top of page

影山ヒロノブ 2022年ソロアコギの旅 1月振替編

22.3.18 Shibuya eggman

 

出演/影山ヒロノブ

 

ゲスト/須藤賢一

 

演奏/Ag&harp.影山ヒロノブ Key&Co.須藤賢一

 

 

1985年に特撮「電撃戦隊チェンジマン」の主題歌を歌われた事をはじまりに

アニメ「DRAGON BALL Z」のオープニング「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を代表格として

数多くのアニメや特撮、ゲームの歌を歌われてきた影山ヒロノブさんが、

2000年代初頭よりアコースティックギター一本を携えて

日本全国の比較的小規模な会場で開催されている「ソロアコギの旅」。

 

ご自身がライフワークとして位置づけられているという本ライブは

例年ならば毎月2回のペースで開催されていましたが、2020年以来世界規模で蔓延し続けている

新型コロナウイルスの影響下で2020年春より休止状態になっておりました。

ですが、その間はチケットぴあによるライブ配信サービスPIA LIVE STREAMによる配信ライブとして毎月開催。

その後、2021年の4月に感染拡大は続く中ながらも1年2ヶ月ぶりの観客を収容してのライブ開催を再開し、

以降は月に一度、関東圏を中心に観客を収容しつつ、配信も行う形で開催されていました。

 

2022年の一回目として1月24日に「影山ヒロノブ 2022年ソロアコギの旅 1月編」が開催される予定でしたが、

影山さんは前日の夜に喉の痛みと発熱を訴え、ライブ当日になっても症状は和らがず、

診察を受けたところ、安静を指示され検査結果が間に合わない事もあり、公演は延期。

検査の結果は陽性で、影山さんは新型コロナウイルスに罹患した事が発表されました。

 

その後、影山さんは順調に回復され、お誕生日当日の2月18日に開催された

ご自身のバースデーライブ「KAGEYAMA Hironobu BIRTHDAY LIVE 2022」でステージ復帰。

ファンの前でパワフルなパフォーマンスをみせられました。

 

今回はそれからちょうど一か月後に行われた1月編の振替公演、

「ソロアコギの旅 1月振替編」の2020年一回目のレポートです。

 

通常の「ソロアコギの旅」の出演者は影山さんお一人ですが、今回の「1月編」は当初から

影山さんが率いるバンド、BROADWAYのキーボードでバンドマスターである須藤賢一さんの出演が告知済み。

須藤さんはBROADWAYとしての活動の他にも数多くのアニメソングを作曲アレンジされているほか、

1990年代初頭には影山さん、井上俊次さん、田中宏幸さんらLAZYのメンバーと

BROADWAYのメンバーである松尾洋一さん、岩田"GUNTA"康彦さんと結成されたバンドAIRBLANCAや

2000年代初頭に活動した影山さん、河野陽吾さん、栗山善親さんらとのユニットTRY FORCEで活動されるなど

LAZY解散後の影山さんのキャリアにおいて重要なポジションにいらっしゃるとても縁が深いお方です。

 

2022年の3月時点の東京での新型コロナウイルスの感染者数は、

感染力が強い変異株オミクロン株の拡大もあり、ながらく高止まり状態が続いていたものの、

少しずつながら減少してきていました。しかし未だまん延防止等重点措置の発令が発布されている状況でした。

「1月編」のチケット自体がファンクラブ「HIGHWAY STAR CLUB」の会員を対象に発売されていましたが、

開催延期に伴い払い戻しがあった関係で、若干数の当日券が発売されていました。

入場時には検温と消毒と感染予防が行われ、ライブ鑑賞にあたっての注意事項が書かれた紙と特製チケットが配布されました。

 

会場は影山さんがLAZY解散後にソロ歌手として何度もステージに立たれており

ご自身にとってとても思い入れの強い東京の渋谷にある老舗ライブハウスShibuya eggman。

 

ほぼ毎年ご自身のお誕生日である2月18日前後にバースデーライブが開催されており、

その際には毎回ファンクラブ会員の申し込みだけでチケットはほぼ完売になり、

ライブが始まる前から身動きが取れなくなる程に観客でいっぱいになるのですが、

今回は感染拡大防止の為、普段はスタンディングで350人のところ1/5程度の椅子席になっていました。

その為、客席同士は隙間なく並べられていましたが、後方にはスペースができており、物販が行われていました。

 

客席の最前列とステージの間にはベルトパーテーションで距離がとられており、

その上にはスクリーンが降りていて、マスク着用や声出しの禁止、ソーシャルディスタンスの確保、

手洗い・消毒のお願い、接触確認アプリの推奨など、観覧にあたっての諸注意が映し出されていました。

 

ステージ上はマイクスタンドと2本のアコースティックギター、水やハープや等が置いてあるテーブル、

向かって左側にはキーボードとマイクスタンドが設置されていました。

 

当日の模様はライブ配信サービスPIA LIVE STREAMによってライブ配信が行われる為、

会場内にはカメラが数台設置されていました。

ステージの左右や影山さんの足元などには配信用のカメラが数台設置されており、

向かって右側には配信の様子を映したモニターが設置されていました。

 

開演までの間にはちょうどライブ当日に発売されたコロナ禍で思うように音楽活動ができない中、

影山さんの次女でありシンガーソングライターでダンサー・振付師でもある景山菜奈さんと共に

ご自宅で制作され、プライベートスタジオでハンドクラフテッドなレコーディングを行い

2021年の「ソロアコギの旅」で毎月一曲づつ披露されていた楽曲をまとめた

オリジナルアルバム「反撃のおうちロック」がBGMとして流されていました。

 

その中から影山さんのソロデビュー曲を大きくアレンジした「Live for today! (今日を生きよう)」が流れる中、

スクリーンが上がり、照明が暗くなっていき、いよいよ「影山ヒロノブ 2022年ソロアコギの旅 1月振替編」開演です。

 

 

00:王都の将アレク/SE

01:ベイエリアの風/影山ヒロノブ

02:MY ANGEL/影山ヒロノブ

-MC-

 

作家の藤本ひとみさんがプロデュースされたのご自身の作品群のイメージソングで構成された

アルバム「藤本ひとみ 恋愛プログラム」より影山ヒロノブ&AIRBLANCAとして担当された

インストゥメンタル曲「王都の将アレク」が流れる中、影山さんと須藤さんがご登場。

観客の拍手の中、お二人がそれぞれの位置でセッティングされ、須藤さんの演奏のみで披露されたのは、

映画「セント・エルモス・ファイアー」より影山さんが歌われた同名主題歌の日本語版シングルのカップリング「ベイエリアの風」。

発表当時の影山さん等身大の歌詞が瑞々しく、普段のソロアコギとは一味変わった幕開けとなりました。

続いてはLAZYのシングル「地獄の天使」のカップリング「MY ANGEL」。

影山さんのソロアルバム「I'm in you.」でもセルフカバーされた事がある本曲では

須藤さんのキーボードのみの演奏だけあってか、「I'm in you.」版に近い少し物憂げな雰囲気で披露されました。

 

・影山さんから観客と配信を見ている視聴者へご挨拶と須藤さんのご紹介。

・配信があるから間違えられない。

・影山さん「今日はゆったりと、水木(一郎)さん方式でしゃべり7、歌3ぐらいでやります」

 観客笑。

・このライブが行われた週は、とてもあたかたく晴れた春の陽気が続いていたものの、

 この日だけ気温が急激に一桁台まで下がり、激しい雨が降り、強い風が吹く荒れた天気になっていました。

 影山さん「そんな天気の中来てくれて……愛だねっ」

・今回は延期になった1月のライブの振替公演。

 影山さん「誰かが"リベンジライブ"って言いだしだんすよね。直訳したら"復讐ライブ"ですよ。……こわっ」

・セットリストは1月に予定したライブとほぼ変わらず。

 影山さん「まぁっ、天候も1月みたいになりましたけど……」

・影山さん「次に歌う2曲は『サイレントメビウス』がらみの曲で、両方とも賢ちゃんが作った曲です」

 

03:Skyscraper~摩天楼に抱かれて~/影山ヒロノブ

04:恋愛エチュード/影山ヒロノブ

-MC-

 

漫画「サイレントメビウス」のスピンオフ作品「メビウスクライン」より「Skyscraper~摩天楼に抱かれて~」。

影山さんが「めっちゃ好きなんです」と話された本曲はキーボードのみの演奏だけの原曲よりもシックな雰囲気で、

曲名通り超高層ビルの摩天楼が目に浮かぶようでした。続いての前述のアルバム「藤本ひとみ 恋愛プログラム」より

「恋愛エチュード」も華やかで原曲よりもより一層大人な印象が素敵でした。

 

・ここで須藤さんが観客の拍手に送られて一旦ご退場。

 影山さん「ゆっくり休んでもらって。お互いムリの利かない年頃なんで」

 観客笑。

・スタッフさんと共にアコギや譜面台をセッティング。

・影山さん「歌えない、声出せない分、拍手してね。じゃないと『えっ影山さんのライブ、お葬式なん?』って思われるから」

 観客拍手。

・この日から3日後には全国に出されていたまん延防止等重点措置が解除されるので、

 コロナ禍の前のように月一で行われているソロアコギで地方に行きたい影山さん。

 影山さん「ウチの事務所ものんびりしてますよね。まだみんなのところに4月の告知無いでしょ? オレも知らんもん」

 観客騒然。

 影山さん「ナハハハ。んまぁっ、どっかで演りますからね」

・客席の照明のお話。

 影山さん「今日みんなの顔めっちゃ見えるんやけど。なんなんこれ? みんな照明?」

 観客笑。

 影山さん「みんないっつもすごいアピールしてくれるんやけど、実はほとんど見えてないんですよ。

さしずめ闇に潜むホラー(※)みたいな感じで……」

※特撮「牙狼-GARO-」シリーズに登場する魔獣。影山さんは魔導輪 ザルバの声を担当されています。

 影山さん「今日はよく見えるよ、お嬢ちゃん達……毒蝮三太夫みたいになってますけど」

 

・影山さんの周りの3月生まれは堀江美都子さんや奥井雅美さんなど女性が多い。

 影山さん「ウチのPAセクションの社長も3月生まれなんですけど男なんですよね。

     なんか男で3月生まれだと『へぇ~3月なんや……』ってなりませんか?

     『えっ男なのに3月?』って……まぁ、ボクはそんな差別的な人間ではないんで……」

 観客笑。

 

05:Birthday eve/影山ヒロノブ

-MC-

 

ここでソロアコギの定番である、毎回その月が誕生月の観客へ向けて影山さんから歌のプレゼント。

アルバム「ROCK JAPAN」より「Birthday eve」。景山さんは終始笑顔で歌われ、ハッピーな雰囲気でのお祝いとなりました。

 

・実は突き指をしていた影山さん。「Birthday eve」の最後のコードを弾く時だけ痛い。

 影山さん「せっかくやさしい気持ちなのに、指には激痛が走っているという。わかりますか? この大変さ。

     なにが大変って、この突き指、いつどこでやったかわかってないんですよ」

 観客笑。

 影山さん「そういうのない? ぼちぼちない? 大概みんなも、オレより若いやろうけど、……大概やろ?」

 観客笑。

 影山さん「朝起きたらなってたんですよね。もしかしたらこの前の地震で慌てた時になったのかも」

 この日の二日前、3月16日の夜半、福島県沖で最大震度6強の地震が発生しました。

 影山さん「日本に住んでると、いつ、どこに来るかわかんないですからね。

     遠藤(正明さん。宮城県石巻市出身)に『石巻のみんな大丈夫か?』って連絡したら、

     『めっちゃ早く避難してました』って返ってきました。

     11年前に、特に石巻の人達は失うものも多かったけど、そこから学んでる事も多くて。凄いなぁって思いましたね」

 

・影山さん「次の曲は1月の時は演る予定じゃなかったんですけど、どうしても今の世界状況の中で、

     人間ていうのは何十年経っても、なんも懲りてないんだなって、日々みんなも感じてると思います。

     こんな事が自分が生きている間に起こるなんて、すごくショックも大きいんですけど。

     そういう中でも変な考え方に捕らわれるんではなく、しっかりと、いつでも、

絶対戦争なんかやっちゃいけないっていうスタンスを、一人一人が持つことが大事なんだなと思います」

 

06:僕らの国でも/影山ヒロノブ

-MC-

 

LAZYのアルバム「宇宙船地球」より「僕らの国でも」。今回のライブで是非聞きたいと思っていた曲です。

影山さんのギターは曲が進むにつれて力強くなっていき、はっきりとした渾身の歌声と合わさってとても迫力を感じました。

その歌声がラストのリフレインでは嘆くように変化していたのも印象的でした。

 

・ここで再び須藤さんがご登場。

・おもむろにハーモニカを吹く影山さん。

 須藤さん「今、練習すんの?」

 観客笑。

 影山さん「ハハハハ。みんな思ってんねやろな『あぁ、これからこのフレーズ吹くんやぁ』って」

・影山さん「今回はできれば普段のアコギでは演んないような曲を中心にやりたくて、

     賢ちゃんに『ピアノが映える曲ってなにがある?』って訊いて。それが前半の4曲。こっからが後半の4曲ですから」

 観客「えぇっ」

 影山さん「ハハハハ。言うたやん、しゃべり7の歌1.5やって」

 観客笑。

 

07:10オンスのバイブル/影山ヒロノブ

08:BEST FRIEND ~ベスト・フレンド~/影山ヒロノブ

-MC-

 

大ヒットしたOVA「湘南爆走族」シリーズの中でも劇場公開された映画「湘南爆走族 III -10オンスの絆-」よりエンディング。

そしてアニメ「聖闘士星矢」より「BEST FRIEND ~ベスト・フレンド~」を須藤さんのキーボードのみの演奏で続けて披露。

前半に須藤さんのキーボード演奏で披露された4曲は割と大人なムードが漂う雰囲気の曲が多かったですが、

この2曲はさわやかな青春的友情賛歌で、演奏が同じ条件だからこそ感じる表現力による違いと巧みさを感じました。

 

・影山さん「楽しいな~。みんな楽しい?」

 観客拍手。

 影山さん「オレとどっちが楽しい?」

・ここで再びアコギを携える影山さん。

・影山さん「ホントに今日はみんなの顔がよく見えるよぉ。こん中に指名手配犯おってもすぐ見つけるよ」

 観客笑。

 影山さん「何罪でしょう? ……あ、わかった。美人罪だぁ!」

 観客笑。

 影山さん「ナハハハ、ホンマに毒蝮さんみたいになってきた」

・現在、情報が解禁になってない曲が進行中。

 影山さん「JAM(Project)もなんですけど、ソロでもあって。まだ業界はオレを必要としてくれてるんや、って。嬉しいもんですよね」

 観客拍手。

・影山さん「さっき藤本ひとみさんの曲とか演ったじゃないっすか? 

     当時は藤本さんが詞を書いて、バンドと一緒に曲書いてレコーディングしてたんですよ。

     インストとかも作ってて、今日の一曲目は井上(俊次)君が

     デイヴィッド・フォスターへのオマージュを込めて作った『王都の将アレク』ってタイトルの曲なんです。

     いつもライブのエンディングとかにかけてたんですけど、何年もして井上君が

     『なぁなぁ、俺自前でお金出すから、もう一回レコーディングさしてくれへん?』って言われて。

     なんか若い頃の自分のアレンジに納得いってないらしくて、『もっかいやってくれへん』って言うんですけど、

     それどこに出すの?」

 観客笑。

 影山さん「だって藤本ひとみさんのアルバムなのに、その一曲だけもう一回やってどうすんの? って。

でも、気持ちはわかりますよね」

・JAM Projectを始める前にレパートリーが1000曲を超えていた影山さん。

 今は数える人がいないから何曲になっているかわからない。

 

09:Beginning/影山ヒロノブ

-MC-

 

40周年記念アルバム「A.O.R」より、影山さんと須藤さんが夢中になった憧れの人であるデイヴィッド・フォスターさんが

プロデュースされた「Beginning」。楽しそうに歌う影山さんと真剣な顔でコーラスをする須藤さんの表情が好対照で素敵でした。

 

・「Beginning」のレコーディング時の話。

 影山さん「夢みたいな出来事でした。一緒に中華料理食べましたからね」

 観客笑。

 影山さん「そこで井上君が昔デイヴィッドと一緒に撮った写真持ってきてて、『カゲ、この写真憶えてるか訊いてくれ』って言うんですよ。

     オレ、英語習ってるけど、大したことないじゃないっすか? それで何とか写真の事憶えてるか尋ねたんですけど、

     リアクションを見る限り憶えてなかったですね」

 観客笑。

・どうしても英語の発音がうまくいかない箇所があり、何回もやり直す事に。

 影山さん「昔、尾崎亜美さんとやってたくらいの頃"デイヴィッド・フォスターのレコーディングは怖い"って雑誌で読んでたんで、

 キレられたらどないしよって思ってたんですけど、すごい丸いっていうか、想像以上にジェントルな人で、

 何回やっても出来ない日本人に付き合ってくれたんですよ。そういう辛かった事も含めていい思い出ですね。

 ……そんだけ迷惑かけたのに中華料理屋で写真の事を訊かされるオレ」

 観客笑。

 

10:君にあげるために -Boys Be-/影山ヒロノブ

-MC-

 

須藤さんの選曲でアニメ「聖闘士星矢」より挿入歌「君にあげるために」。須藤さんのキーボードがきらびやかで、

コーラスも合わさってとても爽快感あふれる一幕でした。間奏では影山さんのギターソロも披露されました。

 

・影山さん「ギターソロ弾いてしまいました。突き指痛ぇ~」

 観客笑。

 影山さん「よくギタリストでうまい人は顔で弾くんですけど、オレは突き指痛ぇっって。

ブルースギタリストみたいな顔になってましたけど」

 観客笑。

 

・影山さん「今回みたいな形なのもアリかなって思ったんで、またやります!」

 観客拍手。

 影山さん「一人でやってると飽きられるで。ナハハハ」

 観客笑。

・影山さん「最後の曲は自分で詞も曲も書いたんですけど、

 若い頃って考え方は間違ってないのに無力で、自分はなにをやってるんだろう、って思う事あるじゃないすか。

 でも一番純粋だったりするのはやっぱりその頃で。

 歳を取っていろんな上手く生きる方法とかを身に着けたけど、

 じゃあ20代の自分と60代の自分とどっちが純粋かってなったら、絶対、間違いなく20代で。

 今も夢が無いわけじゃないんだけど、あの頃の若さとか純粋さとか、いろんな時に思い出しますよね。

 そういう気持ちは捨てたくないなって。

 今、世界で起こっている事も、"仕方ない"で終わるんじゃなくて、純粋に自分で受け止めていきたいなと思います。

 みんなにもそうあって欲しいなっていう思いも込めて、本編最後は『Young & Innocent』という曲を二人でやります」

 

11:Young & Innocent/影山ヒロノブ

 

本編のラストはLAZYが再結成後に発表した2枚目のアルバム「宇宙船地球号II」に収録され、

後に影山さんのソロアルバム「Cold Rain」でセルフカバーされた「Young & Innocent」を須藤さんのキーボードのみで。

ギターを下ろされて歌に注力される影山さんのシルエットが照明に照らされて浮かび上がる様子は、

その迫真のパフォーマンスも相まって今回のハイライトでした。

-アンコール-

-MC-

 

・影山さんと須藤さんが拍手の中退場されると、その拍手はアンコールを現す手拍子に変わりました。

 ほどなくして影山さんと須藤さんが再びご登場。須藤さんはキーボードに向かわれ、影山さんはハーモニカを準備されました。

・ハーモニカを二つ持った影山さん。どちらを使うか須藤さんに確認。

・雑誌で読んだ女優の山本陽子さんの若々しさに驚愕した影山さん。早速若さの秘訣を倣う。

 影山さん「80越えたになった時、『どうしてそんなに若々しいんですか?』って言われるようにな人になります。

      それまでしっかりボクについてきてください。ナハハハ」

 観客拍手。

 

12:エンブレム~名も無き英雄達へ~/JAM Projct featuring 影山ヒロノブ

-MC-

 

アンコールはアニメ「よみがえる空~RESCUE WINGS~」よりJAM Projectでソロ名義で歌われた初代エンディングから。

これまでもソロアコギで披露された事はあったものの、この曲はピアノが合うという事で選曲されただけあり、

演奏に加えて影山さんと須藤さんの声の素晴らしいハーモニーが際立っていました。

 

・影山さん「多くの人は話題になったり売れたりした有名な曲がライブで聞けて、

     『アノ曲聞けて良かったぁ』とかあると思うし、特に初めて来てくれた人にとっては、

      そういうのが凄く大切だと思うんです。でもそういう曲じゃなくても『この曲めっちゃ好き!』って、

      自分で書いた詞でも思う曲ってあるんです。賢ちゃんとの最後にそんな曲を送ります」

 

13:風音~君に逢いたくて~/影山ヒロノブ

-MC-

 

アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」の五代目エンディング「ヨーソロー~星の海を越えて~」のシングルのカップリング曲である

「風音 ~君に逢いたくて~」。影山さんは思い入れが伺える、せつなくも力強い歌声を響かせられました。

 

・観客の拍手の中、須藤さんが影山さんとグータッチされご退場。影山さんはギターをセッティング。

・影山さんが『宇宙戦艦ヤマト』を見たのは、おそらく小学6年生くらいの頃。壮絶なストーリーの展開に衝撃を受けられたとか。

 影山さん「子供心に凄くショックで、その時『登場人物はこの後どうやって生きていくんだろう』って感じた事を思って書いた曲でした」

 

・最後は影山さんがどうしても3月の終わりに演っておきたいこの季節ならではの歌。

・季節の曲で大ヒット曲を持っている人は、その曲のオフシーズンのコンサートではどうしているのか。

 影山さん「山下達郎さんは夏でも『クリスマス・イブ』歌うのかどうか、めっちゃ気になってるんですよ」

 

14:卒業アルバムの中の無傷な夢~返信~/影山ヒロノブ

 

ラストは30周年記念オリジナルアルバム「30years3ounce」から、声優の野川さくらさんに提供した曲のアレンジ版。

影山さんの歌声もギター一本の演奏も素朴で、この季節ならではの、どこかほろ苦い雰囲気でのしめくくりとなりました。

 

閉演BGM:王女アストライア

 

アルバム「藤本ひとみ 恋愛プログラム」より「王女アストライア」が流れる中、ギターを下した影山さんがご挨拶。

 

影山さん「みんな最後までありがとうございました! こんな天気の中で見に来てくれて感謝しかありません。

     いつもありがとうございます。風邪ひいたり、コロナになったりしないように気を付けてください。

     4月から地方もソロアコギ復活できれば最高なんですけど……がんばります!

     みんなも元気でいてください。また会いましょう。バイバイ!!」

 

満面の笑顔で手を振られ、客席に向かって一例をして影山さんが退場され、

「影山ヒロノブ 2022年ソロアコギの旅 1月振替編」は終演となりました。

 

1月に延期となった公演の"リベンジライブ"となった今回のライブ。

須藤さんをゲストに迎えられた事で、普段のソロアコギとは趣の違う意外な曲が多く選曲され、

そのどれもがソロアコギどころかバースデーライブなどのソロライブでもなかなか披露される事のない曲ばかり。

その曲達が聞けただけでも嬉しく、さらに今回、当時の世界がおかれている状況だからこそ

聞きたかった「僕らの国でも」を聞く事ができたのがとても嬉しかったです。

また、スタンディングではないeggmanでのライブは個人的に初めての経験だったので、とても新鮮に感じました。

 

 

補足

 

・とても忙しかった「ベイエリアの風」の頃。

 初めて自動車運転免許を取得して3日目、国道16号線を走っていて警察に捕まってしまう。

 

・例年、この時期は花粉に悩まされているものの、この年は未だキてない影山さん。

 ライブ前にカバンの中から目薬を発見。2年ほど前に花粉の辛さをごまかそうと一番刺激の強い物を購入されたとか。

 影山さん「一番強いってのを忘れてて、さしてみたら『痛ぇぇえ!!』みたいな。……そんなボクです」

 

・影山さんがeggmanのステージに初めて立ったのは40年くらい前。

 影山さん「20代のころは毎月ライブ演ってましたからね。アニソンやるようになって、お客さんが入りきらなくなるまで、

     凄い回数ライブやってましたから。未完成な頃の自分の、一番思い出深いライブハウスはここしかないと思います」

 

・eggmanでライブをやるようになった当初は客席にある柱がやりづらく感じられた影山さん。

 影山さん「なんか柱に向かって歌ってるような感じがして。

     でも今はこの柱を見ると、『あぁ、eggmanや……eggmanに帰ってきたんや、オレは』ってなりますね」

 

・昔のeggmanはステージの高さは10㎝ほどと低く、グランドピアノもあったのだとか。

 

・eggmanにグランドピアノがあった頃、今回の様に影山さんと須藤さんだけのライブをやったことがあるとか。

 

・話の核心に触れようとすると舞台袖から物音が。

 影山さん「eggmanの霊が……怨念が……そこにおんねん!! ……あ、3人くらいウケた」

 観客笑。

 

・「卒業アルバムの中の無傷な夢~返信~」はスタッフさんの間では「卒アル」と呼ばれているとか。

bottom of page