2025.04.01
「千晶と騒がNight」「ボイジャーソングライブ」追加
石原慎一 BIRTHDAY LIVE 2012 feat. LA FUNCA
12.5.26 StudioCube326 ARK
出演/石原慎一
コーラス/川島和子 風雅なおと 岡崎昌幸
演奏/LA FUNCA(Tr.Terry Sax&Flu.SHINYA Tb.MICHY G.JOE Ba.MiZ Dr.Moy Key.Midori)
来年2013年にデビュー30周年を迎えられる石原慎一さん。
「重甲ビーファイター」や「救急戦隊ゴーゴーファイブ」など特撮ソング、アニメソングを歌われているほか、
ソロボーカリストとしてはもちろん、コーラスを含めると、参加したレコーディングは5000曲以上。
ライブでの歌声のパワフルさとパフォーマンスのしなやかさは、多くのファンの心をわしづかみにされています。
石原さんは5月26日にお誕生日を迎えられ、その26日と翌27日の二日間にわたってバースデーライブを開催されました。
今回は一日目、26日のレポートです。当方、恥ずかしながら石原さんのソロライブは初めてでございます。
今までは比較的小規模な会場でのアコースティックライブをメインとされていたそうですが、
今回、デビュー30周年を前に、今まで多くのセッションをされてきたバンドLA FUNCAのみなさんと共に
バンドスタイルでのライブを開催する事になったそうです。しかもアニソンメインは珍しいとの事。
更に、数多くの楽曲でコーラスやスキャットを響かせている"女王"川島和子さん、
「電磁戦隊メガレンジャー」の主題歌を歌われているほか、石原さんとは旧知の間である風雅なおとさん、
様々なジャンルの楽曲に参加しているほか、スターダストレビューのサポートボーカルもされている岡崎昌幸さんという、
名うてのスタジオミュージシャンの皆さんがコーラスとして参加されるという、物凄く豪華なラインナップ。
会場は東京は田町にあるStudioCube326 ARK。
ケーブルテレビ「キッズステーション」で放送されているアニソン番組「アニぱら音楽館」の収録なども行われている場所ですが、
私達にとっては2008年に開催された串田アキラさんのソロライブ「魂のエンジン3」以来、実に4年ぶりの会場。
会場に入ると椅子席が用意されており、ステージ上にはバンドブースが。
BGMに声優さんの歌と思われる楽曲が流れていましたが、開演時間が近づくとおしゃれなBGMに。
開演時間を20分ほど過ぎた頃になると、LA FUNCAのみなさんが静かにステージに登場されました。
LA FUNCAのみなさんのセッティングが続く中、石原さん、コーラスのみなさんもご登場され、いよいよ開演です。
01:Get your body,Get your love
02:JUDGEMENT
03:オン・シュラ・ソワカ
-MC-
オープニングを飾るのは石原さんの1枚目のオリジナルアルバム「Voice Conscious」より「Get your body,Get your love」。
まず石原さんの都会的でスマートな歌声はもちろん、ホーンセクションとコーラスの厚みに感嘆。
続いては漫画「Compiler」のイメージアルバム「コンパイラ」より「JUDGEMENT」。シルキーな歌声にうっとりです。
がらりと雰囲気が変わり、アニメ「天空戦記シュラト」よりパワフルな挿入歌「オン・シュラ・ソワカ」。
原曲と比べてさらにパワーを感じさせる石原さんの歌声、バンドアレンジとコーラス。特に川島さんの迫力に圧倒されました。
・遅れてごめんね。
・石原さん「かけつけ3曲。明日までもつかなぁ? さっきリハーサルで全曲歌ったから、自分の中では"やりきった感"があるんですよ。
じゃあ、最後の曲です、聞いてください…」
観客笑。
・30周年を前に大きい所でライブをやってみよう。
・戦隊ヒーローはやっぱりホーンは欠かせないでしょう?
04:強殖装甲ガイバー
05:時の中を走りぬけて
06:戦え! レッドバロン
-MC-
本格的アニソンデビューであるOVA「強殖装甲ガイバー」よりオープニングと、劇場版アニメ「ウルトラマンUSA」のエンディング。
「ガイバー」は原曲の雰囲気を踏襲しつつも独特のアレンジがされていて、石原さんの歌声がミステリアスな歌声が相まり魅力的。
「時の中を」は石原さんのヒロイックな歌声はもちろん、あの豪華なホーンが生音で堪能できる嬉しさ。
続くアニメ版「レッドバロン」は当方世代でございますれば、言葉ではなかなか表せない嬉しさで聞き入っていました。
・石原さん「このブロックは初シリーズでした。初キングレコード、今はスターチャイルドかな? 初コロムビア、初VAP。
まぁVAPは『レッドバロン』以降は何もないんですけどね…」
・以前「スーパーヒーロー魂」に出演された際も話題に上がっていた風雅さんの健康面の話。
石原さん「でもね。風雅さんは最近、健康状態が良いんですよ。最近、金環日食があったじゃないですか? 一種の天変地異ですよ」
観客笑。
・石原さん「次のブロックは、いわゆる腐女子的な? 同人なんかでも結構歌ってますね。もう元祖コミケ歌手ですね」
07:SHAKE IT SHAKE
08:どうすればいい
-MC-
イメージアルバム/OVA「絶愛 -1989-」より「SHAKE IT SHAKE」と「どうすればいい」を連続で。
ムーディーな雰囲気の「SHAKE IT SHAKE」は石原さんとSaxのアドリブ的なセッションが印象深く、
続く「どうすればいい」では石原さんならではの甘美でせつない表現力の奥深さを堪能いたしました。
・石原さんがStudioCube326 ARKに来たのは串田さんのイベント「座談会」以来。
・串田さんに誘われていったブラジルで出会った「絶愛 -1989-」のCDを持っていた女の子の話。
・「おぼえてますか?」「おぼえてるというか、わすれられません」
・「時の中を」は時代を感じさせる曲。
・作家の中島梓さん(栗本薫さん)のお話。
09:お休み
10:Left My Heart in San Francisco (思い出のサンフランシスコ)
11:ALL OF ME (私のすべて)
-MC-
09年の5月26日に亡くなられた中島梓さんへの追悼を込め、中島さんの作品である「いとしのリリー」から「お休み」。
ピアノ伴奏のみでしっとりと、やらわらかに歌われる石原さんの世界観にぐいぐいと引き込まれる思いでした。
続いてはスタンダードナンバーよりTony Bennett版の「Left My Heart in San Francisco (思い出のサンフランシスコ)」と、
水木一郎さんもカバーされた軽快なスタンダードナンバー「ALL OF ME (私のすべて)」。
どこまでも甘く、伸びやかに歌われる石原さんにとろけるように酔いしれました。
・石原さん「50歳も過ぎてるとこういう雰囲気もいいよね」
・ここで改めてコーラスのみなさんをご紹介。
・川島さんとはかなり前からのお付き合い。
・岡崎さんはスタジオで会う機会はあっても一緒に歌うのは久し振り。
・風雅さんとはコーラスでタッグを組むのが一番多かった。
・石原さん「川島さんが参加してくれるならあのスキャットが聞きたいよね」
観客「ぉぉおおお」
石原さん「でも僕らではアノ『♪さらば~』の低音は出ないんだよね…今日は石塚君、来てるー?」
突然石原さんに呼ばれて客席から登場されたのはご友人の石塚勇さん。
石塚さんは現在、ザ・キングトーンズのバスボーカリストとして活動されている他、Vividsというグループでも活躍されています。
石塚さん「せめて一言いってくれないと…」
石原さん「ゴメンネ。後で一杯おごるからさ。もう歩いてるのは何でも使うのが石原ですから」
12:序曲/川島和子
13:宇宙戦艦ヤマト (1C)/石塚勇
-MC-
石原さんが見守る中、始まったのはアニメ「宇宙戦艦ヤマト」より「序曲」。川島さんといってまず思い浮かぶ名曲です。
間近でこの曲が聞ける嬉しさ。会場全体を包み込む川島さんのスキャットに、とにかく圧倒されっぱなしのまま「ヤマト」のオープニングへ。
石塚さんの魅惑の低音と川島さんによる本物のコーラス、そして風雅さん、岡崎さんのサポートはとても素晴らしゅうございました。
・他の方々は退場され、石原さんと川島さんお二人のみでトーク。
・「時の中を」のオリジナルコーラスは川島さん。
・石原さん「でも川島さんは昔から変わらないですよね。何かやってるでしょ?」
川島さん「何もやってないのよー」
石原さん「ホントに? つりあげたり、持ち上げたりとか?」
川島さん「してないわよー! 何かした方が良いのかしら」
石原さん「何もしないで可愛らしいままってのはいいですよね」
川島さん「そんなことないわよー。コーラス界の化石よ」
・川島さんも退場され、ステージ上は石原さんお一人に。
・コロムビアのディレクター故・小暮一雄さんのお話。
石原さん「『ウルトラマンUSA』から『重甲ビーファイター』くらいまで、小暮さんにはホントにお世話になりました。
あの頃は主題歌の他に挿入歌も沢山歌わせてもらって『ビーファイター』ではもう石原ソロアルバムになってます。
…亡くなられたのは49歳だったそうです……。
何年かのバースデーライブで関係者の方から『ちょうど今の石原さんの歳だったんだよ、小暮さん』って聞いて…。
今日は、あの頃のことを思い出しながら、カラオケで、当時と同じ音で『重甲ビーファイター』を歌いたいと思います」
14:重甲ビーファイター
15:今こそ勝利を
16:地球孝行
-MC-
特撮のメタルヒーローシリーズから「重甲ビーファイター」のオープニング、挿入歌、エンディングを連続で。
軽やかな身のこなしで一言一言を噛みしめるように、オープニング「重甲ビーファイター」を歌われると、バンドのみなさんが合流。
続くハードな石原さんのボーカルが心地いい挿入歌「今こそ勝利を」。まさかこの曲をバンドで聞けるなんて。コーラスも圧巻。
最後はアレンジの効いたエンディング「地球孝行」でクールダウン。
やさしく語りかける様な石原さんの歌声は直撃世代にはたまらないものがあります。
・「地球孝行」という曲の内容を初めてもらった時のお話。
・奥さん誰だっけ?
・よくできてますよね。
17:LA FUNCA ソロ/LA FUNCA
-MC-
ここで今回演奏を担当されているLA FUNCAのみなさんによるソロステージ。
それぞれのソロパートを交えながらの軽快な演奏はとても素敵。
後半のサックスとのSHINYAさんとトロンボーンのMICHYさんのセッションは迫力でございました。
・石原さんが再登場され、バンドのメンバーをお一人づつご紹介。
・石原さん「いよいよ最後のコーナーが近付いてきました。これを乗り越えればなんとかなります。
わりと新しめの曲を連続でやってみたいと思いますが、まずは『超剣戦隊ブレードブレイバー』。
深夜にやっていた『BAMBOO BLADE』というアニメの、劇中番組の主題歌なんですよね。
これをレコーディングした時は『もう二度と歌えない』と思うくらいのハードな曲だったんですけど、
ネットなんかで見ていると、一般の方が歌った動画をアップしてるんですよ。いわゆる『歌ってみた』ですね?
で、結構歌えてたりするわけですよ。くやしかったですねー」
観客笑。
石原さん「だから今回、ちょっとボクも負けられないなと。じゃあ、『石原慎一も歌ってみた』」
18:超剣戦隊ブレードブレイバー
19:俺流!! ゲキバイオレット
20:Keep the Faith
-MC-
新しめの曲の一曲目はアニメ「BAMBOO BLADE」より劇中特撮作品「超剣戦隊ブレードブレイバー」のオープニング。
まさか今回聞けるとは。とにかくハードなこの曲ですが、石原さんの歌声は「歌ってみた」所じゃない、迫真のものでございました。
続く「俺流!! ゲキバイオレット」は特撮作品「獣拳戦隊ゲキレンジャー」よりゲキバイオレットのテーマ。
原曲も石原さんのタフな歌声とホーンが魅力でしたので、今回、生のホーンで聞けたのは感激でした。
ラストは最新曲、PSP用ゲーム「グレイトバトルフルブラスト」よりエンディング。
河野陽吾さんの作のハードな曲調と石原さんの歌声が合わさると、えもいわれぬ格好良さ。希う一般CD化。
21:Cool Cool ダンディ
22:Jokeぐらい言わせろよ…
-MC-
石原さんが数々の楽曲を歌われたアニメ「DRAGON BALL Z」より「Cool Cool ダンディ」と「Jokeぐらい言わせろよ…」。
スマートで男前でミステリアスで、当方、大歓喜の「Cool Cool ダンディ」。続く「Jokeぐらい言わせろよ…」は作品の世界観とは
ちょっと異なるものの、ハードボイルドな男意気を感じる大人な楽曲。どちらも石原さんの魅力をたっぷり堪能できました。
・バンドアレンジのお話。
・石原さん「『Cool Cool ダンディ』と『Jokeぐらい言わせろよ…』は『DRAGON BALL』の曲の中でも勝手に名曲二選として歌いました。
『Jokeぐらい言わせろよ…』はこの歳になると、曲の世界を改めて感じる事ができるんですよ」
23:救急戦隊ゴーゴーファイブ
24:仮面ライダーAGITO
ラストは石原さんの代表曲ともいえる特撮「救急戦隊ゴーゴーファイブ」と「仮面ライダーAGITO」のオープニング。
石原さんはしなやかかつパワフルな歌声でスマートにパフォーマンスされ、
ステージの端から端へと移動しながら、観客へマイクを向けたり。
二曲とも「スーパーヒーロー魂」などで比較的聞く機会が多い曲ではありますが、ホーンセクションが加わっていたり、
コーラスがより全面に押し出ているアレンジがされていると、趣きが違って感じられ、とても興味深かったです。
-アンコール-
-MC-
石原さん、バンド、コーラスのみなさんが退場されると、観客の拍手がアンコールを示す手拍子に変わります。
しばらくすると石原さんお一人がご登場されご挨拶。
石原さん「50をそこそこ過ぎても自分の中ではあんまり変わらない気持ちでいるんですけど、鏡を見るとね…」
コーラス、バンドのみなさんも合流され、石原さんはお一人お一人とトーク。
石原さん「最近はほとんど打ち込みの曲が多いけど、やっぱり人間がやらないとねー? 風雅さん!?」
風雅さんは歌声合成ソフトVOCALOID「KAITO」の声を担当されています。
風雅さん「!!!? ……ねぇ、そうですよねぇ?」
石原さん「ほら、あのVOCALOID的な話ですよ」
風雅さん「ああ、そっかそっか。今、完全に不意打ちだったから適当に応えてた」
25:Rainy daysを閉じこめて
26:愛しているよ
アンコール一曲目は2枚目のオリジナルアルバム「POSITIVE GROOVER」より「Rainy daysを閉じこめて」。
軽快な楽曲とポジティブではつらつとした石原さんの歌声は、アンコール一曲目にピッタリ。
ライブの締めくくりは「Voice Conscious」より、石原さんが作詞と作曲をされた「愛しているよ」。
シンプルだからこそストレートに伝わる曲調と、やさしく包み込むような歌声は素敵の一言でした。
石原さん「Thank you!! また会いましょう!! ありがとう!!」
鳴り止まない拍手の中、バンド、コーラスのみなさんが退場され、
観客から花束をお送られた石原さんがご挨拶をされ、「石原慎一 BIRTHDAY LIVE 2012 feat. LA FUNCA」一日目は終演となりました。
初体験の石原さんのソロライブは全編「カッコいい」の一言。
硬軟自在な歌声はもちろん、軽やかなパフォーマンス、スマートな話術、どれをとってもカッコよく、とにかく素敵。
バンドのみなさんのアレンジも、コーラスのみなさんの圧倒的な存在感も、素晴らしうございました。
石原さんお誕生日おめでとうございます!
これからも素敵な歌声で私達をとろけさせてください。
飛び入りゲスト/石塚勇
補足
・会場内には各業界から送られたお花が。その中に「さんまのSUPERからくりTV 第8回芸能人替え歌王決定戦SP」のお花も。
・当日配布されたチラシには石原さんからの感謝の言葉がつづられたメッセージも同封されていました。
・30周年もこの座組みでやりたい。
・ホーン隊がいるだけでライブの表現の幅というのは広まるもの。AJF系ライブもホーン隊を導入して頂けないものでしょうか。
・石原さん「30年とはいえ、自分では淡々と歌ってきただけなんですけどね。あっという間の30年でした。
本当に様々な作家さん、作曲家さんの曲に参加させてもらいました。
風雅さんとも話していたんですけど、プロフィールにこれまで5000曲位レコーディングしたって書いていたんだけど、
あれ、本当は10000曲はいってますよね?」
風雅さん「うん、軽くいってるよね」
・石塚さん「最低音ですから」
・石原さん「石原も意外なところで竜童組ですからね」
・マウスピースの弊害は無いですね?
・石原さん「しまった、今日のライブ、高取君に電話するの忘れたっ! 『絶対行きますよ』って言ってくれたのになー、高取、悪ぃ!」
・「ゴーゴーファイブ」の振り付けが完璧だった岡崎さん。
・石原さん「30年近くやってると色々なあります。ほんとに色々。人生って面白いよね」