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ダブル・ファンタジー
24.2.10 江古田マーキー

出演/宮内タカユキ さかもとえいぞう

演奏/カラオケ AG.さかもとえいぞう



スーパー戦隊シリーズの特撮「超電子バイオマン」でアニメソングデビューされ
以降、仮面ライダーシリーズの特撮「仮面ライダーBLACK RX」、レスキューポリスシリーズ三部作など
これまで数多くのアニメ、特撮、ゲーム、漫画のイメージソングを歌われている中、
2011年末に小脳梗塞を発症。2012年に緊急入院されて以降、後遺症と向き合いながら
日本全国各地で精力的にライブ活動を行われている宮内タカユキさんと、
ANTHEM、練馬マッチョマン等のバンド活動を経てアニメソングをへヴィメタルにアレンジした
へヴィメタルバンドANIMETALのボーカルを担当され、一躍世間の注目を浴び、
アニメソングらしいアニメソングを歌い作っていくユニットJAM Projectの旗上げに参加されて以降
ANIMETALのソロプロジェクト版ともいえるEIZO Japanや再び練馬マッチョマンやUNCHAINED、
EIZO Fantasiaなどのバンドで日本全国はもちろん、海外でも精力的に活動されているさかもとえいぞうさん。

2月4日に宮内さん、2月23日にえいぞうさんとそれぞれ2月にお誕生日を迎えるお二人がツーマンライブを開催。
お二人は2011年に高取ヒデアキさん率いるバンドZ旗の皆さんを交え
更に司会にショッカーO野さんを迎えて大阪で開催されたスリーマンライブ
「GREAT ANISON SINGERS ~熱き魂の勇者達~」以来、実に13年ぶりに共演されるという事で
どういった内容になるのかとても楽しみにしておりました。

会場は東京の練馬区江古田にある老舗ライブハウス江古田マーキー。
アメリカンビンテージを感じる装飾や写真やレコードなどが展示されている店内は、
ロッド・スチュワートさんの楽曲がBGMとして流れており、とても落ち着いた雰囲気。
基本的に木目の壁面で、ステージとバーカウンターの向かい側の壁は鏡面の箇所がありました。
客席は椅子席で、所々に机が設置されており、客席後方は木のベンチになっておりました。

ステージ上には常に設置されていると思われるキーボードやスピーカーの他、
壁面に店名の「marquee」のオブジェに青い電飾が飾りつけられていました。
マイクスタンドがステージ中央に設置され、その付近に譜面台とアコースティックギターが用意されていました。

いよいよ開演時間になると会場内の照明が暗くなっていき、BGMが小さくなると
えいぞうさんがステージにご登場。観客の拍手を受けながらアコギを携え譜面をセットされていました。

えいぞうさん「よろしくお願いします。素敵な夜にしましょう」

01:Shout! Smile! Shine/さかもとえいぞう
02:Sweet Romancer/さかもとえいぞう
-MC-


「ダブル・ファンタジー」まずはえいぞうさんのコーナーからスタート。
一曲目はアルバム「さかもとえいぞう ゴールデンヒッツ」「アコギハンサムマン1」より「Shout! Smile! Shine!」。
挨拶代わりにアコギをかき鳴らしてポジティブながらもどこか哀愁感じる歌声を披露されると、
続いてはタイトルコールからアルバム「アコギハンサムマンⅡ」より「Sweet Romancer」へ。
えいぞうさんののびやかな歌声が魅力的でスペイン語も交えながらせつなくも情熱的に歌われました。

・改めてえいぞうさんよりご挨拶。
・練馬区在住のえいぞうさんは江古田マーキーをホームグラウンドにライブ活動中。
・宮内さんとライブが出来て光栄というお話をされていた所、江古田マーキーのスタッフさんより
サプライズでバースデーケーキのプレゼント。
・さらにスタッフさんよりケーキについたロウソクの消すシーンの観客による写真撮影がOKというアナウンス。
・ロウソクの火を消されたえいぞうさんに観客から拍手が贈られていました。
・えいぞうさん「あんまり祝われるのがなれていないんですよ。ありがとうございます」

03:NEKONIN/さかもとえいぞう
-MC-


えいぞうさんが作詞作曲され本澤統世さんと佐藤夢香さんのユニット「YUMETOYO」が歌われたドラマ「猫忍」のオープニングをセルフカバー。
しなやかなで抒情的な歌いぶりは、アコギ一本の演奏というシンプルさも相まってより一層味わい深かったです、

・えいぞうさん「今、歌いながら何を考えていたと思います? ……なんでさっきロウソクの火を一息で消せなかったんだろう……」
観客笑。
えいぞうさん「ボクね、一度も一回で消せた試しがないんですよ。残念な事にこう見えて割と健康なんですよ。
       体の健康を保つ為にプールとか行って水中歩行とかしてるんですよ。でも一息で消せたことが無いんです」
観客笑。
えいぞうさん「……来年も挑戦しましょう」
観客拍手。

04:Sunkist man/さかもとえいぞう
-MC-
05:曖昧存在/さかもとえいぞう
-MC-


続いてはえいぞうさんが歌われたのは、CDなどのではまだ未発表のオリジナル楽曲「Sunkist man」。
宇宙的なせつなさの中にえいぞうさんならではの言葉選びとメロディで、独特の雰囲気で存在感のある曲でした。
このライブの数日後のお誕生日で還暦を迎えられるというお話をされた後、新曲「曖昧存在」を初披露。
どこか還暦を迎えられるご自身を鼓舞するような内容の歌詞が印象的で、静かな情熱を感じる一曲でした。
 
・江古田マーキーでは元H2Oのなかざわけんじさんや元CCBの関口誠人さんなど
様々なアーティストさんと一緒にライブをやられていたえいぞうさん。次回は元DUOの高田エージさんとのツーマンライブを予定。
・えいぞうさん「先輩とか名のある方のブッキングって苦手なんですけど、ボクはおねだり上手なんですね。
       そんな時は強い人にお願いすればいいんだと。例えば江古田マーキーのマスターとかね」
観客笑。
えいぞうさん「高田さんはボクの出身高校の二つ上の先輩なんですけど、DUOというグループの方で
       皆さんご存知の所で言うと影山ヒロノブさんのLAZYの弟分みたいな方だったんですよ。
       そんなキラキラした方がボクの高校にいて、当時はその様子をブラウン管で見ていました。
       ぜひ一緒にやりたくて江古田―マーキーさんを通してお話させていただきました。
       いろんな方との出会いがございますが、今日は久しぶりに宮内さんとご一緒で来た事はとても光栄です」

06:茜色/さかもとえいぞう
-MC-
07:FOREVER YOUNG/さかもとえいぞう


アルバム「メタルハンサムマン」収録で後にご自身のアコギユニット「昭和ハンサムマン」でもカバーされている「茜色」。
優しく元気づけながらどこかさびしげま感じが魅力の本曲を今回約13年振りに聞く事が出来、とても嬉しかったです。
なぜかひそひそ声でご挨拶をされつつ、ソロコーナーのラストはアルバム「メタルハンサムマン4 FOREVER YOUNG!」より表題曲。
軽快な曲調の中、歳を重ねる事と今をポジティブに歌われるえいぞうさんの世界観はなんともハンサムで素敵でした。


~休憩~

観客から拍手が贈られる中、えいぞうさんが退場され、ここで10分ほどの休憩時間。
休憩中にステージではスタッフさんが譜面台や椅子などを片付けられていました。
そろそろ休憩時間が終わる事になると照明が暗くなっていき、BGMが小さくなっていって後半のスタートです。

08:Blue Togetherness/宮内タカユキ

宮内さんのコーナーはこの年に放送40周年を迎えた特撮「超電子バイオマン」より挿入歌「Blue Togetherness」から。
ファンからの人気も高い本曲を宮内さんは鋭いまなざしで、シリアスに歌われていました。

・宮内さん「もう2月になったけど、オレにとって今年は今日が初ライブなんだよね。改めて、今年もよろしくね」
観客拍手。
・今回の宮内さんのコーナーは「特撮・アニメソング祝40年」をテーマに選曲。
・特撮「超電子バイオマン」40周年のお話。 
宮内さん「オレにとって特撮のデビューだからね。40年前に『バイオマン』を歌っていなかったら
     この世界にいなかったし、みんなとも会わなかったんだよね。
     今日はみんなと一緒に40周年をお祝いしたくて『Blue Togetherness』からはじめました」

09:超電子バイオマン/宮内タカユキ
10:カラフル・バイオマン/宮内タカユキ


続いて宮内さんが歌われたのは前途の様に放送40周年を迎えた特撮「超電子バイオマン」オープニング。
近未来的な中に神秘的な印象のある本曲を宮内さんはしっかりとした歌いぶりで力強く披露されると、
続いても「バイオマン」より挿入歌「カラフル・バイオマン」。久し振りに聞く事が出来ました。
宮内さんは随所に観客の合いの手やコーラスを受けながら、独特のガナりを交えて歌われていました。

・宮内さん「『バイオマン』は40年前だけど曲も詞も爽やかだよね。40年前の宮内君も若いね」
観客笑。
宮内さん「『『カラフル・バイオマン』はそれまでに歌っていた曲には無い世界で、とっても新鮮でした。
     番組の放送開始がオレの29歳の誕生日だったのも嬉しかったね」

11:俺達バイオマン/宮内タカユキ
12:バイオロボの歌/宮内タカユキ


40周年のお祝いコーナー。続いても特撮「超電子バイオマン」より「俺達バイオマン」。本曲も久し振りに聞けました。
軽快な転調が心地よい本曲を歌われる宮内さんはとても好調なご様子でノリノリで歌われていました。
続いては「バイオマン」にとって発進音も勇ましく欠かせない存在である電子合体バイオロボのテーマへ。
ハードな本曲を歌われる宮内さんに合わせて観客も「バイオ」を連呼すると、宮内さんは笑顔を見せられていました。
最後は宮内さんが「スーパーメーザーバイオ粒子斬り」をご披露されると観客から歓声が起こっていました。

・宮内さん「やっぱり合体ロボはカッコイイよね。歌っていて気持ちいんだよね。
     この世界に入ってからガンガンレコーディングできるのが嬉しくかったなぁ。
     『バイオマン』の後にアニメソングを初めて歌ったのがロボットアニメでね。
     渡辺宙明先生の曲だったんだけど、その頃は先生の偉大さを知らなかったんだよね。
     『あぁ、渡辺宙明先生っていうんだぁ、凄い人なんだ』くらいに思ってましたね」

13:ビデオ戦士レザリオン/宮内タカユキ
14:シャイダー・ブルー/宮内タカユキ


ここで「バイオマン」と同じく放送開始40周年を迎えるアニメ「ビデオ戦士レザリオン」オープニング。
前途の故・渡辺宙明先生作曲の本曲を一語一句しっかりと歌われている宮内さんのお姿が印象的でした。
同じく宙明先生楽曲で放送開始40周年を迎える特撮「宇宙刑事シャイダー」より挿入歌「シャイダー・ブルー」。
宮内さんの歌声が優しく、サビの伸びやかさがなんとも晴れやか爽やかで心地よく、浄化されるようでした。

・宮内さん「40年前の作品でもまったく古く感じないよね。そういえば、この頃には悪の歌も沢山歌ったけどイイよね。
     レコーディングが楽しくなってきた頃に宮内青年にきた曲だったから嬉しかったね」

15:バイオミック・ソルジャー/宮内タカユキ

宮内さんのソロコーナーのラストは40周年お祝いの締めくくりとして特撮「超電子バイオマン」よりエンディング。
観客も軽快に手拍子や合いの手を行う中、宮内さんはゆっくりとステップを踏みながら弾むように歌われていました。

・宮内さんが「バイオマン」でご自身が歌われた楽曲を全曲ご披露されたというお話をされていると
江古田マーキーのスタッフさんよりサプライズでバースデーケーキのプレゼント。
・さらにスタッフさんよりケーキについたロウソクを吹き消すシーンの観客による写真撮影がOKというアナウンス。
・ロウソクの火を消された宮内さんに観客から拍手が贈られていました。

・ここで昭和歌謡を一曲という事で、宮内さんがえいぞうさんをステージに呼びこまれました。
・えいぞうさんが登場され、譜面台と譜面の入ったファイルをご準備中。
宮内さん「えーちゃん、カッコイイよね」
観客拍手。
ここでえいぞうさんの手が滑ってしまい、ファイルを落としそうになってしまいました。
えいぞうさん「カッコワルイよねー」
観客笑。
・宮内さん「えーちゃんと一緒にやろうと思ったのは、オレが小学校の頃に初めて聞いて大好きだった曲。
     グループサウンズでショーケン(故・萩原健一さん)がいたザ・テンプターズの『今日を生きよう』です」

16:今日を生きよう (Let's live for today)/宮内タカユキ さかもとえいぞう
-MC-


宮内さんとえいぞうさんが歌われたのはザ・テンプターズのシングル「忘れ得ぬ君」のカップリング「今日を生きよう」。
アメリカのバンド、グラス・ルーツの曲を日本でテンプターズがカバーした本曲をお二人版で聞けるのが嬉しく。
宮内さんがドラマチックに歌われる中、えいぞうさんは印象的な「1・2・3・4」やコーラスをご担当されていました。

・宮内さん「えーちゃんの歌が上手くて、すっげぇ情熱的でセクシーだよね」
えいぞうさん「あら! でもいっぱい間違えたんです」
観客笑。
宮内さん「ぜんぜん気づかなかったよ」
・えいぞうさん「でも宮内さんも全然変わらないですよね。今日、次に歌う曲をリハーサルで歌う前に
       宮内さんの状況も存じ上げていたので、サポートとしての力加減を悩んでたんですよ。
       ボクが強く出してしまうと歌いにくいと思ったんですけど、加減とか必要なかったですね」
観客拍手。
えいぞうさん「声デカいんですもん。すごいですよ。歌の塊がドカンとくる感じでしたもの」

17:仮面ライダーBLACK RX/宮内タカユキ さかもとえいぞう

宮内さんとえいぞうさんの「ダブル・ファンタジー」ラストはお二人で特撮「仮面ライダーBLACK RX」オープニング。
宮内さんが力強く情熱的に歌われる中、えいぞうさんは高揚感のある歌声とコーラスでサポートされており、
曲のラストはお二人一緒に「RX」の次回予告時の決め台詞「ぶっちぎるぜ」で締めくくられていました。

観客から拍手が贈られる中、宮内さんが「また会おうね。ほんとうにありがとうございました」とご挨拶され
お二人が退場されると会場の照明が明るくなり、BGMが流れ出し、スタッフさんによる閉演後の諸注意がアナウンスされ、
宮内さんとえいぞうさんのツーマンライブ「ダブル・ファンタジー」は終演となりました。

約13年ぶりの共演となった宮内さんとえいぞうさんによるツーマンライブ。
当方がお二人が共演されるライブを拝見するのは今回が初めてだったのですが、
えいぞうさんはご自身が作られた個性的な楽曲を独特の雰囲気と魅惑の世界観で展開されていき、
宮内さんはアニメ・特撮ソングデビュー40周年となる今回はご自身と重ねて「特撮・アニメソング祝40年」と題して展開と、
お二人それぞれの個性を感じられるステージで、まさにダブルでファンタジーなライブでした。


補足

・当日、出入り口付近にはうちやえゆかさん等からの祝花が飾られていました。

・開演直前に宮内さんが客席に姿を見せられ、えいぞうさんのステージを最後列でご覧になっており、
えいぞうさんも宮内さんのステージを会場後方の出入り口付近でご覧になっていました。

・えいぞうさん「宮内さんのリハーサルを拝見していてアツいものをバッコンバッコン注入されました。
       今日はフェロモンじゃなくてホルモンが沸き出てくると思います」

・新曲「曖昧存在」初披露のお話。
えいぞうさん「いつもあんまりリハーサルとかやら無いんですよ。出たとこ勝負な所があって。
       でも今日は珍しく三回も歌いましたね。どれだけ不安なんだって話ですよね」
観客笑。

・このライブの数日のお誕生日で還暦を迎えられるえいぞうさん。
えいぞうさん「"人生の第四コーナー"なんて言われる事がありますけど、それがどれだけ長いのかわかりませんが
       ここからが勝負だなって。もっと早く勝負かけろって話ですけど」
観客笑。
えいぞうさん「とはいえいつでも今日が一番強いオレでございますので。曖昧なものを消していこうと。
       そういった明確なビジョンを持っていこうかと。明確なビジョンってなんかセミナーみたいですね」
観客笑。

・宮内さん「当時はバンドで活動していて、銀座赤坂……ときたら六本木だよね。
     そのあたりで夜から明け方まで50分位のステージを二か所掛け持ちでやってたんだよ。
     そんな生活だったからだから、『バイオマン』は昼間にレコーディングで大変だったね。
     でも凄く嬉しかったのを覚えていますね」

・宮内さん「あの頃は『宇宙刑事シャイダー』『キン肉マン』『夢戦士ウィングマン』なんかも歌ったね。
     バンドで歌いながらアニメや特撮の挿入歌のレコーディングがあったから
     ただただ忙しかった。でもそのおかげで喉が鍛えられたんだよね」

・宮内さんはロウソクの日を一息で消されていました。

・宮内さん「えーちゃん、さっきライブを見ていたらトークも面白いけど歌も上手いんだよね。
     13年前に一緒にライブした時とはまた違ったカッコよさがあるよ」
えいぞうさん「ありがとうございます。だいぶいろんな事が出来なくなってきたんですよ」
観客笑。
えいぞうさん「でも他に出来る事ができてきたんで」

・宮内さん「すっげえ楽しみにしてたんだけど、もうおしまいなんだよね」
えいぞうさん「またやりましょうよ」
観客拍手。
えいぞうさん「ボクら、色んなライブハウスでやると思いますけど、たぶんここが一番近所ですもんね」
宮内さん「そうだね」
観客笑。
えいぞうさん「なのでいつでも言ってくださればお迎えに上がりますんで」

・当方が前回宮内さんのステージを拝見したのは2023年12月のMoJoさんとの「嬉しくってゴメンナサイ! ~ちょっと早めのクリスマス」。
その際、後半の宮内さんの調子がすぐれないご様子で心配だったのですが、
今回の宮内さんがとても調子が良い様に見受けられ、歌いぶりはもちろん、笑顔を見せられていたのもとても嬉しかったです。

・宮内さん「さっき、えーちゃんのステージを見てたんだけど、60歳なんだね。
     オレもついこの前まで60歳だと思ってたのにもうすぐ70歳だよ。この年になって特撮を歌えてるとはあの頃思えなかったよ。
     みんなのおかげでこの素晴らしい世界を知ってしまったので、これからもガンガン歌い抜いて行くよ」

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