい歌声に当時を思い出すようにうっとり聞き入りました。

 

・「キミの風」の前に流れたナレーションは今回録り下ろし。 
 堀江さん「今回のために台詞を聞きなおして、書きおこしました。あの時の雰囲気を出すのはなかなか難しいんですが、 
     改めて『ああ、あの時はいろいろ勉強させてもらったなぁ』と思い出しながらやってみました」 
・堀江さん「水木さんがデビュー50周年、今も一線で活躍されてますけど、その人が一番近くにいるわけですから、 
     来年の自分の50年目への勇気をもらえるような気がします。そういった意味を込めて今歌いたい作品という事で 
     今回『私のあしながおじさん』を選びました。続いて聞いてください『グローイング・アップ』」

 

18:グローイング・アップ/堀江美都子 
19:オーブの祈り (ICHIRO MIZUKI SOLO VERSION) (1C) 
~GO AHEAD~すすめ! ウルトラマンゼロ~ (水木一郎ver.) (1.5C)/水木一郎 
-MC-

 

続いて堀江さんが歌われたのは同じくアニメ「私のあしながおじさん」より、とても穏やかなオープニング。 
堀江さんがデビュー50周年へ向けての思いを語られた後だけあって、歌詞がご自身と重なるように感じました。 
続いては衣装を替えた水木さんが登場され、特撮「ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE」と、

特撮「ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE」よりボイジャーのお二人と共に歌われたオープニングを、

アルバム収録の水木さんのソロバージョンのメドレーでご披露。 「オーブの祈り」はどっしりとパワフルに、

「GO AHEAD」ではじっくりと颯爽とそれぞれ違った水木さんの歌声が堪能できました。

 

・水木さん「今年は50周年ですけど、レコード会社さんが決める事なので、まさかアルバムが出るとは思わなかったんですよ。、 
     でも次に歌う曲のオファーを頂いた時は、これはお祝いだと、50周年はこれだけでいいと思えるほどに嬉しかったんです。 
     それが『マジンガーZ/INFINITY』です。45年以上経ってもう一度声をかけてもらえるとは。オレの人柄ですね」 
 観客笑。 

 

20:マジンガーZ/INFINITY バージョン/水木一郎 
-MC-

 

水木さんのデビュー50周年に合わせるように、この年の年始に公開された映画「マジンガーZ/INFINITY」よりオープニング。 
圧倒的疾走感が高揚感を誘うアレンジの中、水木さんもダイナミックにスマートに歌われている様子は抜群に格好良かったです。

 

・白を基調とした衣装に替えられた堀江さんも合流され、お二人でトーク。 
・この時の水木さんはライブの数日前に日本テレビ系「スッキリ!」に生出演された際に着られていた落ち着いた雰囲気の赤黒いジャケット。 
 水木さん「出来たてなんですよ。前にシルバーのをつくったんですけど、赤も欲しくなって、ちょっと暗めの赤でお願いしたんですよ」 
 堀江さん「いいなー。あたしも着れそうだなー」 
 水木さん「いいですよ。貸しましょうか? そのかわり『ムーへ飛べ』を返してください」  
 観客笑。

・続いては「名曲コーナー」。ここでスタッフさんがマイクスタンドをステージ中央に設置されました。 
・水木さん「オレはね、遠藤が歌詞を書いてくれた『まほろばの群青』。 
     ミッチと一緒に歌詞を書いてくれた『ハピネス』もそうだけど、アイツはいい歌詞を書くんだよね。才能があるよ」  
 堀江さん「そうそう。心があるよね」 
・水木さんが退場され、堀江さんお一人に。 
・堀江さん「今日は何を歌おうかと思ったんですけど、この曲はBROADWAYとの思い出の曲なんですよ。 
     『聖闘士星矢」』で影ちゃんと初めてデュエットする時に、影ちゃんのバンドであるBROADWAYと初めて会ったんですよ。 
     その後、ライブをするときにBROADWAYの皆さんを影ちゃんからお借りしてそれから30年ですよ」 
 観客拍手。 
 堀江さん「今やBROADWAYはなくてはならない、いなくては始まらないんですよ。 
     歌手もそうですけど、バンドも何十年も続けられている人って、もう神の領域なんですよね」 

 

21:女神(アテナ)の子守歌 ~Lullaby~/堀江美都子 
22:まほろばの群青/水木一郎 
-MC-

 

「名曲コーナー」も堀江さんが先行でアニメ「聖闘士星矢」より城戸沙織/アテナのテーマ「女神(アテナ)の子守歌 ~Lullaby~」。 
ミラーボールが会場を彩る中、凛とした雰囲気を保ちながら包容力も感じる堀江さんの歌声とパフォーマンスは圧巻でした。 
堀江さんと入替りに水木さんが登場され、宮城県石巻市のヒーロー「シージェッター海斗」のイメージソング「まほろばの群青」。 
父と子それぞれの視点の歌詞と重さが心地よい曲調を、ぐっとシリアスに情感たっぷりに歌われる水木さんに聞き入りました。

 

23:きょうもたたかうストロンガー/水木一郎 堀江美都子 
-MC-

 

黒系の衣装の堀江さんも合流され、トークもそこそこに歌われたのは特撮「仮面ライダーストロンガー」より二代目エンディング。 
本曲は水木さんと堀江さんが初めてデュエットされた曲なので、水木さんのデビュー50周年のこの年に聞く事が出来て感慨深く。 
「♪平和のゆ・く・て・を守るため」の部分ではお二人が拳を作り曲に合わせてリズムよく降るパフォーマンスもみられました。

 

・水木さん「せっかくミッチの衣装を褒めようと思ったらすぐに演奏始まっちゃったよ」 
 堀江さん「大丈夫。ここは話していいですよ」 
 水木さん「じゃあちょっとしゃべろうか?」 
 堀江さん「いやいやいや。歌いましょう!」 
 観客笑。

 

24:CROSS FIGHT!/水木一郎 堀江美都子 
25:ENGAGE!!!ゴーダンナー/水木一郎 堀江美都子

 

ラストブロックはお二人で歌われたロボットアニメの歌を連続で。まずはOVA「破邪大星ダンガイオー」よりオープニングから。 
長年歌い続けられている曲だけに、二人のコンビネーションはもちろんの事、観客の盛り上がりも盤石のものでした。 
本編ラストはアニメ「神魂合体ゴーダンナー!!-SECOND SEASON-」よりオープニング。40年以上共に歌われてきたお二人が 
時折お互いを視線を交わしながら呼吸を合わせられる様子を見られるのもライブならではで、重みを感じる一幕でございました。

-アンコール- 
-MC-

 

拍手が続く中、堀江さんと水木さんが退場されたると、ステージ上が暗くなりバンドの皆さんもご退場。 
ほどなく拍手がアンコールを表す手拍子に変わり、しばらくしてステージが明るくって水木さんと堀江さんがご登場。

 

・水木さん「一番前のお客さん、オレの汗がかかっちゃうくらい近いよね」 
 堀江さん「あたしもだいぶアニキの汗をあびてますけどね」 
 観客笑。 
 水木さん「そうなの?」 
 堀江さん「そうよー。こっちからアニキー、こっちから影ちゃーん」  
 観客笑。 
 水木さん「でも堀江さんは一回だけ僕の汗を褒めてくれましたから。『1000曲ライブ』の時ね」 
 堀江さん「そうそう。もう沢山歌った後だったから、悪い成分が全部飛んでてね。キレイな汗でしたよ。 
     あたしが来る前に一緒に歌ってた人たちはどうだったのかって話なんですけどね」 
 観客笑。  
・水木さんのデビュー50周年は2018年の8月から2019年の8月まで。 
・堀江さんのデビュー50周年は2019年の8月から2020年の8月まで。

・ここでバンドの皆さんのご紹介。 
・ガンタさんに「なんで君だけ岩田"GUNTA"康彦でミドルネームがあるの? ガンちゃんって呼びやすいからいいけど」と水木さん。 
・村上さんはSuper Rescue BANDのベーシスト吉岡満則さんのお師匠さん。 
 堀江さん「やっぱりねー師匠がいいとね、弟子も成長するんだよねぇ」 
 ご自身のお弟子さんである貴日さんの所に向かう水木さん。 
 水木さん「……そうか?」 
 観客笑。 
・カッコイイ靴を履いて袖口がキラキラした服を着られている松尾さん。「いさおさんみたい」と堀江さん。 
・ギターを持ちながら歌う事である部分を隠したい水木さん。 
・水木さん「IMAJO君もそうだし、松尾君も、村上君もさぁ……オレもなんとか分からないようにしたい」 
 堀江さん「なんとか分からないようにしたいなら、痩せなさい」 
 観客笑。 
 水木さん「でも痩せると声が出なくなっちゃうんだよ」  
 堀江さん「どっちがいいの? 『痩せていて声が出なくなる』か『太っていて声が出る』か?」 
 水木さん「『太っても声が出る』」 
 堀江さん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」 
 観客笑。

26:ハピネス/水木一郎 堀江美都子 
-MC-

 

アンコールは堀江さんが遠藤さんと共に作詞、影山さんが作曲を手がけられた水木さんのデビュー50周年記念曲「ハピネス」。 
タイトル通りのハッピーな本曲を、今回はお二人が交互にひと節ずつ歌われる「ふたアニ」ならではの歌い分けで歌われていました。

 

・堀江さん「毎年お名残惜しいですけど、終わりのお時間です」 
 水木さん「ラストはあの曲です。松尾君が新しい曲を作ってくれないから……」  
 観客笑。 
 水木さん「ラストを『ハピネス』に替えちゃおうか?」  
 堀江さん「それはどうなのかしらね?」

 

27:Dear Friend/水木一郎 堀江美都子

 

「ふたりのアニソン」のラストはアルバム「Dear Friend」よりお二人のオリジナル曲「Dear Friend」。 
冒頭で水木さんが「ありがとう50周年!」堀江さんを指さし「来年50周年!」と一声。「来年、がんばりまーす!」と堀江さん。 
最後のサビの部分では、堀江さんの扇動で「Brother and Friend」の繰り返しを観客が担当する場面もありました。 
とても明るく素敵な楽曲なだけに、毎回ラストに歌われて少々せつなく名残惜しくなってしまいます。

 

曲が終るとガンタさんの合図でバンドの皆さんが再び「Dear Friend」サビ部分の演奏を繰り返し続けられる中、 
お二人は揃ってステージ向かって右、左、最後に中央とそれぞれでお辞儀をされ、その度に観客から拍手が贈られました。 
ラストは水木さんが堀江さんの手を取ろうとした所、堀江さんが水木さんとハグ。

その後、改めて水木さんが堀江さんの手を取られて退場されました。 

お二人が見送られた後も演奏は続き、バンドの皆さんに拍手が贈られる中、演奏の終わりに合わせて幕が降りていき、 
「水木一郎・堀江美都子 ふたりのアニソン♯16」は終演となりました。 

 

水木さん、堀江さんの歌とお話が作り出す雰囲気は穏やかで楽しく、年に一度、心が浄化される「ふたりのアニソン」。 
今回もアニメソング界を共に牽引し続けてきたお二人ならではの息の合ったデュエット、他では聞く事の出来ない楽曲はもちろん、 
個人的には「持ち歌取り替えっこバトル」が二曲ともとても好きな曲であったり、

スペシャルな演出で「キミの風」が聞けたりと感激する事多々でした。 

また、気の置けない間柄という事を垣間見る事が出来るトークも満載で、終始とても楽しく、時間が過ぎるのがあっという間でした。

 


補足

 

・プロ将棋界の「竜王」に座位する青年が主人公のアニメ「りゅうおうのおしごと」のイメージソングが歌われましたが、 
 くしくも当日、会場階下にある展示スペースでは将棋界最高位のタイトル戦「竜王戦」の展示がされいました。

 

・堀江さん「『ふたアニ』も16回目。『#16』ですよ」 
 水木さん「……今気づいたんですけど、オレ、今年デビュー50周年ですよね。それで『ふたアニ』は『16』。"いちろー"ですよ」 
 堀江さん「そういうのはすぐ気がつくんですね」 
 水木さん「そうですよ。誉めてくれないと」 
 堀江さん「ほんとだー。いちろーだー! すごーい! ……ほら、みなさんも一緒に驚かないと」 
 観客笑。

 

・「若い海」の思い出。ひとりだけ別の車だったり、水着が嫌だったり。

 

・堀江さん「『くちづけ』でステージに膝をついてお客さんに捧げるような感じで歌ったの?」 
 水木さん「捧げる感じで歌ったけど膝はついてないの。やろうと思ったんだけど、立てなかったらどうしようって思ったらコワくなって」 
 観客笑。

 

・それぞれの楽曲にお互いがコーラスとして参加されるというのもなかなかに貴重。

 

・「ラ・セーヌの星」でのフェンシングを思わせる殺陣を見た水木さん。 
 水木さん「いいよなぁミッチは画になるから。オレが同じ事やったらなぜか面白がられて笑われるんだよ」 
 堀江さん「それはそれで愛されキャラだよ」

 

・堀江さんは「ルパン三世」の「Lupin the Third」をリハーサル時に裏声を使っていたのを地声で歌う事にされたとか。 
 水木さん「それだけミッチの音域が広いってことなんですよね」 

 

・堀江さん「ソファで二人で一緒にいた後だと、なんかソロコーナーが寂しくなっちゃいますね」 
 水木さん「だってソロだもん。あたりめえじゃん。一人で歌うんじゃん」  
 観客笑。 
 堀江さん「……そういう答えを待ってたんじゃないんだよー。『そうだねー』って言ってほしいじゃないの」 
 観客笑。

 

・「リクエストバトル」でリクエストした楽曲がお互いが「サブマリン スーパー99」だったのは偶然だったとの事。 
 この年は「サブマリン スーパー99」放送から15年目という節目の年だったのも奇縁でございました。

 

・ジャズ界のキング、この年で御年92歳で現役のトニー・ベネットさんを目指す水木さん。 
 水木さん「この前出たCDを聞いても全然声が枯れないのね。オレも最年長歌手を目指したいね。声が出れば」 
 堀江さん「それは一緒ですね。声が出なくなったら辞めます。でもそれまで勉強、精進は続けていきますよ」

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