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宮内タカユキ LIVE ~正義と悪~
23.7.30 江古田マーキー

出演/宮内タカユキ

演奏/カラオケ



スーパー戦隊シリーズの特撮「超電子バイオマン」や仮面ライダーシリーズの特撮「仮面ライダーBLACK RX」、
特撮「特警ウィンスペクター」「特急指令ソルブレイン」「特捜エクシードラフト」のレスキューポリスシリーズなど、
数多くのアニメ、特撮、ゲーム、漫画のイメージソングを歌われている宮内タカユキさん。
2011年末に小脳梗塞を発症し2012年に緊急入院されて以降、
後遺症と向き合いながら日本全国各地で精力的にライブ活動を行われています。

今回は「正義と悪」をタイトルに冠し、宮内さんが歌われてきた作品群の中から
ヒーローなどの正義側と敵役、ライバル等の悪側の歌を特集したライブを開催されました。
宮内さんは他の歌手の方々とのジョイントライブや俳優さんを招いてトークをされるなど、
様々なスタイルのライブを開催されていますが、今回は司会もゲストも設けず、
司会進行も歌もお一人で行うという、宮内さんご自身で言う所の「ぼっち」ライブでの開催でした。

ライブ前には来場する観客有志へ向けのアンケートも実施。
"正義"と"悪"に感じる大好きな曲を1、2曲選んでメールを送ると、
票数が一番多かった曲を選んだ人には抽選で各1名には
宮内さんからプレゼントが贈られるとの事でした。

会場は東京の練馬区江古田にある老舗ライブハウス江古田マーキー。
アメリカンビンテージを感じる装飾や写真やレコードなどが展示されている店内は、
ロッド・スチュワートさんの楽曲がBGMとして流れている店内はとても落ち着いた雰囲気。
基本的に木目の壁面で、ステージとバーカウンターの向かいは鏡面の箇所がありました。
客席は椅子席で所々に机が設置されており、客席後方は木のベンチになっておりました。

ステージ上には常に設置されていると思われるキーボードやスピーカーの他、
中央に設置されたマイクスタンドにペットボトルホルダーが付属していました。
壁面に店名の「marquee」のオブジェに青い電飾が飾りつけられていました。

開演5分前になるとスタッフさんから上演中の諸注意がアナウンスされ
いよいよ開演時間になるとBGMが小さくなり、会場内の照明が暗くなっていきました。

01:愛する大地、愛する海よ/宮内タカユキ
-MC-


ゆっくりと宮内さんが登場されて歌われたのは、特撮「特警ウインスペクター」より「愛する大地、愛する海よ」。
高らかに勇ましいマーチに合わせて観客が手拍子をする中、宮内さんが頼もしく柔らかく歌われていました。
まさかこの曲が一曲目に歌われるとは思わず嬉しいサプライズでした。

・宮内さん「久しぶりのぼっちライブ。いつもは石原の慎ちゃん(石原慎一さん)がいてくれたり、
     山下君や中山君(山下優さんと中山幸一さん)がいてくれるんだけど、一人は久しぶりだね。
     いつも一緒にいてくれるのが当たり前になっていたから少し寂しい感じがするね。
     でも今日がんばれたらね、何か変わっていく気がするから。みんなも見届けに来てくれてありがとう」
※石原さんは特撮「救急戦隊ゴーゴーファイブ」等を歌われ、歌手以外にも役者など多岐にわたりご活躍中。
 山下さんは特撮「特警ウィンスペクター」でファイヤー/香川竜馬を演じられており、
 中山さんは特撮「特急指令ソルブレイン」でソルブレイバー/西尾大樹を演じられています。

02:レッドリボンアーミー/宮内タカユキ
03:ジゴマⅢ世/宮内タカユキ
-MC-


「正義と悪」、まずは悪の楽曲から。一曲目はアニメ「DRAGON BALL」より宮内さんがWonderland Gang名義で歌われた
レッド総帥率いるレッドリボン軍のテーマ。宮内さんは赤と緑の照明に照らされながらドスの効いた歌声を披露され、
観客は間奏の「レッド」でのシュプレヒコールや最後の「レッドリボンアーミー」で勇ましく合唱していました。
続いては特撮「じゃあまん探偵団 魔隣組」より世紀の大怪盗フリードリッヒ・シュトロンハイム・フォン・ジゴマIII世のテーマ。
宮内さんは都会的な雰囲気の曲調をミステリアスに歌われ、曲中でシャウトを披露されると観客から拍手と歓声が起こりました。

・「レッドリボンアーミー」「ジゴマⅢ世」は今回募集したリクエストを受けて選曲。
・宮内さん「次もリクエストなんだけど、『キン肉マン』から"ロックしてる"って言われた曲です。
     魔雲天のテーマとスクリュー・キッドのテーマを二曲続けて」

04:地獄の山脈 (魔雲天のテーマ)/宮内タカユキ
05:恐怖の回転ドリル (スクリュー・キッドのテーマ)/宮内タカユキ
-MC-


宮内さんが多くの超人たちの歌を歌われたアニメ「キン肉マン」よりまずは"超人山脈"ザ・魔雲天のテーマ。
重厚感あるハードロックを序盤は静かに、後半になるにつれ独特のがなりを交え激しく歌われていました。
続く"恐怖のクラッシャー"スクリュー・キッドのテーマでは観客も一緒に「ギュルギュル」と歌う中、
宮内さんは「シンボルだ」等のエコーの部分も歌われてつつ、サビ部分では特に力強さを感じる歌声を披露されていました。

・宮内さん「主題歌をクッシー(串田アキラさん)が歌っていて『いいなぁオレも何か歌いたいな』って思ってたんだよ。
     そんな時に依頼が来て最初『……悪役超人って、なんだ!?』って思った記憶があります」
観客笑。
宮内さん「歌詞をもらって歌っているうちに『これは相当ワルいぞ。歌い甲斐がある』と思いましたね」


06:Desire (欲望)/宮内タカユキ
07:グレートデビル・エクセリオン/宮内タカユキ
-MC-


宮内さんご自身が「シビれる歌」と話されたアニメ「夢戦士ウイングマン」より帝王ライエルのテーマ。
冷たさを感じる落ち着いた歌いぶりからサビで激しくなる宮内さんの歌声にはとてもシビれます。
続いては1997年版のアニメ「マッハGoGoGo(新)」よりエクセリオンのテーマ。
圧倒的な非道ぶりを緊張感漂う曲調で存在感たっぷりに歌われる宮内さんの眼光の鋭さも印象的でした。

・宮内さんがご自身の悪の歌の中でも一番悪の印象が強いのは「エクセリオン」。
宮内さん「"思いやりにマシンガン"だよ? "やさしさにはミサイル"って、どこからこんな歌詞が出てくるんだろ?
     だから歌詞を最初にもらった時はシビれたね。やっぱりプロの作詞家って凄いなぁって思ったよ。
     "駆け引きにミサイル"持っていったら交渉にもならないよね」
観客笑。

08:目覚めよ! 裁きの名を示せ!!/宮内タカユキ
09:黒いたくらみ/宮内タカユキ
-MC-


アニメ「侵略! イカ娘」のコンピレーションアルバム「IKA LOVE」に収録の「目覚めよ! 裁きの名を示せ!!」。
サビ部分のまくしたてる様な個所等、宮内さんの激しい歌いぶりをたっぷりと堪能することが出来ました。
がらりと雰囲気が変わりアニメ「仮面の忍者 赤影」より幻妖斎率いる金目教のテーマ「黒いたくらみ」。
静かな曲調がサビで一気に盛り上がってまた静かになる本曲は、宮内さんの妖しさを感じる歌い方がとても魅力的。

・宮内さん「悪の歌は歌えば歌うほど良い歌ばかりだよね。みんなも覚えて歌ってね。
     カラオケに配信してなかったらオレが貸すからね」
観客笑。

10:ベルリンの赤い雨 (ブロッケンJr.のテーマ)/宮内タカユキ
11:悪魔の猛牛 (バッファローマンのテーマ)/宮内タカユキ
-MC-


悪の歌コーナーのラストはアニメ「キン肉マン」より特に人気が高い二曲を連続で。
"超人血盟軍・副将"ブロッケンJr.のテーマでは観客の「ハイル・ブロッケン」のシュプレヒコールを受け
宮内さんならではの緩急のある歌いぶりが観客の興奮を誘い、熱気もそのままに"超人闘牛士"バッファローマンでは
「デビル」の連呼からのドスの効いた歌いぶりを堪能。宮内さんのきりりとした眼力と表情も印象的でした。

~休憩~

宮内さんが拍手で見送られここで15分間の休憩時間へ。
休憩時間中は再びロッド・スチュワートさんの楽曲がBGMとして流れており、
受付では宮内さんのオリジナルTシャツの販売が行われていました。
休憩時間が終わる頃になるとBGMが小さくなり、会場内の照明が暗くなっていきました。

12:プロローグ、宿命の戦士 (M-36)
~超電子バイオマン (TVサイズ)/宮内タカユキ
-MC-


特撮「超電子バイオマン」より、超電子の名乗り時のBGMである「プロローグ、宿命の戦士 (M-36)」が流れた後、
宮内さんが登場され、オープニングをテレビサイズで披露されて後半がスタートしました。

・攻守交替。ここからは正義の歌。
・宮内さん「正義って言うとヒーローソングは全部正義になるからね。
     なかなか難しいよね。だから今回はオレなりの判断で選んでみました」

13:シャイダーブルー/宮内タカユキ
14:勝利の詩/宮内タカユキ
-MC-


まずはメタルヒーローシリーズより宇宙刑事シリーズの中から特撮「宇宙刑事シャイダー」挿入歌。
清涼感たっぷりなコーラスは観客の合唱に宮内さんも参加され、とても晴れやで清々しい心地でした。
続いてはアニメ「銀牙 流れ星 銀」最終回「銀よ! 新たなる男の旅立ちへ!!」の決戦直後に流れた「勝利の詩」。
宮内さんは勝利の達成感を噛みしめる様に情感たっぷりに歌われていました

・宮内さん「『勝利の詩』が『銀』の最終回で流れた時は嬉しかったなぁ。
     銀たちと一緒に戦っている様な気がして……赤カブトはオレがやっつけたんじゃないけど……」
観客笑。
※赤カブトは「流れ星 銀」に登場する敵役の巨大熊。

15:1000年戦士/宮内タカユキ
16:ゴセイナイトは許さない/宮内タカユキ
-MC-


ここからはスーパー戦隊シリーズの楽曲群。まずは特撮「未来戦隊タイムレンジャー」より「1000年戦士」。
宮内さんが歌われる前に「みんなも好きな曲だと思うよ」とお話された通り、曲紹介で歓声がおこり
曲が始まると宮内さんの力強い歌声を受け、観客の手拍子や合いの手にも力が入っているように感じました。
続いては特撮「天装戦隊ゴセイジャー」より、独特の存在感のある6人目の戦士ゴセイナイトのテーマ。
シリアスながらも神秘的で凛々しい曲調を宮内さんが逞しい骨太の歌声で披露されていました。

・「1000年戦士」「ゴセイナイトは許さない」は今回募集したリクエストを受けて選曲。
・宮内さん「次は、時に正義の心を癒してくれる様な曲です。『星よ、にじむな!』」

17:星よ、にじむな!/宮内タカユキ
18:Stand Up! Soldiers~選ばれし者たち~[Giant Fighter]/宮内タカユキ
-MC-
19:心に冒険を/宮内タカユキ
20:未来を守る騎士たち/宮内タカユキ
-MC-


特撮「忍者戦隊 カクレンジャー」より44話「傷だらけ大逆転」で流れた「星よ、にじむな!」。
曲紹介と共に観客の感嘆の声が漏れたのも印象的。宮内さんの歌声にじっくりと聞き入っていました。
続いてはゲーム「超鋼戦紀キカイオーfor Matching Service」よりテーマソング。
緊張感のある曲調と宮内さんの情熱的な歌声がとても魅力で、今回久々に聞く事が出来てとても嬉しかったです。
スーパー戦隊からゲームソングを交え、ここからはレスキューポリスシリーズの楽曲群へ。
まずは特撮「特急指令ソルブレイン」より、個人的にとても大好きなバラード「心に冒険を」。
宮内さんの優しく瑞々しく伸びやかな歌声をたっぷりと堪能した後は、がらりと雰囲気が変わり
特撮「「特捜エクシードラフト」より「未来を守る騎士たち」では宮内さんのスタイリッシュな歌声を堪能出来ました。

・宮内さん「レスキューポリスは全ての曲が正義っていう感じだよね。
     今、挿入歌を歌った後は主題歌を歌いたくなるよね。三曲をメドレーにしたから一緒に歌ってね」

21:特警ウインスペクター (1C)
~特救指令ソルブレイン (1C)
~特捜エクシードラフト (1C)/宮内タカユキ
-MC-


正義の歌コーナーの締めくくりはレスキューポリスシリーズ三部作のオープニングをメドレーで。
ライブも後半になり、激しい楽曲を三曲メドレーで歌われる事もあってか、宮内さんが若干つらそうな印象でしたが、
観客はそれを察してか合いの手や手拍子の勢いも大きく感じ、終始宮内さんと共に大合唱状態でした。


・宮内さん「小脳梗塞の後遺症を抱えて活動し始めた頃は今以上に言葉も出なくて歌もひどかったけど
     それでもいつもみんながいてくれたんだよね。次の曲はみんなに感謝を込めて歌います。
     夏はこれからだけど『ENDLESS SUMMER』」

22:ENDLESS SUMMER/宮内タカユキ
-MC-
23:仮面ライダーBLACK RX/宮内タカユキ
-MC-


初代タイガーマスク=佐山聡さんのテーマ曲等を収めたアルバム「咆哮~LEGEND OF THE TIGER~」より「ENDLESS SUMMER」。
後遺症を抱えながら歌い続けられている宮内さんからファンへの思いと重なるような歌詞がとても素敵で、
清涼感たっぷりの曲調と共に宮内さんの優しく語りかける様な歌声が会場内を包み込んでいました。
本編の最後は宮内さんの代表曲の一つである特撮「仮面ライダーBLACK RX」よりオープニング。
宮内さんの激しい歌いぶりに観客も大合唱で応え、ラストは宮内さんと共に「ぶっちぎるぜ!」で締めくくられていました。

-アンコール-
-MC-


拍手の中、観客から花束が何束も手渡されながら宮内さんが退場されると、拍手がアンコールを表す手拍子に変わりました。
しばらくすると宮内さんが再度登場されると拍手に戻りました。

・ここで観客の退場する際に宮内さんがお見送りして下さり、
今回のライブのメインビジュアルを印刷したポストカードを手渡ししてくださる旨がアナウンスされました。

24:誰かが君を愛している/宮内タカユキ

「宮内タカユキ LIVE ~正義と悪~」のラストは特撮「仮面ライダーBLACK RX」よりエンディング。
ライブ自体がエンディングで締めくくられるというのも一興でございまして、
宮内さんの優しく語りかける様な歌声に合わせて観客も身を揺らしたり手拍子をしていました。

宮内さん「みんなありがとう! また会おうね!!」

ステージを降りて見送りの為に会場の出入り口へ向かわれる宮内さんに拍手が送られる中、
会場の照明が明るくなり、BGMが流れ出し「宮内タカユキ LIVE ~正義と悪~」は終演となりました。

「正義と悪」という正義側はもちろん悪側の歌も多く歌われている宮内さんならではのコンセプト。
大きい規模のライブでも馴染み深い主題歌から人気の高い挿入歌やバラードも披露された他、
ソロライブでもなかなか聞く事が出来ない楽曲も多く披露され、貴重なライブに感じました。
また、特に悪の歌を歌われる時の鋭い眼光と表情がとても印象的でした。

今回は進行も歌も正真正銘宮内さんお一人で行われるという事でしたが、
後半激しい楽曲の連続だったこともあってか、多少お疲れのご様子ではあったものの、
歌声のパワフルさが徐々に戻ってこられており、穏やかな表情と口調でのトークで滞りなく進行されておりました。


補足

・地下の会場入り口につながる階段にはinfixの皆さんやはやぶさのお二人などのポスターに交じって
この年の10月に開催予定の「渡辺宙明 メモリアル・コンサート」のポスター貼ってありました。

・宮内さん「12年前、小脳梗塞の病気してから上手くしゃべれなくなったし、
     お医者さんからも『ステージに立つのは諦めてください』って言われていたからね。
     当時はこうして一人でライブをやれているって思わなかったよ。
     今回江古田マーキーさんから声をかけてもらった時は驚いたけど、挑戦してみようって思いました」

・悪の歌はどの曲も歌っていて気持ちが良く「キン肉マン」はまた特別。

・宮内さん「今日はみんなのおかげで一曲一曲噛みしめて歌えているような気がします。
     どの曲もハートを込めて、歌いますね……悪だがなっ」

・宮内さん「これからも新しい悪の歌を歌いたいね。あの頃みたいにまたブースに入ってレコーディングしたいな。
     オレはまだまだこれからだと思っています。いつでも待ってるぜ!」
観客拍手。

・宮内さん「『イカ娘』って……『目覚めよ』って言ったって……」
観客笑。

・宮内さん「『黒いたくらみ』は気持ち入ったね。もう、めいっぱい黒くなって歌いましたよ。
     すっごい気持ちよく歌えたんだよ。正義の歌にはない感動があったね」

・作中のいいシーンでご自身の歌が流れると嬉しい。
宮内さん「例えば『カクレンジャー』で『星よ、にじむな!』が流れた時もね
     『いい歌だなぁ、誰が歌ってんだ?』って思ったんだよね」
観客笑。
宮内さん「『いい歌うたうじゃん』って思って調べたら宮内? タカユキ? さんっていう人だったんだよね」 
観客拍手。

・宮内さん「昔はライブではさっき会場のBGMでかかってた曲と歌ロックばっかり歌ってたんだけど
     コロムビアのディレクターさんがどこをどう考えたのか、ヒーローの歌を歌わないかって声かけてくれてね。
     今では嬉しいけど、当時は何もわからなかくて『超電子バイオマン』を歌う時は
     作曲が大好きなザ・ワイルドワンズの憧れの加瀬邦彦さんだったから興奮したのを覚えてるよ」

・宮内さん「声が出せないみんなの歯がゆさを見ていたから、一緒に歌えるのが戻ってきて嬉しいよね」

・宮内さん「どうもありがとう。これからもガンガン歌って行くからね。
     これからまだまだ暑いけど頑張って乗り越えようね! またあおうぜ!」

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