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影山ヒロノブ 2021年ソロアコギの旅 6月編
21.6.23 吉祥寺Star Pine's Cafe

出演/影山ヒロノブ

演奏/Ag&harp&Glo.&Pi.影山ヒロノブ カラオケ



アニメ「DRAGON BALL Z」のオープニング「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を代表格に、
数多くのアニメや特撮、ゲームの歌を歌われてきた影山ヒロノブさんが
アコースティックギターを携えて開催されている「ソロアコギの旅」。

アコギ一本を携えてご自身の身一つというフットワークの軽さを活かして、
2000年代初頭より日本全国の比較的小規模な会場で開催さており、
現在の影山さんにとってのライフワークとして続けられているライブです

これまで毎月2回のペースで開催されていた「ソロアコギの旅」ですが、
2020年以来世界規模で蔓延し続けている新型コロナウイルスの影響下で2020年春より休止状態でした。
その間はチケットぴあによるライブ配信サービスPIA LIVE STREAMによる配信ライブとして
毎月開催されていましたが、2021年の4月に1年2ヶ月ぶりの観客を収容してのライブ開催を再開。
「4月編 "有観客、復活の狼煙"」「5月編」と回を重ねていき、今回6月編の開催となりました。

当時は三回目の緊急事態宣言が解除されたものの、まん延防止等重点措置が発令中という事で、
開催に当たっては動員を会場キャパシティの50%以内にし、入場時には検温と消毒と感染予防が行われ、
ライブ鑑賞にあたっての注意事項が書かれた紙と特製チケットが配布されました。

会場は「4月編 "有観客、復活の狼煙"」と同じく、東京は吉祥寺にあるライブハウス吉祥寺Star Pine's Cafe。
地下にある会場に入ると更に階段があり、メインフロアへ降りると椅子が一定の距離で配置。
ステージ上はマイクスタンドにアコースティックギター、ハープやタオル等が置いてあるテーブル、
背後にはグランドピアノや小さい鉄琴があり、ステージ壁面にはスクリーンが掲げられていました。
さらにステージ上のテーブルやスピーカーの上など、至る所に蛙の人形が飾られていました。
当日の模様はライブ配信サービスPIA LIVE STREAMによってライブ配信が行われる為、
会場内にはカメラが数台設置されていました。
ステージの左右や影山さんの足元などには配信用のカメラが数台設置されており、
向かって右側には配信の様子を映したモニターが設置されていました。

続々と観客が入場し、なかなかの距離感で会話をしている中、
ゆっくりと照明が落ちていき、いよいよ「影山ヒロノブ 2021年ソロアコギの旅 6月編」開演です。

00:introduction/SE
01:うたうたういのカエル
-MC-


ミラーボールが会場を彩る中、2017年の影山さんの40周年記念ライブ「40years on the road」から使用されている
影山さんによる一人多重録音アカペラが穏やかに流れる中、蛙の被り物を付けた影山さんがご登場。
配信ライブでは毎回一曲目に新曲を書き下ろして初披露されていますが、今回の新曲は「うたうたいのカエル」。
うたうたいのカエルというキャラクターを通してコロナ禍におけるご自身の心情を可愛くコミカルに綴った曲調を
優しく歌われ、二番には突然濁声の「ゲロゲロ」という声が入り観客の笑いを誘っていました。
途中からカエルの帽子を外してアコギを携えて演奏も合わせてご披露されていました。

・影山さん「来てくれてありがとう。今日はMCの時は会場の照明を全開にするからみんなの顔が丸見えだぜ!」
・続いては前回のアコギライブより導入されたサンプリングルーパーエフェクター、通称ルーパーを使用。
・ルーパーとはギターのエフェクターの一種。その場でギター等の短いフレーズを録音し、それを繰り返して
再生しながら演奏する事で、一人でもさまざまなパフォーマンスを行う事が出来るエフェクターです。
・影山さんは観客に手拍子を促しながらその場でアコギを叩いてリズムを録音したり、
スキャットを何度か重ねてハーモニーを加えたりと、その場で次の曲に必要な音を作られていました。

02:Bang! Bang! Bicycle
03:She's trouble & such a fool!
-MC-


ルーパーを使用して披露されたのは、影山さんの30周年記念アルバム「30years3ounce」より「Bang! Bang! Bicycle」。
影山さんの長年にわたるご趣味である自転車を軽快に歌われた本曲はライブのオープニングブロックにぴったりで
久し振りに聞く事が出来て嬉しうございました。二番終わりや締めのハープのソロ演奏が実に格好良かったです。
続いては40周年記念アルバム「A.O.R」より、遠藤正明さんとデュエットされた「She's trouble & such a fool!」。
乾いたギター演奏と色っぽい影山さんの歌い方はがらりと雰囲気が変わってぐっと大人なムードを感じました。

・影山さん「月に一度しかみんなの前で演奏できないからちょっと色々試練を詰め込みすぎちゃって。
     三曲終わったのに、もぉ、全然心が休まらないっすね。カエルの歌作るので精いっぱいでしたね」
観客笑。
・今回、ルーパーを4曲で使用予定。緊張する影山さん。
影山さん「よく若い人はコレを駆使するよなぁ。でも頑張らないと老化していくばかりやからね」
・ステージの至る所にカエルグッズが。
影山さん「もぉ、今日はそこかしこにケグリ(韓国語でカエルの意味)がいるんすよ。
     なんかね。ケグリィっていうとプレゼントで送ってくれるファンの人が多いんすよ。
     オレんちケグリ館みたいになっちゃう。ナハハハ」
観客笑。

04:風にひとりで
05:THE REAL FOLK BLUES
-MC-


アルバム「ガンダムトリビュート from Lantis」でカバーされた劇場版「機動戦士ガンダムII 哀 戦士篇」挿入歌。
思春期独特の心情を歌ったアコギにとても映える本曲を、少し寂しげな笑顔で歌われる影山さんが印象的。
ステージ上が赤黒い照明にかわると続いては「from カウボーイビバップ」という影山さんの一声から
カバーアルバム「誰がカバーやねんアニソンショー」でカバーされたアニメ「カウボーイビバップ」エンディング。
影山さんの哀愁漂う嘆きの歌いぶりはライブで聞くとたまらなく味わい深いものがございました。
二曲とも原曲も影山さんのカバー版も大好きなだけに、連続で聞く事が出来てとても嬉しかったです。

・カエルの帽子をとってから髪の毛が盛れているか気になる影山さん。
・影山さんがチェアマンを務めるJAM Projectが2年半ぶりの有観客&ライブツアー
「GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE-」を開催されるというお話。
・影山さん「もう最後どこでやったのかわかんないくらいやもんね。でもスタンディングできるのかな。
     みんなが椅子に座ってみる事になってもオレ達のロック魂を伝えられればと思います」

06:地球(ここ)から
-MC-
07:星の降る丘
-MC-


アニメ「DRAGON BALL Z」のイメージソングをアコースティックアルバム「I'm in you」のアレンジ版で。
影山さんの柔らかな歌声がとても素敵で、ルーパーでギター演奏を加えた事で雰囲気が更に魅力的に。
続いて影山さんがプロデュースされた声優の野川さくらさんの三枚目のシングル「星の降る丘」をカバー。
アコギとハープのみの演奏なので影山さんのせつない歌いぶりが一層際立ち、しみじみと聞き入りました。

・影山さん「今日すっごい雨ふったり……あのォ、すっごい雨ふったり」
観客笑。
影山さん「雨は必要なんすけど、やっぱり出かけるときにふるとね。クツ濡れると行きたくないっすよね。
     『もう、今日、出かけるのやめた。影ちゃんのライブだけど帰る』ってなりますよね」
観客笑。
影山さん「大丈夫。……オレのトークが面白くないわけじゃないのわかってるから。
     みんな気をつけてくれて笑ってないだけだからね……オレ、結構面白いから」
観客笑。
・ライブの数日前に影山さんと高崎晃さんがそれぞれのSNSで井上俊次さんとのスリーショットを公開。
写真がバンドリハーサルの光景だったのでファンからはLAZYに何か動きがあるのかと期待されていました。
影山さん「もぉ~晃がァ、いろんな余計な写真をあげちゃからぁ」
観客拍手。
影山さん「んまぁッ、7月になれば情報解禁されるので待っててください。
     みんなが期待してる感じのではないかもしれないけど、でもこれは晃がァ、
     ……オレ、いつから晃って呼ぶ様になったんや」
観客笑。
影山さん「たっかんがぁ、あァのォ、自分のポジションをかけてやろうとしてる事の一環です。
     なので、それはそれで楽しみに待っていてください」
・影山さん「こんな喋ってて大丈夫? この前、ここでやった時、しゃべりすぎて時間オーバーして
     スタッフが駆け寄ってきて『もう時間です』って5曲くらい歌えなかったんすよ」
観客笑。
影山さん「今日は早く始めたから大丈夫か。でもアレはビビったなぁ」
・首にかけていたハープのホルダーを外そうとして髪に引っかかる影山さん。
影山さん「最近外そうとすると引っかかるんですよ。大丈夫、髪はもってかれへんよぉ。
     もォし持ってかれたら、それこそ、大発表ですよ」
観客笑。
影山さん「……最近、みんなが喜ぶ話題がだんだんわかってきた。オレの自虐だ」
観客笑。
影山さん「真面目な話しても何も反応ないのに、髪が持ってかれるって話たら『アッハッハッハ』て」
観客笑。
・ここで今月6月生まれの観客を挙手にてアンケート。
影山さん「6月のJuneバースデーおめでとう」

08:Birthday eve

アルバム「ROCK JAPAN」より「Birthday eve」で今月が誕生月の観客へ影山さんから歌のプレゼント。
影山さんが観客に手拍子を促し、さながら会場全体で誕生月の観客をお祝いしている様でした。

「Birthday eve」が終わるとステージ後方にスクリーンが降りて来る中、影山さんがルーパーを用いて
アコギを弾かれたり、叩いてリズムを刻まれたり、鉄琴を演奏して音を記録していました。

08.5:シモキタ (途中まで)

続いてはアルバム「30years3ounce」より「シモキタ」。
スクリーンには楽曲のプロモーションビデオに下北沢の情景写真を加えた映像が映し出され
楽曲の世界を体感出来ていたのですが、途中でルーパーから思う様に音が出なくなり一旦ストップ。

・影山さん「もっかいやっていいですかぁー!?」
観客拍手。
影山さん「なんでなんで。コレが一番うまく行くと思ったのにぃ」

09:シモキタ
-MC-


もう一度ルーパーにギターや鉄琴の音を録音し直して改めて「シモキタ」。映像も最初から。
世田谷区下北沢への思いを世田谷区在住の影山さんが等身大の歌声で歌われ素朴さが魅力。
久々に聞けた事と下北沢から京王井の頭線でほど近い吉祥寺で聞く事が出来たのも嬉しかったです。

・影山さん「寿命ちぢまるわぁコレ~。何が起こったんや、学んだとおりにやってるのに。
     ……知らない間に変な所押してんのかァ。コレが年をとるって事か。違うかァ~」
・コロナ禍になる前は日本全国を巡っていたソロアコギの旅。いつになったら全国に行けるのか。
・60歳になったら一年で60か所を廻ろう、日本の島を全部行こうと思っていたのも先延ばしに。

10:今夜LOVERS LANEで…
11:Wandering Soul
-MC-
12:1977


ラストブロックは影山さんの源流であるLAZYの楽曲群から郷愁を誘う3曲。
まずは1998年のLAZYの再結成後、完全復活したアルバム「HAPPY TIME」より「今夜LOVERS LANEで…」。
原曲で印象的な「wow wow」の合唱ですが、今回は影山さんお一人で歌われ、それはそれで味わい深く。
続いて2017年発表のLAZYのデビュー40周年記念シングル「Slow and Steady」より「Wandering Soul」。
結成当時と思い返しつつメンバー達への思いを強く切なく歌われている様子はとてもドラマチック。
本編ラストは同じく「Slow and Steady」より「1977」をルーパーで音色やリズムを重ねてご披露。
観客も手拍子で演奏に参加する中、影山さんはリズミカルに身を揺らしながら楽し気に歌われ、
間奏部分になると観客へ向かってお礼の言葉をのべられていました。

-アンコール-
-MC-


観客から拍手を受けながら影山さんが退場されるとステージ上が暗くなり、
拍手が手拍子に変わる中、スタッフさんが鉄琴を片付けられたり、ピアノの準備をされ、
しばらくすると再び影山さんが登場され、ピアノの前に座られアンコール。

・ピアノはまだまだ伸び盛りの影山さん。
影山さん「はぁ、ホントはピアノでも新曲を増やしたかったけど、ケグリで手一杯だった」
観客笑。
影山さん「なので来月、楽しみにしててね……ピアノは練習だと間違わないのにおかしいわぁ」 
観客笑。
影山さん「次の曲はコロナ禍の最初に作った『ヒカリへ』って曲なんですけど、
     あの頃はまさかここまで続くとはね。JAMのツアーも出来なかったし、今も大変な状況だし」

13:ヒカリへ

2020年に7月にLantisが発表したながら聴きサービス「MixBox」の限定コンテンツ「MixUp!」で発表され
ご息女である景山菜奈さん、景山梨彩さんと共に作られた「ヒカリへ」をピアノ弾き語りで。
コロナ禍のストレートな思いを、希望を込めて歌い演奏される影山さんのお姿に引き込まれる思いでした。

・影山さん「いやぁ緊張した。オレの人生って緊張との戦いだったなぁ。まだ続くんだよなぁ」
難客笑。
影山さん「ホントの事いうと失敗するのはそんなに嫌じゃないんすよ。そりゃあ恥ずかしいし嫌だけど。
     でも緊張するのも当たり前だし、失敗するのも当たり前だけど、しないように頑張ってやって
     はきそうになりながらステージにいるのが生きてるって感じなんすよね。もっと上手くなります」

14:プレリュード

ラストはLAZYの4枚目のアルバム「Rock Diamond」より「プレリュード」をピアノ弾き語りで。
一旦前奏を弾いたものの、少しだけ失敗してしまい、仕切りなおしてもう一度最初から。
シンプルなピアノ演奏だからこそ影山さんの穏やかな歌声が際立ちじっくりと聞き入っていました。

閉演BGM:うたうたういのカエル

「うたうたういのカエル」が流れる中、観客から拍手が贈られる拍手が手拍子に替わり影山さんがご挨拶、

影山さん「最後にケグリを聞いてやってください! ありがとうございました!
     今日は客席がよく見えて楽しかったです! また会いましょう!!」

拍手の中、影山さんが客席を見ながら後ろ向きに歩いて観客の笑いを誘いながら退場されていき、
ステージ上が暗くなると共に客席が明るくなり「影山ヒロノブ 2021年ソロアコギの旅 6月編」は閉演となりました。

オリジナル楽曲を中心にLAZY、アニメソング、カバーソング、提供楽曲のセルフカバーと
今回も影山さんのキャリアを凝縮された内容で展開されていたソロアコギの旅でしたが、
演奏面でルーパーを多く取り入れた事により、これまでのリラックスした雰囲気の中に緊張感が加わわって、
これからのソロアコギの旅が更に広がっていくような印象を受けると共に、
還暦を迎えてもなお続く影山さんの探求心、挑戦心にひたすらに感嘆いたしました。


補足

・これまで影山さんのトークのにぎやかしとして使用されていた歓声のSEは今回は無し。

・昨年の12月より始めたひと月毎にオリジナル曲を作りライブで披露するとい試みのお話。
影山さん「1番はみんなが楽しんで欲しい。2番は一年位やったら、アルバムになればいい。ナハハハ」
観客拍手。

・影山さん「カエルってェ、美声じゃないヤツの象徴みたいじゃないっすかァ。
     小学校の頃、合唱でオレが歌った後に音楽の先生が『景山は子供なのに森進一みたいだなぁ』って
     笑いながら言われたのを今でも覚えてるんすよ。だからJAMのレコーディングの時に
     奥井(雅美)ちゃんとか遠藤とかの澄んで伸びる声の人には、敵意を持つんでスよ」
観客笑。
影山さん「『その分、オレは心を込めるぜぇ』って歌うんすけど、その後に福ちゃん(福山芳樹さん)が歌って
     『あ、オレの声、そんなでもなかった』って思うンです」
観客笑。
影山さん「ま、今回の新曲で言いたいのはそこじゃなくて、今、何も出来ない世の中ですけど、
     自分に向いてる向いてないじゃなくて、自分がカエルのような声で生まれてても
     大好きな人達のために歌い続けたいっていう意味で作りました」

・ここ数回はライブ配信のアーカイブは無かったのですが、今回は翌日までのアーカイブ付き。
影山さん「今日は始まる時間がはやいっしょ? 来てくれるみんなは絶対仕事早引けやん?
     そォんな、オレはファンのみんなに犯罪まで犯させて。オレはイケないやつですよ」
観客笑。

・影山さん「マスク美人っていますよね。……あぁ、みんなはホントの美人だから」

・「シモキタ」の際、スクリーンに映し出されたプロモーションビデオには
下北沢の人々に交じって遠藤さんがゲスト出演されており、
今回も遠藤さんのお姿が映し出されると観客が多少ざわついておりました。

・影山さん「みんながこうして来てくれるから、オレをプロフェッショナルにしてくれるんすよね。
     プロって資格がないじゃないっすか。CD買ってくれたりライブに来てくれて初めてプロなんすよね。
     こんな暮らしを40年以上続けてこれて、きっとステージにしがみついて死んでくんですけど、
     しがみつけるのもみんなの、ひとりひとりの、ボクに対する、……金やァ!」
観客笑。
影山さん「間違えた間違えた。真心です。でもみんなが働いて稼いでくれたお金をライブに使ったり、
     配信で見てくれたりと費やしてくれているからボクがこうして歌えているわけで、
     そういう風に心から考えられるようになったのもコロナ禍だからなんですよね。
     来てくれたり、配信を見てくれているみんなが少しずつ日常を取り戻していく事を
     みんなに感謝する気持ちと共に祈っています」


 

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