2025.04.01
「千晶と騒がNight」「ボイジャーソングライブ」追加
たいらいさお デビュー35周年 "ありがとう! コンサート"
11.5.29 かめあり リリオホール
出演/たいらいさお
友情出演/たかさご女声合唱団 合唱同好会かつしかジョイフルハーモニー
葛飾区区長/青木克德
演奏/Pi.田中修二 Flu.鈴木真紀子 Cell.中田有
たいらいさおさん。
アニメファンには「復活のイデオン」や「銀河旋風ブライガー」などの主題歌で知られ、
ANIME JAPAN FES系列のライブでは「へーちゃん」の愛称で親しまれ、
NHK「おかあさんといっしょ」の三代目うたのおにいさんとして活動された事をきっかけに、
現在は数々の童謡、抒情歌、唱歌、こどものうたを歌うコンサートを中心に活躍されています。
そんなたいらさんがデビュー35周年を記念したコンサートを開催されました。
会場はかめあり リリオホール。
亀有駅南口を降りてすぐにあるイトーヨーカドーの9階にあるイベントホールです。
会場前に着くと、すでに多くの観客が列を作っていました。入場開始後、座席はすぐにほぼ満席に。
入場すると今回のコンサートの演目やたいらさんからのご挨拶が書かれているパンフレットが配布され、
裏面には唱歌「故郷」の歌詞が記載されていました。
ステージには緞帳が降りていました。
そろそろ開演時間という頃になると葛飾区区長・青木克德さんがご登場されご挨拶。
たいらさんは現在葛飾区在住という事で、区政の会議やイベントなどの司会進行も担当されており、
地域のボランティアにも積極的に参加されているとのことでした。
青木区長が退場されるといよいよ開演です。
第一部
01:大きな古時計
-MC-
拍手の中、幕が上り、オレンジ色のスーツ姿のたいらさんが歌うは「大きな古時計」。
のびやかで、どこか切なさを感じさせるたいらさんの歌声がとても魅力的です。
たいらさん「こんにちはー!」
観客「こんにちはー!」
たいらさん「おかげさまで35周年を迎える事が出来ました、ありがとうございます!」
ここで今回演奏を担当される田中さん、鈴木さん、中田さんをご紹介。
たいらさん「『大きな古時計』は『おかあさんといっしょ』のオーディション曲のひとつでした。
その後も、僕のコンサートでよく歌っている思い出深い曲です。
うたのおにいさんを担当してから今もお子さんをだましだまし"おにいさん"で通しています」
会場笑。
たいらさん「ずっと歌っていても難しいのは童謡です。ですが、楽しいのも童謡なんですね」
ありがとう! 童謡
02:サッちゃん
03:あめふりくまのこ
-MC-
まずは、たいらさんが現在活動の基盤にされている童謡のコーナーから。
たいらさんの"はつらつ"と"さびしさ"の両方の歌声を堪能できた「サッちゃん」。歌詞をジェスチャーで表現されていた「あめふりくまのこ」。
どちらも幼少期より聞き親しんだ曲でしたので、たいらさん版で聞く事が出来たのはとても嬉しかったです。
04:夕方のおかあさん
-MC-
続いての「夕方のおかあさん」では、たいらさんの扇動で、歌詞の「ごはんだよ」という部分で観客との"やまびこ"が。
こういった観客参加型の曲があるというのも童謡の楽しい所です。
たいらさん「数少ない歌う機会を活かしてください」
たいらさん「童謡を歌って少ししてからアニメソングを歌うようになりました。
僕が歌った作品は、いわゆるロボットが出てくる作品が多いのですが、
中でも『復活のイデオン』という曲はその年のに『アニメージュ』という雑誌で
1980年の上半期ベスト1に選ばれた、思い入れのある曲です」
ありがとう! アニソン
05:復活のイデオン
-MC-
ジャケットのボタンをあけつつはじまったアニメソングコーナー。
まず最初はたいらさんアニソンの代表曲「伝説巨人イデオン」のオープニング。
特に二番の冒頭は、たいらさんご自身が特に好きだという事で、とても心を込めている様子でした。
たいらさん「ロボットアニメはスーパーロボット、略してスパロボというのですが、
スパロボの歌だけで、水木のアニキを中心にライブを行っているんですね。
今回はそういったスパロボの歌を集めたメドレーをお届けします!」
06:アニソンメドレー
~トライダーG7のテーマ (1C)
~銀河旋風ブライガー(1C)
まずはアニソンデビュー曲「無敵ロボ トライダーG7」オープニング。
たいらさんの序盤のコミカルさとサビでのハリのある勇ましい歌声がたまりません。
続いては前口上も粋な「銀河旋風ブライガー」オープニング。
濁声を織り交ぜたたいらさんの爽快な歌いっぷりはいつきいても素敵です。
「ひかえい! ひかえい! こちらにおわすお方はミト王子にあらせられるぞ!! 頭が高い。ひかえおろう!!」
~最強ロボ ダイオージャ(1C)
~ヨカッタネ宇宙(1C)
-MC-
なんと思わぬ生台詞。たまりません。「最強ロボ ダイオージャ」オープニング。
たいらさんの軽やかな振り付けも見所。おそらく10年ぶりに聞く事が出来ました。
そしてミラーボールがきらめく中、ラストは「ダイオージャ」エンディング「ヨカッタネ宇宙」。
SRSでも効く事が出来なかった曲で、是非今回聞きたかった曲だけにもう大感激です。
たいらさんのやわらかな歌声は童謡の時のそれに通じる所があり、のびのびとしていて素敵でした。。
たいらさん「今も新しい童謡、創作童謡を生み出す運動が続いています。
童謡抒情歌と申しましょうか、次はそういった曲をお届けします」
ありがとう! 抒情歌-1-
07:山がすき海がすき
08:朝の光がまぶしい時は
-MC-
新しい童謡、抒情歌コーナーの最初は、屈託がない歌詞が印象的な「山がすき海がすき」。
たいらさんの歌に合わせて、背後の照明が一番は山並、二番は海原になっていました。
「朝の光がまぶしい時は」は優しさがあふれる歌詞そのままに、優しく柔らかに表現されていました。
たいらさん「『朝の光がまぶしい時は』は小学校6年生、中学校1年生の教科書に掲載されています。
こうやって子供達が歌ってくれるのはとてもうれしいですね」
09:風をください
-MC-
「誰にでもふるさとはあります」というたいらさんの語りが最初に入りはじまった「風をください」。
歌詞も、たいらさんの歌声も、文字通り郷愁を誘う趣きのある楽曲で、心に沁み入るようでした。
たいらさん「葛飾に住んで30年、第二の故郷です。皆さん行かれた事ありますか…といってもそこから来たんですものね」
会場笑。
たいらさん「いい所ですよ。僕は寅さんには会った事ないですけど、亀有の派出所には『こち亀』の両さんもいますし、
立ち飲み屋さんも沢山ありますし、モツもおいしいですね」
ここで葛飾区を中心に活躍されている合唱団の方々が友情出演。
まずはたかさご女声合唱団の皆様がご登場され、たいらさんはいったん退場されました。
ありがとう! ふるさと葛飾
10:春の川で/たかさご女声合唱団
11:朧月夜/たかさご女声合唱団
-MC-
たかさご女声合唱団の皆様は「春の川で」と「朧月夜」でお祝いに華を添えます。
こういった曲をコンサートで聞く機会も少ないので、じっくりと、ゆったりと聞かせていただきました。
たいらさん「わんわん!!」
犬のお面を頭につけたたいらさんがご登場。たかさご女声合唱団のみなさんも猫のお面を頭に。
たいらさん「これはこれは、猫のおば…じゃない、迷子の子猫ちゃん達ー!」
12:犬のおまわりさん/& たかさご女声合唱団
-MC-
ここで合唱団の皆さんと一緒に「おかあさんといっしょ」の定番曲である「犬のおまわりさん」。
コミカルなたいらさんとたかさご女声合唱団のみなさんとの掛け合いがとてもチャーミング。
カラスやスズメのお面を付けられている方もいらっしゃる所にこだわりを感じました。
たいらさん「いっぱいいておうちがどこかわからないですね。
だいたいあっちの方におうちがあるらしいので、みなさんあっちに退場してくださーい!」
おにいさん的にたかさご女声合唱団の皆さんがご退場。
たいらさんは犬のお面をとられ、続いても葛飾区を中心に活動されている混声合唱団、
合唱同好会かつしかジョイフルハーモニーのみなさんがご登場。
13:遥かなるサンタ・ルチア/合唱同好会かつしかジョイフルハーモニー
14:荒城の月/合唱同好会かつしかジョイフルハーモニー
-MC-
合唱同好会かつしかジョイフルハーモニーの皆さんが歌われたのは「遥かなるサンタ・ルチア」と「荒城の月」。
二曲とも男声を交えた事で、より一層哀愁漂うメロディがとても味わい深かったです。
再びたいらさんがご登場。
たいらさん「第一部の最後は観客のみなさんと共に『故郷』を歌いたいと思います。
パンフレットに歌詞が書いてありますので、よろしければご一緒に」
15:故郷/& 合唱同好会かつしかジョイフルハーモニー 観客
先の東北地方太平洋沖地震の被災地の方々も勇気づけられた曲という説明があり「故郷」へ。
客席全体を暖かな眼差しで見渡しながら歌われているたいらさんが印象的でした。
「故郷」の後奏が流れる中で幕が降り、しばらくの間、休憩時間。
~休憩~
第二部
ありがとう! 故郷佐世保
16:ふるさとは
17:美しき天然
-MC-
第二部の幕が開き、銀のスーツ姿のたいらさんがステージ後方に。ステージにはベンチがセッティング。
第一部の「故郷」からつながる形でご自身が作曲された故郷への想いが詰まった「ふるさとは」から。
続いて「ふるさとは」とはまた違った精悍な印象のたいらさんの歌声が魅力の「美しき天然」。
たいらさん「第二部の初めは僕の故郷である長崎県佐世保を歌った2曲からはじめました。
『ふるさとは』は佐世保を歌った新しい歌なのですが、
『美しき天然』はチンドン屋さんが歌われているのでお馴染みですね。
この曲はもとは私立佐世保女学校の先生が作られた曲でして、日本で最初の抒情歌と言われています」
たいらさん「先の東北地方太平洋沖地震でお心、お体に傷を負われた方が多いと思います。
時期は今ではないかもしれませんが、僕にできる事は歌です。歌で元気になって欲しいと考えています。
そんな思いを込めて次にお届けする『夕やけのうた』はとても勇気づけられる曲です。
そして『はなのうみ』は福島県平沼で作られた曲です。歌の景色は今、見る事ができませんが、甦る事を信じています」
ありがとう! 抒情歌-2-
18:夕やけのうた
19:はなのうみ
20:悲しくてやりきれない
ピアノの横にあったマイクスタンドをたいらさんご自身でセッティングされ、二度目の抒情歌コーナー。
「夕やけのうた」は歌詞、たいらさんの歌の雰囲気や言葉がどこか物悲しくも、力づけられている思いでした。
続く「はなのうみ」は好対照にしなやかで温和なたいらさんの歌声と歌詞が胸に染みました。
「悲しくてやりきれない」は1番をチェロのソロでメロディが奏でられ、たいらさんはベンチに座って歌われていました。
21:こだまでしょうか
-MC-
たいらさんが公共広告機構・ACのCMでも話題になった金子みすゞさんの詞をゆっくりと朗読された後、
しっとりとしたメロディにのせて歌われていました。このコーナーはたいらさんの震災への思いが詰まっているようでした。
たいらさん「兄の平浩二には学生時代から世話になりましたが、僕は6人きょうだいの末っ子なんですね。
姉が4人いるんですけど、名前を言っても無駄なので、言いません」
会場笑。
たいらさん「言っても私事ですので。でも我が家ではいつも童謡や唱歌が歌われている家庭でした。
改めて思うと、今、自分が童謡を歌っているのは、家族からの影響もあるんだと思います。
童謡もいいですが、今の自分の気持ちを歌うというのも、一種の大人の童謡ともいえます。
続いてはそんな曲を『思いついた日にバラの花』という愛の抒情歌です。
男というのは不器用なもので、長年一緒に連れ添った奥さんに感謝を言えないものです。
1番はそんな不器用な男の人、2番は奥さんからのアンサーソングになっています、さて三番はどうなるか………?」
何やらステージの脇からたいらさんへ向けて声が。
たいらさん「…こう見えても、緊張しておりまして。段取りを間違えてしまいました。
この曲の前にもう一曲ありました。思いっきり笑っていただいて結構です」
観客笑。
たいらさん「…では…次の曲は大好きな曲で『吟遊詩人のように』。
心を込めて歌います」
ありがとう! 人生
22:吟遊詩人のように
-MC-
思わぬミステイクがあったものの、続いてはたいらさんのオリジナル曲「吟遊詩人のように」。
異国情緒を感じさせるたいらさんの歌声はアニメソングや童謡とはまた違っていて魅力的でした。
たいらさん「…次の曲はコメントはございません。先程、言いつくしてしまいました」
観客笑。
たいらさん「アドリブは大好きでして、喋ろうと思えば喋れるのですが、舞台監督が一生懸命"巻き"のサインを出しています。
ですので、ご興味がおありの方はぜひ、ライブにお越し頂けると幸いです。
続いては『思いついた日にバラの花』という愛の抒情歌です。
男というのは不器用なもので、長年一緒に連れ添った奥さんに感謝を言えないものです。
1番はそんな不器用な男の人、2番は奥さんからのアンサーソングになっています、
さて3番はどうなるか………?」
23:思いついた日にバラの花
-MC-
たいらさんご自身が作曲された、長年共に過ごしてきたご夫婦を歌われた「思いついた日にバラの花」。
1番、2番共表情や、身振り手振りで情感たっぷりに歌われていました。件の3番は暖かな内容でした。
たいらさん「やはり男の人というのは不器用な人が多く私もその一人です。
さて、続いては旅の思い出を手紙に書いたという趣きの曲です」
24:ちいさな旅の思い出
-MC-
思い出を語る歌詞とほのぼのとしたたいらさんの歌声が趣きを感じさせる「ちいさな旅の思い出」。
独特の歌詞の区切り方が印象的で、とても味わい深く聞き入らせていただきました。
たいらさん「いよいよ最後のコーナー、残す所あと2曲となりました。
35周年は今まで。今日からはまた新しい気持ちで進んでいきます!」
25:今日からはじまる
曲がはじまるとステージから客席に降り、客席を周りながら歌われてたたいらさん。
ご自身の35周年に重なる様な前向きな楽曲でした。最後は圧巻のロングトーンを披露されました。
たいらさん「今日は、こんなに多くの皆様にお会いできてうれしかったです! ありがとうございます!」
26:ありがとうさようなら
-MC-
コンサートの中から生まれたという、たいらさんご自身作曲のオリジナル曲「ありがとうさようなら」。
シンプルな歌詞だけに、たいらさんが込められたメッセージの暖かさをじっくりと聞き入りました。
曲が終わると再び観客から多くの花束や贈り物、お手紙が渡され、
たいらさんお一人では持ち切れなくなり、セットのベンチへひとまず置かれていました。
たいらさん「ありがとうございます。渡しそびれた方はいらっしゃいませんか?」
観客笑。
たいらさん「アニソンファンの方も多くいらっしゃってくれたようでありがとうございます。
アニメソングもまだまだたくさん歌っていきますので、抒情歌も楽しんでくださいね。
…アンコールとしてもう一曲、歌わせていただきたいのですが、
この曲は、2年ほど前、障害者の方々へ向けてのイベントの為に作ったアルバムの中に収録されている曲で、
不肖、私が曲を書かせていただきました。今、こういう時にぴったしで、この曲が持つ意味を考えさせられます。
聞いてください。『命のなかま』」
-アンコール-
27:命のなかま
「たいらいさお デビュー35周年 "ありがとう! コンサート"」のフィナーレを飾るのは「命のなかま」
たいらさんが情緒たっぷりに歌われるメッセージは、先の東北地方太平洋沖地震の事もあり、
命の大切さを改めて考えさせられ、その意味合いは深いものがありました。
鳴りやまない拍手の中、たいらさんが改めて演奏の皆さんをご紹介されました。
たいらさん「35周年、これで締めくくりですが、また、これからが出発です。
よろしくお願いします! 今日はありがとうございました!!」
後演と拍手が続く中、たいらさんが深々とお辞儀をされ、ステージの幕が降り
「たいらいさお デビュー35周年 "ありがとう! コンサート"」は終演となりました。
童謡や叙情歌は現在のたいらさんの音楽活動のメイン。
味わい深い曲の数々を、のびやかに、感情豊かに表現されるたいらさんの歌声は、
アニメソング系のライブでのステージとはまた違った魅力に満ち溢れていました。
たいらさんの癒しの歌声、表現力の奥深さをじっくりと堪能させていただきました。
たいらさん35周年おめでとうございます。
補足
・タイトルにもある「ありがとう!」という言葉を幾度となく言われていたたいらさん。
・会場に届けられた数々のお祝いのお花の中に、MIQさんやしゅうさえこさんからのお花もありました。
・たいらさん「僕のアニソンで育った世代は今や世界を支えている人達ですね」
・終始たいらさんのスマートなジョークで和やか。
・舞台照明の演出が第一部は朝から昼、第二部は夕方から夜という演出になっていました。
・地域の合唱団の方々と一緒に歌われるというのも、たいささんの葛飾への思いの深さを感じました。
・終演後の会場ロビー外に出ると、観客の一人一人と握手、言葉を交わすたいらさんのお姿が。
終始、感謝の言葉を述べられていたお姿に35年の重みを感じた思いです。